【キーンランドC】過去レース傾向・狙い馬プロファイル

札幌芝1000mで施行されていたOP特別をはじまりとするレース。その後条件戦として行われる時期などを経て、2006年に行われた短距離路線整備に伴い芝1200mのGⅢ戦として格付けされサマースプリントシリーズにも組み込まれている(現在では第5戦)。CBC賞・北九州記念がハンデキャップ戦、函館SSは賞金別定のレース、セントウルSはスプリンターズSまでの期間が短いことから、近年ではスプリンターズSにむけた重要なステップレースとなっている。
2014年以降の1着馬には、スプリンターズSへの優先出走権が与えられている。

キーンランドC 過去レースのラップタイム

20040060080010001200
200612.110.411.011.511.611.8
200712.010.711.211.311.412.0
200812.110.611.211.311.011.7
200912.110.511.211.611.411.6
201012.010.611.111.411.611.7
201111.810.310.911.511.812.3
201211.910.511.111.511.311.3
201312.111.011.812.312.012.5
201411.910.811.411.511.511.9
201512.110.611.311.811.411.4
201612.110.911.111.311.311.8
201712.010.511.011.611.712.2
201812.110.710.912.011.612.1
201911.910.311.011.711.812.5
202012.210.911.711.911.912.0
202112.310.711.011.511.612.0

平坦小回りでコーナー区間の長い札幌芝1200m(1200mのうち533mがコーナー区間)。同じ1200mスプリント戦でも直近の北九州記念とはラップタイムの出方に違いがあることに注意したい。北九州記念が行われる小倉芝1200mはスタートから一息かつ全速力で走り抜けるタイムの出方をすることが多いのに対し、札幌芝1200mでは4コーナーからが(再度)動くケースが多い点に大きな特徴がある。これが決まれば前が残る可能性も高くなるが、仕掛けが早すぎても遅すぎても後ろからの馬の強襲に合うリスクが高くなる。

1-3着馬の脚質分布

1-3着馬の脚質分布は、3着馬だけやや差し有利も、基本的には前・後はほぼイーブンの状況で、そのレースの「展開」や当日のトラックバイアスの影響の方が大きいといえる。展開(ラップタイム・ペース)の特徴としては、600m~1000m区間(残3コーナーの出口から直線入口)のタイムが早いほど勝ち馬のポジションも前に寄りやすいという点。ただ、札幌芝1200mの残り600m地点は、3コーナーの終わり部分なので、その地点で1秒以上離されている馬は、先行馬のコーナー通過速度が遅いことを利用して4コーナーでポジションを押し上げているケースが多いことには注意しておきたい。札幌競馬場で直線だけの後方一気を決めるのは至難の業。

キーンランドC 枠番・馬番別の傾向

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率
1枠 0- 0- 2-25/27 0.0% 0.0% 7.4%
2枠 1- 0- 3-23/27 3.7% 3.7% 14.8%
3枠 1- 2- 0-26/29 10.3% 10.3% 10.3%
4枠 2- 3- 2-23/30 16.7% 16.7% 23.3%
5枠 1- 2- 2-24/29 10.3% 10.3% 17.2%
6枠 4- 3- 1-22/30 23.3% 23.3% 26.7%
7枠 4- 3- 3-20/30 23.3% 23.3% 33.3%
8枠 2- 2- 2-24/30 6.7% 13.3% 20.0%
馬番着別度数勝率連対率複勝率
1番  0-  0-  0- 15/ 150.00%0.00%0.00%
2番  1-  0-  2- 12/ 156.70%6.70%20.00%
3番  0-  0-  1- 14/ 150.00%0.00%6.70%
4番  0-  1-  2- 12/ 150.00%6.70%20.00%
5番  1-  2-  0- 12/ 156.70%20.00%20.00%
6番  0-  0-  1- 14/ 150.00%0.00%6.70%
7番  1-  2-  1- 11/ 156.70%20.00%26.70%
8番  2-  0-  1- 12/ 1513.30%13.30%20.00%
9番  0-  2-  0- 12/ 140.00%14.30%14.30%
10番  1-  0-  1- 13/ 156.70%6.70%13.30%
11番  2-  2-  1- 10/ 1513.30%26.70%33.30%
12番  1-  2-  2- 10/ 156.70%20.00%33.30%
13番  2-  1-  0- 12/ 1513.30%20.00%20.00%
14番  3-  1-  1-  9/ 1421.40%28.60%35.70%
15番  0-  1-  1- 10/ 120.00%8.30%16.70%
16番  1-  1-  1-  9/ 128.30%16.70%25.00%
偶数  9-  5- 11- 91/1167.80%12.10%21.60%
奇数  6- 10-  4- 96/1165.20%13.80%17.20%
大外  2-  1-  1- 11/ 1513.30%20.00%26.70%

開催後半の馬場の内目が荒れ出した時期の開催となる重賞ということもあり「内より外有利」の傾向が顕著。1枠1番が壊滅的な成績になっている点とセットで頭に入れておきたい。

キーンランドC 人気別の傾向

1番人気は2006年からの全16回で3勝8連対・直近過去10年で2勝6連対。頭の信頼度は低いが相手としては押さえておきたいという信頼度。むしろ、過去5年の1着馬の人気が12→1→1→5→3となっているように「頭から荒れる」ことも想定して馬券を組み立てたいレースといえる。2・3着は、1着ほど分布が広くないので「馬券を拡げるなら頭」

キーンランドC 前走レース(ローテーション)別の傾向

前走レース名着別度数勝率連対率複勝率
函館スプG3 5- 4- 6-38/539.40%17.00%28.30%
アイビスG3 3- 1- 1-25/3010.00%13.30%16.70%
UHB賞H 2- 3- 2-47/543.70%9.30%13.00%
UHB杯H 1- 1- 1-25/283.60%7.10%10.70%
NHKマG1 1- 0- 0- 4/ 520.00%20.00%20.00%
葵S・重 1- 0- 0- 1/ 250.00%50.00%50.00%
マイラーG2 1- 0- 0- 1/ 250.00%50.00%50.00%
クイーンG3 1- 0- 0- 0/ 1100.00%100.00%100.00%
TVhH1600 1- 0- 0- 0/ 1100.00%100.00%100.00%
CBC賞HG3 0- 2- 1- 6/ 90.00%22.20%33.30%
札幌日刊1600 0- 2- 1- 2/ 50.00%40.00%60.00%
安田記念G1 0- 1- 0- 4/ 50.00%20.00%20.00%
函館日刊1600 0- 1- 0- 3/ 40.00%25.00%25.00%
ヴィクトG1 0- 1- 0- 2/ 30.00%33.30%33.30%
高松宮記G1 0- 0- 2- 3/ 50.00%0.00%40.00%
京王杯スG2 0- 0- 1- 3/ 40.00%0.00%25.00%
中京記念HG3 0- 0- 1- 0/ 10.00%0.00%100.00%
バーデンH 0- 0- 0- 2/ 20.00%0.00%0.00%

前走函館SS組が5勝9連対・前走UHB杯組が3勝4連対、その他の条件からの組も含めると9勝2着11回となる北海道組(前走函館・札幌組)が優勢で「洋芝適正」を重視したいレース。

キーンランドC 年齢・性別の傾向

年齢着別度数勝率連対率複勝率
3歳  3-  2-  1- 28/ 348.80%14.70%17.60%
4歳  5-  5-  4- 29/ 4311.60%23.30%32.60%
5歳  5-  3-  7- 45/ 608.30%13.30%25.00%
6歳  1-  5-  2- 53/ 611.60%9.80%13.10%
7歳  0-  1-  1- 28/ 300.00%3.30%6.70%
8歳  1-  0-  1- 14/ 166.30%6.30%12.50%
牝馬  11-  7-  9- 66/ 9311.80%19.40%29.00%

年齢別では、5勝を上げている4・5歳が中心。ただし、2017年の勝ち馬エポワス(9歳・12番人気)の例もあり年齢だけで割り引くことは控えたいレースでもある。ちなみに、そのエポワスは、2走前には函館SSで3着と好走しているだけでなく、毎年のように函館・札幌に標準を合わせて使ってきていた「洋芝専用機」。しかも、ルメール騎乗であったことも考えれば、人気を落とした主なファクターは年齢と前走成績であった。
また、このレースは「牝馬が強い」という傾向が顕著で、全16回のうち11勝が牝馬で馬券絡みになった馬の50%を占めることも絶対に抑えておきたいポイント。

【参考】キーンランドC出走牝馬の年齢別成績

夏競馬では斤量的に恵まれる3歳牝馬を狙いたくなる心理が働くものの、実際に馬券的な妙味があるのは「5歳牝馬」で、相手に抑えておきたいのは4歳牝馬という傾向

キーンランドC 負担重量(斤量)別の傾向

  • 3歳53kg、4歳以上56kg(牝馬2kg減)を基準斤量とするグレード別定
  • 1年以内のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬は3kg増、牝馬限定GI競走またはGII競走(牝馬限定競走を除く)1着馬は2kg増、牝馬限定GII競走またはGIII競走1着馬は1kg増(ただし2歳時の成績を除く)
  • 1年以上前のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬は2kg増、牝馬限定GI競走またはGII競走(牝馬限定競走を除く)1着馬は1kg増(ただし2歳時の成績を除く)

「背負わされた馬は割引」という傾向のレース。59kgのG1馬はいずれも着外、58kgでも2着までと「開催後半のタフな洋芝競馬では重い斤量が堪える」と理解しておいてよく、斤量面で恩恵のある牝馬が強いという結果ともリンクする。

【参考】出走牝馬の斤量別成績

牝馬の斤量別成績に目を向けても背負わされるとの成績・回収率が悪化するという傾向に。55kgの実績馬よりは54kgの好調馬を狙うのがセオリー。また3歳馬を狙うなら牡馬よりも牝馬。

キーンランドC 種牡馬別の傾向

1200m重賞常連のサクラバクシンオー産駒が未勝利という点でも開催後半の洋芝競馬のタフさがみてとれる。ロードカナロア産駒が2勝2着1回で好相性といえるほか、チーフベアハート・ヨハネスブルクなどダートの方が・・・というタイプの種牡馬の名前がちらほら。

キーンランドC 騎手別の傾向

夏は北海道に張り付きの池添が3連対・ルメールは騎乗機会4回で連対率5割(そのうち1頭は人気薄の勝利)。ほかでは武豊の未勝利が目立つところ。

キーンランドC 狙い馬のプロファイル

  • 斤量54kgの牝馬
  • 札幌芝1200mに実績のある人気薄