日本ダービー2022 勝ち馬プロファイリング② 別路線組の刺客候補 

前回の続きで、今回は前走皐月賞以外の組からの新星誕生の可能性について分析。
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前走NHKマイル

3歳マイル路線の頂点を決めるNHKマイルからは、2着馬のマテンロウオリオンが参戦。タニノギムレット・キングカメハメハ・ディープスカイがNHKマイル→ダービーを連勝しているが、直近過去10年では2020年サトノインプレッサの4着が最高で勝ち馬どころか馬券内に入る馬もなし。しかも、ダービー馬となった3頭はいずれもNHKマイルの勝利馬でもある。

今年のNHKマイルは、標準的な時計レベルで決着しているとはいえるものの、昨年ほどのインパクトのあるレースではなく、マテンロウレオも2着でダービーでは全く良いところがないダイワメジャー産駒。頭から狙える条件が揃っているとは言いがたい。NHKマイル同様(最)後方からの追い込みでどこまでやれるかといったところで、ヒモ荒れ相手までの評価が順当。

前走 京都新聞杯組

前走京都新聞杯は近年のダービーでは皐月賞に次ぐ地位の前哨戦で過去20年で2勝2着3回3着1回。今年は、勝ち馬のアスクワイルドモアが参戦。レース自体は2分9秒5の好時計だったとはいえ、これは超高速のトラックバイアスの恩恵が強く額面通りには評価しづらく、たとえばキズナのように「ダービーでも」と思わせるようなレース内容ではない。ただ、10秒台が2ハロン続く厳しい前半ラップかつ後半1000m59.2の流れを中団から抜け出しての競馬で自身の後半1000mは推定58.5くらい。1枠をひけたので前々のポジションで運んでの流れ込み・・・という可能性まで、タイプ的にはロジャーバローズを少し弱くした感じの印象。1枠1番だからという理由で押さえるところまで。

前走毎日杯組

阪神1800mは外回りコースを利用した中距離コースで、「早い上がりの求められる中距離コース」という点で共通。また、ダービーへの間隔もゆとりがあることから、皐月賞をパスしてダービーへという馬がこれから増えてくるローテーション。実際、昨年はここを圧勝したシャフリヤールがダービー馬に。

今年はピースオブエイトが3連勝を決め、無敗でのダービー挑戦となるが、今年の毎日杯は昨年と比べるとレースレベルはかなり落ちるので、昨年のシャフリヤールほどの期待感はない。ただ、前走はハナにたってしまった分・・・という考え方をすれば、「負けていない」ということの価値は大きく前目で捌ける馬なだけに相手には押さえておきたいところ。

前走 プリンシパルS

ダービーへの最終切符をかけたトライアルレースだが、ダービーまでの間隔が短い&OP(リステッド)に過ぎないことから、他のステップレースに比べてメンバーレベルが落ちる年が多くダービーにもあまり直結しない。過去20年では3着が3頭(2018年コズミックフォース・2009年アントニオバローズ・2002年マチカネアカツキ)。

今年のレースも例によって、他のステップレースと比べるとやはり全体時計も上がり時計も見劣りする。勝ち馬自身の上がり1000mも58秒中盤程度で、ダービー勝ち負けの目安(57秒中盤以下)には遠くおよばない。ただ、こちらも内目の枠から前々で捌けるタイプではあるので、人気がなければないほどヒモには押さえておきたい馬ではある。ちなみに、プリンシパルSから馬券になった3頭はすべて前目からの流れ込み。

青葉賞

ダービーと同じ舞台で行われるトライアルレース。過去20年では2着5頭、3着4頭を出しているものの勝ち馬がでないことでもよく知られている。あの藤沢厩舎ですらこのローテーションでダービーを勝てなかったことはあちこちで話題になる有名な話。

今年は勝ち馬プラダリア・2着馬ロードレゼルの2頭がエントリー。青葉賞からダービーでも馬券になるタイプには「早い脚を長く使えるタイプ」がやはり多い。今年は逃げたディライトバローズの大逃げでラップの評価が少し難しいが勝ち馬の後半1000mラップは推定で58秒ちょうどかそれを少し切るくらいでかなり優秀で、近年の青葉賞馬ではもっとダービー馬に近い存在といえる。「人気にならなかったディープインパクト産駒は買い」という日本ダービーの過去傾向にもマッチするだけに、別路線組でのイチオシは迷わずこの馬。

日本ダービー 別路線組分析 まとめ

前走皐月賞以外の別路線組からはプラダリアが抜けた存在で、現在の人気であれば単勝から狙ってみるのも選択肢。事実上のラストクロップといえる今年の3歳世代からディープ産駒最後のダービー馬を出すことができるか。

そのほかの各馬は、例年の傾向と照らすとややパンチ不足の印象が強いが,いずれの馬の「前」で捌けるタイプなだけに、展開ひとつでは3着に粘り混むという可能性は捨てきれない。1頭は別路線組が入る傾向が強いレースなので、3連系を買う人は「別路線こそ狙い」ということは頭にいれておきたい。

ダービーの最終結論は、当日お昼頃予定