【重賞回顧】エルムステークス

今年は札幌ではなく函館開催となったエルムS。パサパサの力のいる馬場での持久力勝負を制したのは古豪スワーヴアラミス。

レース結果

  • タイムランク【E】/メンバーランク【C】(GC「今週の結果分析」)
  • RPCI 37.7
    ※主催者発表の公式記録もご確認ください

ラップペース

上のグラフの通り、今年のエルムSは、2016年以降の函館D1700m(OP・重賞全レース)の平均ラップと比較してもかなりの前傾ラップ。RPCI37.7も2016年以降の平均(41.4)よりかなり小さい数値。
このようなラップとなったために前半の隊列が長くなったことはレース結果にも大きな影響を及ぼしている。
終盤のラップが大失速になっているのは、含水率1%レベルのパサパサの馬場でこのペースになったら仕方ない部分があり、タイムランクだけでレースレベルが低いと決めつけてしまうのは早計。

回顧コメント

勝ったスワーヴアラミスは、平安ステークスで復調のきっかけをつかみ函館で3戦2勝2着1回。2年前に同じ函館D1700mで2勝クラス勝ったときのRPCIも37.4、前走のマリーンSもRPCI36.5。おそらくは、こういうバテ比べを前で残る競馬が最も合っているのだろう。

2着3着にはその1列後ろで競馬をしたオメガレインボーとロードブレスで、結果として例年傾向通りの前走マリーンS組のワンツー。オメガレインボーは前走あたりから「重賞でも」と思わせる走りをするようになり今後が楽しみ。ただ、1800m、1600mよりも1700mというタイプのような気もするので、来年のこのレースまで重賞はお預けということもあるかもしれない

3着ロードブレスは、パサパサのダート(&小回り)が合っているタイプ。とはいえ、58kgでこの内容は立派。元々地力のある馬なので条件さえ整えば今後も。

今回の展開に泣いたのは、4着のウェスタールンド。前半が流れすぎたために向正面ではかなり離れた最後方。そこから早めに足を使ってのマクリでは最後まで脚がもたず・・・という流れ。前走(プロキオンS)の負けは度外視してよいことは「プロキオンSの回顧」で指摘したとおりだが、今回も展開に泣いた印象。ただ、本当に強いときのウェスタールンドならあれでも差し切れたとも思えるのでさすがに9歳の衰えはあるかもしれない。次走が試金石。

しんがり負けのアメリカンシードは、現状では行ききれるかどうかがすべて。レース中に鼻出血もあったようだが、その前の時点から頭を上げてイヤイヤでかなり難しい状況。枠が外だったら・・・という気もしなくはないが、テンから無理矢理出しにいかないといけない小回りコースよりは東京マイルくらいの方があってるような気がする。

なお、ヴェンジェンス・ケイティブレイヴは、この後の調整が順調なら相手次第では勝ち負けになるかも。