菊花賞 過去20年のレース傾向・狙い馬のプロファイル

3歳牡馬三冠レースの最終戦。イギリス三冠のセントレジャーを範に1938年に開設(当時のレース名は「京都農林賞典四歳呼馬」)され1948年に現在の「菊花賞」に改称される。施行条件は、改修工事などによる影響のあった1979年・2021年・2022年を除いてはすべて京都芝3000mで実施されている。

菊花賞 過去レースのラップタイム

長距離戦なので極端なハイペースになるような可能性は低く、レース傾向としては平均よりの流れになるか、「2000+1000」の中間中だるみラップになるかの2極傾向。阪神競馬場で開催された2021年は中間1000mラップが65.4秒。ゴール前に急坂があることを考えると乗り役としては中盤はできるだけ「脚を温存したい」と考えたくなるコースでもある。また、平均ペースよりの流れになったときにはワンペースで走りきる持久力戦の流れになるため、瞬発力重視の近年のダービーよりも皐月賞の成績の再現可能性の方が高い。

1-3着馬の脚質分布

2021年はタイトルホルダーの逃げ切り勝ちという結果におわったが、傾向としては、好位勢~差しが優勢で逃げ・追い込みの極端な脚質は基本的に割引。

差しが決まりやすいのは1000m~2000m64秒前後となる展開

上の分布図は、1000~2000mの通過タイム(横軸)と勝ち馬のPCI(縦軸)との分布図。この分布図からはレースの流れが速くても遅くても前目(好位勢)が有利で、中団以降の馬に最も適しているのは「適度にスロー」な流れであることがわかる。

菊花賞 枠番・馬番別の傾向

若干の前後はあるが、全体的な傾向としては「内枠有利」の傾向が見てとれる。ターン数の多い長距離戦は「外を廻るロス」の不利は大きく、前につけようが追い込みであろうがロスなくラチ沿いを進める最内はそれだけでプラス材料。

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菊花賞 人気別の傾向

  • 過去20年で1番人気は8勝。直近10年では5勝・複勝率70%
  • 2番人気は過去20年・直近10年とも連対率20%(2着2回)で信頼度が低い
  • 6~10番人気から人気サイドへのワイドや3連複(3連単マルチ)に妙味がありそう

菊花賞 前走クラス・レース(ローテーション)別の傾向

前走GⅡ戦が圧倒的に強く「ひと叩きしてから本番へ」のローテーションが理想。牝馬三冠最終戦の秋華賞においてはオークス→秋華賞の直行パターンが近年トレンドになりつつあるが、ほとんどの馬にとっては未知の距離となる菊花賞はやはり別。日本ダービーからの直行馬は過去20年で3頭いるがいずれも馬券外。伏兵候補は2000m以上・2勝クラス(以上)の条件戦からの馬

トライアルは「神戸新聞杯組」が上位

菊花賞へのたたき台としては「神戸新聞杯」が圧倒的に優勢。出走馬のレベルも神戸新聞杯の方が高い年も多く、素直に神戸新聞杯組を上位に取りたい。

トライアル組は「着順」を素直に信頼

上記は前走神戸新聞杯・セントライト記念組のトライアル戦での着順別の菊花賞成績。みてのとおり、前哨戦で好成績を残した馬の信頼度が高い。前走10着以下から1着に巻き返したのは、直線で周りに壁ができまったく競馬にならなかった2021年のタイトルホルダーのケースのみ。

菊花賞 種牡馬別の傾向

ディープインパクト産駒が4勝7連対も出走頭数も抜けて多く率を考えると妙味がない。2勝のステイゴールド産駒も同様。また調教離戦に強いはずのハーツクライ産駒も勝ち星ゼロで2着がわずかに1回あるのみ。種牡馬だけで狙いをつけるのは難しい。

【参考】芝2400m以上の種牡馬別成績(2017年~上位25頭)

菊花賞 騎手別の傾向と分析

「長距離戦は騎手で買え」と言われることも少なくないが菊花賞は騎乗馬の質に左右される傾向がかなり強く複数回の馬券絡みになっているジョッキーは人気サイドでの例が圧倒的に多い。それでも単勝・複勝共に回収値が100円を超え、馬券外が2回(掲示板外は1回)しかないルメールはさすが。

【参考】ルメールの騎乗馬の成績

【参考】芝2400m以上のレースでの騎手別成績(2017年~)

狙い馬のプロファイル

  • 1枠の馬
  • 神戸新聞杯上位入線馬
  • ルメール騎乗馬
  • 皐月賞好走馬