帝王賞 過去20年の傾向と分析

上半期の古馬ダートグレード重賞の締めくくりとなる交流GⅠレース。中央・地方から一線級の馬が揃うチャンピオン決定戦といえる。レース創設時は大井ダート2800mで行われたが、1986年からは現行の2000mに変更され、1995年からはダート交流G1レースとして実施。

大井ダート2000mコースの特徴

  • 正面スタンド前直線内回りコースとの合流地点付近からスタートし外回りコースを1周
  • スタートから1コーナ-までは約500m
  • 平坦コース
  • ゴールまでの直線距離は386m(地方競馬最長で阪神競馬場のダートコースよりも長い)

帝王賞 過去レースのラップタイム

200400600800100012001400160018002000
200213.010.412.512.612.912.612.612.812.212.1
200313.311.013.312.912.512.112.312.712.212.3
200412.511.912.513.012.912.812.013.011.611.8
200511.910.912.212.812.712.412.313.112.512.7
200612.511.612.212.412.212.012.212.511.812.7
200712.211.212.513.012.612.312.613.212.412.3
200812.311.712.813.412.612.312.012.512.113.0
200912.411.512.613.312.912.512.312.511.412.2
201012.211.012.212.612.412.412.812.812.013.0
201112.211.012.012.312.312.612.712.611.312.1
201212.511.412.113.012.612.512.412.911.811.8
201312.611.812.812.912.311.911.912.311.912.6
201412.711.912.413.112.212.712.512.411.512.1
201512.311.411.512.612.112.012.112.812.513.4
201612.511.212.313.412.812.512.712.211.512.4
201712.611.612.512.812.612.412.312.612.212.8
201812.311.211.612.612.212.213.213.012.513.5
201912.111.312.412.812.612.412.813.512.312.2
202012.611.812.913.513.113.012.012.611.712.1
202112.111.612.112.512.512.312.312.912.012.4

スタートから500mほどの直線が続くこともあり最初の400mはしっかり流れる。1・2コーナーではさすがにペースが落ちるものの、全体的に厳しい流れのまま直線をむかえる傾向が強い。開催時期の違いを考慮する必要はあるが、同じコースで行われる東京大賞典よりも厳しい流れになることが大半。

また、開催時期の関係上パサパサの良馬場で開催される年が少ないのも帝王賞のポイントのひとつ。また、コースコンディションは展開に強く与える傾向があり、馬場が湿るほど「上がり時計が早くなる傾向」が顕著になっている。

帝王賞 所属別の傾向

過去20年では中央所属馬16勝地方所属馬4勝で、2011年から中央所属馬が11連勝中。さらに、過去10年で地方所属馬が馬券になったのはわずか3例(ノンコノユメが2回馬券になっているため2頭)しかない。ノンコノユメも元はJRA所属でフェブラリーSを制している馬であることも踏まえると圧倒的に中央勢が優勢といえるレース。

帝王賞 人気別の傾向

JRA勢が強い地方交流レースは「堅いレースが多い」というイメージが強いが、帝王賞は人気通りに決まらない年が少なくない。1番人気は過去20年で複勝率75%ではあるが5勝2着8回と、1・2着の数が逆転。また5番人気以下も5勝しており、思わぬ高配当を演出することも。
ちなみに、帝王賞を連覇した馬はこれまで1頭もいない(近年ではホッコータルマエが2勝しているが、2013年・2015年の隔年)。

帝王賞 前走レース(ローテーション)別の傾向

かつては、「かしわ記念→帝王賞」の交流G1連戦が王道のローテションであったが、近年はこのパターンでの好走例が少ない。それに変わるのが平安ステークスからのローテーションや、海外遠征からの直行パターン。
地方馬は、トライアルレースである大井記念・かしわ記念といったこれまでの王道パターンを重視したい。

帝王賞 狙い馬のプロファイル

  • 【良馬場】厳しいペースでの持久力戦に長けた馬
  • 【湿った馬場】「早い上がりのロングスパート戦」を得意とする馬
  • 人気薄の大井2000m巧者