皐月賞 過去レースの傾向・狙い馬プロファイル

3歳クラシック競走の初戦。近年は世界的にも2000m戦への注目度・関心が高まっていることから種牡馬選定レースとしても価値の高い一戦。レースの創設は1939年で、幾度かの条件変更を経て1950年より中山芝2000mの今の条件に。5着までに入線した馬には日本ダービーへの優先出走権が与えられる。
直線坂下から内回りコースを1周する競馬となるため、器用さ・持久力・スピードのすべてが求められるタフなレース。

目次


皐月賞 過去レースのラップタイム

1ハロン12秒のラップが緩みなく続く持久力戦。前半59.5秒±0.5秒/後半60秒±0.5秒くらいが基準のペースでやや前傾。中山芝2000mの上がり4F・3Fタイムはクラス間では差がつきづらく、上がりの鋭さよりも長い脚で上がりをまとめられる持続型の差し馬を上位にとりたい。
また、馬場が渋っても前半ペースが極端に落ちるケースはあまりなく、むしろ「差し届かない」ことを懸念する各馬が早め早めに動き出す流れを想定したい。

1~3着馬の脚質分布

内回りコースの平均ペース戦となれば、やはり好位・差しが圧倒的に優勢で、「追い込み馬の勝利はゼロ」。また、逃げ切り勝ちは過去20年で2例(2007年・2008年)あるものの、それぞれ特殊な事情を抱えていたことから「正攻法での逃げ切り勝ち」はかなり難しいレースといえる(下記参照)。
また、「上がり3F1位の馬よりも2位の馬の方が成績が良い」というのも内回りコースの中距離戦でよく見られる傾向通り。

【参考】2007年・2008年のラップタイム

2008年は1000m通過タイムが61.3秒と過去20年でもっともスローペースだった年。2007年は人気有力馬が差し・追込み脚質で他馬が動きだしづらい組み合わせだったところを勝ち馬(ヴィクトリー)鞍上(田中勝)が上手にトリックレースに持ち込んだ結果の「行った行った」で2着馬もヴィクトリーについていったサンツェッペリン(単勝100.6倍)での大波乱。

皐月賞 枠番・馬番別の傾向

4・7枠がやや優秀という程度で基本的にはフラット。どちらかといえば「内有利」の印象の方が強そうなレースではあるが回収率では内よりも外の方が期待値が高い。内か外かで迷ったら外の人気薄へ

皐月賞 人気別の傾向

1番人気過去20年6勝、過去10年3勝で複勝率はいずれも6割。「クラシック初戦の1番人気」としては物足りない。また、人気分布が広く、6~10番人気が馬券になるケースが多いため「馬券は広く受ける」ことを心がけたいレース。
なお、「前走勝っているのに人気のない馬」には特に注意したい。近年でいえば、2021年タイトルホルダー、2020年ガロアクリーク、2017年アルアイン、2016年ディーマジェスティは前走勝ち(しかも重賞)。

皐月賞 前走レース(ローテーション)別の傾向

過去20年ではスプリングS組が7勝11連対も、直近10年では共同通信杯組が5勝(3着2回)複勝率43.8%と抜けた成績。それに次ぐのは、ホープフルS組の4戦2勝(いずれもホープフルSの勝ち馬)。その他方で、かつては最重要トライアルレースだった弥生賞組は直近10年では「0-5-3-33/41」と勝ちきれない状況が続いている。
ちなみに、前走1秒以上負けていた馬の巻き返し例はなく、直近10年で馬券になった馬はすべて前走5着以内

皐月賞 キャリア別の傾向

キャリア3~5戦がボリュームゾーンでそれ以上もそれ以下も割引でよい。特に直近10年ではキャリア6戦以上の馬で馬券になったのは、2014年のウインフルブルームと2013年のロゴタイプの2例のみ。この2頭についても、ウインフルブルームは朝日杯3着後も3歳重賞で入着を繰り返していたし、ロゴタイプも夏の北海道シリーズで数を使ったことが原因で、朝日杯・スプリングSと連勝しての皐月賞。キャリア9戦で皐月賞を勝った2006年のメイショウサムソンも4戦連続連対で皐月賞に挑んでいて、キャリアが増えたのは初勝利に時間がかかったことが原因。キャリア数に釣り合う実績のない馬は苦しい

皐月賞 種牡馬別の傾向

ディープインパクト産駒が直近10年で3勝。しかし、人気馬の勝利は2020年のコントレイルの1例だけで、2017年のアルアインは9番人気、2016年のディーマジェスティは8番人気。ちなみに、ディープインパクト産駒の皐月賞成績を厩舎別にみてみるとかなり偏りがあって興味深い(下記参照)

【参考】皐月賞 ディープインパクト産駒の厩舎別成績

皐月賞 騎手別の傾向

デムーロが過去20年で4勝6連対、直近10年でも2勝3連対と現役ではトップの成績で、福永・川田は2・3着までのケースが多いことや、ルメールの成績があまりよくないことも頭には入れておきたいポイントのひとつ。


皐月賞はこの馬を狙え!!

  • 共同通信杯を上がり3F1位2位で好走した馬
  • 弥生賞を好位より前の位置から競馬(残り600mで先頭から0.2秒以内)で好走した馬
  • 前走重賞勝ちにもかかわらず5番人気以下の馬