アイルランドトロフィー|過去20年の傾向

アイルランドトロフィーは、東京芝1800mで行われる3歳以上牝馬のGⅡです。

2024年まで「アイルランドトロフィー府中牝馬ステークス」の名称で行われ、2025年から「アイルランドトロフィー」へ改称されました。

このページでは2006~2024年の秋の府中牝馬S系列と、2025年アイルランドトロフィーを接続した20開催を対象に、人気・年齢・前走に加え、200mラップ、残り600m地点の位置取り、上がり3Fから「どう勝ってきたレースなのか」を見ていきます。

コース形態そのものは、東京芝1800mコース解説で詳しくまとめています。

なお、2025年から3回東京で行われている府中牝馬ステークスは本系列には含めません(こちらは旧マーメイドステークスを引き継いだレースです)。


先に結論|アイルランドトロフィーの過去傾向

  • 4~5番人気が20回中10勝。 1番人気は2勝にとどまり、勝ち馬は「最上位人気」より中位人気へ多く分布しています。
  • 勝ち馬20頭中14頭が上がり3F3位以内。 残600m3位以内は6頭で、残600m地点の位置より終盤性能の方が安定しています。
  • 4歳馬が124頭から11勝、5歳馬が123頭から9勝。 過去20年の勝ち馬はすべて4~5歳です。
  • 前走ではクイーンS組が61頭から6勝で最多。200mラップは残600mから大きく加速し、残400~200mが最速です。


アイルランドトロフィー(旧府中牝馬S)過去20年の結果

年名称馬場勝ち馬年齢人気残600m順位上がり3F順位単勝配当3連単
2006府中牝馬S良デアリングハート4224480円10,580円
2007府中牝馬S良デアリングハート5443780円10,380円
2008府中牝馬S良ブルーメンブラット54101800円14,760円
2009府中牝馬S良ムードインディゴ471711,850円421,050円
2010府中牝馬S良テイエムオーロラ44113660円423,340円
2011府中牝馬S稍重イタリアンレッド55113960円41,940円
2012府中牝馬S良マイネイサベル410753,180円173,540円
2013府中牝馬S良ホエールキャプチャ5437680円54,030円
2014府中牝馬S良ディアデラマドレ44121800円12,400円
2015府中牝馬S稍重ノボリディアーナ511923,200円163,830円
2016府中牝馬S良クイーンズリング4342650円8,730円
2017AT府中牝馬S稍重クロコスミア45191,040円19,390円
2018AT府中牝馬S良ディアドラ4191230円4,290円
2019AT府中牝馬S稍重スカーレットカラー44141680円77,860円
2020AT府中牝馬S重サラキア57312,020円189,020円
2021AT府中牝馬S良シャドウディーヴァ54141880円151,700円
2022AT府中牝馬S良イズジョーノキセキ5121313,480円92,540円
2023AT府中牝馬S良ディヴィーナ51112470円56,560円
2024AT府中牝馬S良ブレイディヴェーグ42101360円29,330円
2025アイルランドT良ラヴァンダ44103700円68,610円

人気別|4~5番人気が20回中10勝

過去20年では、1番人気が2勝、2番人気が2勝、3番人気が1勝でした。

一方、4~5番人気は40頭から10勝・3着以内18頭。勝ち馬20頭の半数を占めています。

6~9番人気から2勝、10番人気以下からも3勝。2006年デアリングハート、2015年ノボリディアーナ、2022年イズジョーノキセキなど、中位人気以下から勝ち切る年もあります。

1番人気の3着内率は60.0%で馬券圏内には比較的残っていますが、勝ち馬という観点では4~5番人気の存在感が大きいレースです。

アイルランドトロフィー旧府中牝馬Sを含む2006~2025年の人気帯別3着内率。4~5番人気が10勝。

年齢別|勝ち馬20頭はすべて4~5歳

4歳馬は124頭が出走して11勝・3着以内33頭。5歳馬は123頭で9勝・3着以内20頭でした。

この2世代だけで過去20年の20勝すべてを占めています。

6歳馬は35頭で3着以内5頭、7歳以上は12頭で3着以内がありません。3歳馬は5頭と標本自体が少なく、勝利はありません。

牝馬限定の秋G2として、4~5歳の現役上位世代が中心になってきたことが、そのまま結果にも表れています。

アイルランドトロフィー旧府中牝馬Sを含む2006~2025年の年齢別3着内率。勝ち馬20頭は全て4~5歳。

前走|クイーンS組が61頭から6勝

前走別では、クイーンS組が61頭で6勝・3着以内15頭。勝利数は最多です。

関屋記念組は13頭で2勝・3着以内8頭と好走率が高く、ヴィクトリアマイルからの直行は30頭で1勝・3着以内5頭でした。

夏の牝馬重賞から使ってくる馬が中心ですが、春G1から休養を挟んでここから始動する馬も一定数います。

前走レースだけでなく、夏から秋へどの程度の実戦経験を積んでいるかまで含めて見るのが適しています。

アイルランドトロフィー旧府中牝馬Sを含む過去20年の主な前走別3着内率。クイーンS組が6勝。

前走着順は「大敗していない」方が安定

前走1着馬は59頭で9勝・3着以内19頭、前走2~3着は55頭で5勝・3着以内16頭です。

前走1~3着を合わせると14勝。前走10着以下は65頭で2勝・3着以内5頭、3着内率7.7%でした。

直前走の着順だけで決まるレースではありませんが、大敗からの巻き返しより、前走で一定の結果を残していた馬の方が安定しています。


レース構造|前半・中盤は年によって変わる

過去20年の前後半の速度配分中央値は48.23です。

終盤600mの速度状態は、基準より速い側が3回、標準が12回、遅い側が5回でした。

特に標準が12回と最も多いものの、速い年・遅い年もあり、毎年同じペース型ではありません。

その一方、勝負所は比較的一貫しています。中盤までの流れが違っても、残600mから速度を一段上げられるかが重要です。

アイルランドトロフィー旧府中牝馬Sを含む過去20年の前後半の速度配分と終盤600m状態。

200mラップでは残600mから大きく加速する

過去20年の200m区間中央値を見ると、残り1000mからは、

12.1 → 11.95 → 11.3 → 11.2 → 11.7秒

となっています。

残1000~600mでは大きく速度を変えず、残600~400mで11.3秒へ一段加速。残400~200mは11.2秒で最も速く、最後の200mで11.7秒へ減速します。

東京芝1800mは直線が525.9mあり、直線入口から坂を上ります。旧府中牝馬Sからアイルランドトロフィーまで一貫して、直線へ入る前後から加速し、坂を越えて高い速度を維持する形が基本です。

アイルランドトロフィー旧府中牝馬Sを含む過去20年の200m区間ラップ中央値。残600mから大きく加速。

勝ち方|残600mの位置より、上がり上位が安定

過去20年の勝ち馬は、残600m順位中央値が9位。残600m3位以内だった勝ち馬は6頭です。

一方、20頭中14頭が上がり3F3位以内で、上がり順位中央値は2位でした。

3着以内60頭まで広げても、残600m3位以内は15頭に対し、上がり3F3位以内は35頭です。

前方から押し切る年もあります。2010年テイエムオーロラ、2017年クロコスミア、2023年ディヴィーナは残600m3位以内から勝利しています。

ただし、2008年ブルーメンブラット、2009年ムードインディゴ、2019年スカーレットカラー、2021年シャドウディーヴァ、2022年イズジョーノキセキなど、後方から上がり1位で差し切る形も多く出ています。

このレースは「差し馬を買う」というより、その年の位置取りからレース内上位の終盤性能を発揮できる馬が勝ち筋を作りやすいと読む方が過去20年の分布に合います。

アイルランドトロフィー旧府中牝馬Sを含む過去20年の3着以内馬を残600m順位と上がり3F順位で比較。右ほど前方、上ほど速い。

配当|中位人気や人気薄の勝利で振れ幅が大きい

過去20年の払戻中央値は、

  • 単勝:790円
  • 馬連:3,480円
  • 馬単:7,245円
  • 3連複:8,825円
  • 3連単:55,295円

でした。

3連単の最高配当は2010年の423,340円です。

4~5番人気から10勝、10番人気以下からも3勝しているため、勝ち馬から配当が跳ねる年があります。1番人気の信頼度だけを見るより、中位人気まで含めて勝ち筋を比較する必要があります。


アイルランドトロフィーで問われるもの

秋の旧府中牝馬Sから現在のアイルランドトロフィーまで、20開催すべて東京芝1800mで比較できます。

その中で安定しているのは、

  • 4~5番人気が20回中10勝
  • 勝ち馬20頭はすべて4~5歳
  • クイーンS組が最多6勝
  • 勝ち馬20頭中14頭が上がり3F3位以内
  • 残600mから大きく加速し、残400~200mが最速

という点です。

今年の出走馬を見る際には、人気や脚質名だけでなく、4~5歳の実績馬が、残600mから東京の長い直線でどの程度の終盤性能を出せるかを見るのが、過去20年の結果に沿った読み方です。


FAQ

2025年以降のアイルランドトロフィーは、旧府中牝馬Sと同じ系列ですか?

はい。JRA公式では、2024年までの「アイルランドトロフィー府中牝馬S」を2025年に「アイルランドトロフィー」へ改称した競走として扱っています。施行時期・東京芝1800mという条件も引き継がれています。

6月の府中牝馬Sも、この過去傾向に含めていますか?

含めていません。2025年から6月に行われる府中牝馬Sは、旧マーメイドSを引き継いだ別系譜のG3です。本ページは秋の旧府中牝馬S→アイルランドトロフィーの系列だけを対象にしています。

アイルランドトロフィーは1番人気が強いですか?

1番人気は20頭で2勝・3着以内12頭です。馬券圏内には残っていますが、勝ち馬では4~5番人気が40頭から10勝しており、中位人気の勝利が非常に多いレースです。

好走が多い年齢は?

過去20年の勝ち馬20頭はすべて4~5歳です。4歳が11勝、5歳が9勝で、この2世代が中心です。


データ注記

  • 対象期間:2006~2025年の20開催
  • 2006~2010年:府中牝馬ステークス G3
  • 2011~2016年:府中牝馬ステークス G2
  • 2017~2024年:アイルランドトロフィー府中牝馬ステークス G2
  • 2025年:アイルランドトロフィー G2
  • 全20開催:東京芝1800m
  • 秋系列の内部接続:2006~2024年 source_series_code=0074、2025年 source_series_code=0213
  • 2025・2026年6月の府中牝馬ステークスは除外。旧マーメイドSの別系譜
  • Race Structure / 残600m / 上がり3F:PHASE6_JRA_GRADED_TREND_2001_2026_v1_0_RELEASE
  • 人気・年齢・前走・配当・200mラップ:RUN_20260917_161639
  • 系列確認:JRA公式 2025年度重賞変更資料 / アイルランドトロフィー歴史・コース / 府中牝馬S歴史・コース