重賞回顧 ジャパンダートダービー

まさかの決着(単勝129倍)となったJDD。その波乱の原因はやはり展開。

上は2016年以降過去5回のJDDの1Fごとのラップをグラフにしたもの。ぱっとみてわかるように、今年のラップはかなりの中だるみで圧倒的に逃げ馬有利のもの。しかも、昨日のような馬場では直線の長い大井外回りでもなかなか前はとまらない・・・。

人気のない馬が逃げたということでマークが緩かったというのもあるのだろうが、このレースのもう1つのポイントは、1角進入まではむしろ過去5回ではもっとも早く流れてかなり縦長の展開で向正面を迎えたこと。これによって他馬のジョッキーには「前は潰れる」という意識も芽生えた可能性は否定できない(先週のプロキオンSも似た感じのレース)。そういう意味では鞍上の仲野ジョッキーの好騎乗で、自分の力で勝ち取った初GⅠ(重賞)ともいえる。

このレースでもう一つ抑えておきたいのは、2着になったゴッドセレクションの前走(兵庫CS)。このレースでは、早めのペースで逃げるロードエクレールを早めに捕まえすぎてしまったために、ゴール前でリプレーザにすくわれる結果に。。。鞍上の中井騎手にはこのことも頭にあったのだろう。実際、レース後にも「動き出しを焦らないように心がけた」というコメントを残してる。こちらは初重賞制覇までの産みの苦しみといったところか。

以下、3着以下は、ウェルドーン、スマッシャー、リプレーザ、ロードシュトロームと中央勢がずらり。この中で今回の展開に一番泣いたのは間違いなくスマッシャー。鞍上の坂井騎手も「力負けとは思っていない」とコメントをしているが、距離への不安が多少なりにもあって早めにいきたくてもいけない弱みもあったとは思う。リプレーザはおそらく距離が原因で、現状ではマイルくらいまで。

最後に、、、JDDも地方馬が勝ったことで、今年の3歳世代は、昨年のJBC2歳優駿(ラッキードリーム)、全日本2歳優駿(アランバローズ)も含めて、G1レースを地方馬が独占することに。。。東京ダービーも制したアランバローズがこれから大将級の働きをしてくれることに期待するほかないが、小粒の世代だなぁという印象をさらに強めた。