秋の古馬三冠レースの初戦となる伝統のGⅠレース。レース創設は1938年で、当時は春の天皇賞と同様に芝3200mで実施されていた。また、1981年まではいわゆる「勝ち抜き制」が採用されていて1度優勝した馬は出場できない仕組みになっていた。1984年(グレード制導入元年)からは芝2000mへ距離が短縮され、中距離最強馬を決めるレースとして定着している。
天皇賞(秋) 過去レースのラップタイム
東京芝2000mはスタート直後の2コーナーがタイトなため出足はゆっくりはじまるのが基本。とはいえ、層の厚い2000m路線の頂点を決めるレースというだけあってその後は11秒台のラップがゴールまで続く。東京コースといえば長い直線を活かしての瞬発力勝負(ギアチェンジ勝負)になりやすいが、天皇賞(秋)はスピードの持続力も高いレベルで求められる。
展開のカギは向正面でのペース
東京芝コースは向正面のペースが展開のカギになる傾向が他場よりも強いが天皇賞(秋)もこれと同じ傾向。特に3コーナー進入前のラップが早いと後半失速の原因に直結する傾向がハッキリしているといえる。
1-3着馬の脚質分布
タフな展開で早い上がりも要求されるレースだけあって、基本的には中団からの差し馬の強いレース。ただ、上がり最速の馬はさらにその後ろ(届かない位置)にいることの多いレースでもあることには注意しておきたい。
【参考】天皇賞(秋)上がり3Fタイム別の着度数
脚質上り | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
3F 1位 | 6- 7- 5- 6/ 24 | 25.00% | 54.20% | 75.00% | 254 | 194 |
3F 2位 | 6- 2- 2- 9/ 19 | 31.60% | 42.10% | 52.60% | 624 | 173 |
3F 3位 | 3- 3- 1- 10/ 17 | 17.60% | 35.30% | 41.20% | 45 | 110 |
3F ~5位 | 2- 3- 4- 33/ 42 | 4.80% | 11.90% | 21.40% | 15 | 114 |
3F 6位~ | 2- 4- 7-200/213 | 0.90% | 2.80% | 6.10% | 4 | 14 |
天皇賞(秋) 枠番・馬番別の傾向
スタートから向正面までのポジション取りが非常に重要。特にタイトな2コーナーの立ち回りで不利をうけやすい外よりも内の方が有利。また、レース当週から仮柵が移動する(Aコース→Bコースとなる)のが慣例で、直線も内ラチ沿いが伸びやすいトラックバイアスになっていることも覚えておきたい。
天皇賞(秋) 人気別の傾向と分析
1番人気は、過去20年、過去10年ともに勝率5割、また複勝率も過去20年では80%、過去10年では90%と抜けて高く信頼度は非常に高い(唯一の馬券外は2018年のスワーヴリチャード(10着))。また2番人気の複勝率も過去20年で55%・過去10年で60%、ごまかしの効きづらいコースで厳しい流れになりやすいレースであるだけに「強い馬が素直に人気になり強い競馬をするレース」といえる。波乱の目は3着のヒモ荒れ。また、1-3番人気以外の勝ち馬に共通しているのは毎日王冠組であることも押さえておきたいポイント。
天皇賞(秋)過去10年の配当
単勝 | 馬連 | 馬単 | 3連複 | 3連単 | |
2021 | 340 | 390 | 850 | 350 | 2040 |
2020 | 410 | 3410 | 5350 | 51240 | 183870 |
2019 | 540 | 970 | 2210 | 2720 | 14560 |
2018 | 1310 | 9200 | 19630 | 93450 | 492560 |
2017 | 900 | 5250 | 10330 | 10670 | 70420 |
2016 | 2510 | 2440 | 8460 | 2800 | 26250 |
2015 | 1420 | 12900 | 19250 | 157770 | 528510 |
2014 | 270 | 8990 | 10210 | 57870 | 251440 |
2013 | 290 | 5150 | 6180 | 2910 | 23420 |
2012 | 320 | 1010 | 1760 | 3230 | 11550 |
最低配当 | 140 | 390 | 850 | 350 | 2040 |
最高配当 | 7580 | 16490 | 47290 | 141100 | 1226130 |
中間値 | 340 | 2070 | 4265 | 6925 | 35960 |
天皇賞(秋) 前走レース(ローテーション)別の傾向と分析
近年では有馬記念・ジャパンカップよりもハイレベルなメンバー・レースになることも多いチャンピオン決定戦だけあって、馬券になる馬のローテーション分布は小さい。主軸は毎日王冠組であるが、近年では札幌記念や春のG1シリーズ以来(秋初戦組)の実績馬が一発回答を決めるケースも多い。「前走GⅢ以下からの連対馬がいない」ということは覚えておきたいポイント。
天皇賞(秋) 年齢別の傾向と分析
- 4歳・5歳が圧倒的に強い
- 牝馬は5勝しているが、アーモンドアイ2勝・ウォッカ・ビエナビスタ・ヘブンリーロマンス、2着もジェンティルドンナ、ダンスインザムード、ダイワスカーレットと既に牡馬相手に結果を出していないと通用しない
天皇賞(秋)種牡馬別の傾向
- ディープインパクト産駒は出走頭数の割に勝ちきれておらず、天皇賞(秋)に限っていえば東京はディープ産駒という印象ほどの強さではない。
- ミスプロ系種牡馬・ロベルト系種牡馬の勝率が高い
天皇賞(秋)騎手別の傾向と分析
- 馬券対象になっている騎手の絶対数が少ない(同じ顔ぶれ)
- ルメール・武豊が3勝・横山典弘が4連対
- 短期免許の外国人ジョッキーにも注目
天皇賞(秋) 狙い馬のプロファイル
- 毎日王冠で上がり1-3位以内&5着以内の馬
- 皐月賞・ダービー好走の3歳馬
- 短期免許の外国人ジョッキー騎乗馬