【葵ステークス】過去レースの傾向

2018年に重賞として格付けされたばかりの新しい重賞。元々は条件クラスのレースであったが1985年から3歳限定OP戦としてリニューアル。その後、施行距離の変遷があって2010年から京都芝1200mで定着。2021年・2022年は京都競馬場改修工事のため中京競馬場にて開催。
2018年から2021年までは日本では珍しい「格付けのない重賞レース」だったが、2022年よりGⅢに格付け。
現在の施行条件になった2010年以降のレース結果および重賞格付け以降のレース結果の比較などを中心に葵ステークスの傾向分析を紹介。

葵ステークス 過去レースのラップタイム

馬場20040060080010001200勝ち時計RPCI
201012.110.410.811.111.511.701:07.641.8
201112.411.011.411.611.311.601:09.348.1
201212.310.611.011.411.311.401:08.045.7
201312.110.811.011.211.412.201:08.742.3
201412.110.410.911.111.111.901:07.543.2
201512.310.511.211.411.211.401:08.046.6
201612.411.010.911.110.911.601:07.950.1
201712.611.011.311.611.512.401:10.443.4
201812.110.811.011.011.211.901:08.045.7
201912.410.710.911.211.211.601:08.046.6
202012.110.610.811.211.212.201:08.141.3
202111.910.311.011.611.212.101:08.138.5

折れ線グラフは京都競馬場開催時の平均(良馬場)と中京競馬場で開催された2021年との比較。スタートして150mほどで坂を登ることになる京都芝1200mは他場に比べて2ハロン目のラップがやや遅いのが特徴(その後の下りで加速がつきやすい4ハロン目のラップも落ちにくい)。他方、中京芝1200mは、長い直線コースを意識してか4コーナーで脚をためて(ペースを落として)直線坂下で再度ペースがあがりやすい傾向がある。

葵ステークス 1~3着馬の脚質分布

逃げ馬の3勝はすべて京都競馬場開催時。上でも述べたように京都芝1200は2ハロン目がゆったりでその後の下りと平坦小回りのコース形態から「前が残りやすい」コース形態といえる。ただ、2・3着には差し馬を加えることも忘れずに。
中京芝1200mは長い直線での「早い上がり」への対応がカギ。

葵ステークス 枠番・馬番別の傾向

枠番着別度数勝率連対率複勝率
1枠 1- 3- 1-14/195.30%21.10%26.30%
2枠 4- 2- 0-14/2020.00%30.00%30.00%
3枠 4- 0- 3-15/2218.20%18.20%31.80%
4枠 1- 1- 2-18/224.50%9.10%18.20%
5枠 0- 2- 2-20/240.00%8.30%16.70%
6枠 2- 2- 2-18/248.30%16.70%25.00%
7枠 0- 2- 0-23/250.00%8.00%8.00%
8枠 0- 1- 1-22/240.00%4.20%8.30%

京都競馬場開催時の成績が大半を占める点に注意。また、中京競馬場は芝コースはトラックバイアスの影響を強く受けるコースでもあるため、レース当週の馬場状況には十分注意をはらいたい。

葵ステークス 人気別の傾向

人気着別度数勝率連対率複勝率
1番人気  4-  1-  0-  7/ 1233.30%41.70%41.70%
2番人気  1-  2-  2-  7/ 128.30%25.00%41.70%
3番人気  1-  1-  0- 10/ 128.30%16.70%16.70%
4番人気  2-  1-  0-  9/ 1216.70%25.00%25.00%
5番人気  0-  1-  1- 10/ 120.00%8.30%16.70%
6番人気  0-  3-  2-  7/ 120.00%25.00%41.70%
7番人気  0-  0-  0- 12/ 120.00%0.00%0.00%
8番人気  1-  0-  0- 11/ 128.30%8.30%8.30%
9番人気  2-  0-  2-  8/ 1216.70%16.70%33.30%
10番人気  0-  0-  3-  9/ 120.00%0.00%25.00%
11番人気  0-  1-  0- 11/ 120.00%8.30%8.30%
12番人気  0-  0-  0- 12/ 120.00%0.00%0.00%
13番人気  1-  2-  0-  7/ 1010.00%30.00%30.00%
14番人気  0-  1-  1-  8/ 100.00%10.00%20.00%
15番人気  0-  0-  0-  8/  80.00%0.00%0.00%
16番人気  0-  0-  0-  7/  70.00%0.00%0.00%
17番人気  0-  0-  0-  1/  10.00%0.00%0.00%

過去20年全体の傾向としては「人気薄」から振り回した方が配当妙味の高そうな傾向に近かったが、重賞格付け後4年は1番人気が2勝。11番人気以下の馬券絡みが3例あるように未だに波乱傾向の雰囲気は抜けきれないが、GⅢ格付けをきっかけに「力のある馬」がより集まりやすくなることで傾向がかわっていく可能性も高い。

葵ステークス 前走レース(ローテーション)別の傾向

前走レース名着別度数勝率連対率複勝率
マーガレ(L) 1- 1- 1- 3/ 616.70%33.30%50.00%
ファルコG3 1- 0- 0-12/137.70%7.70%7.70%
橘S 1- 0- 0- 2/ 333.30%33.30%33.30%
雪うさぎ・1勝 1- 0- 0- 0/ 1100.00%100.00%100.00%
桜花賞G1 0- 1- 1- 3/ 50.00%20.00%40.00%
橘S(L) 0- 1- 0-10/110.00%9.10%9.10%
500万下* 0- 1- 0- 2/ 30.00%33.30%33.30%
アーリンG3 0- 1- 0- 0/ 10.00%100.00%100.00%
1勝クラス* 0- 0- 1- 6/ 70.00%0.00%14.30%
雪うさぎ500* 0- 0- 0- 1/ 10.00%0.00%0.00%
あやめ賞500* 0- 0- 0- 1/ 10.00%0.00%0.00%
マーガレ 0- 0- 0- 3/ 30.00%0.00%0.00%
フィリーG2 0- 0- 0- 2/ 20.00%0.00%0.00%

重賞格付け後4年の前走レース別着度数。重賞格付け前は圧倒的に強かった橘S組がマーガレットSへシフト気味。それよりも強く狙いたいのは桜花賞でマイル路線に見切りを付け、「より適性の高い短距離路線」へとシフトしてきた牝馬。こちらは「桜花賞で負けての参戦」になることが大半でその分低評価になりがちな点にも注意(言い換えれば配当妙味が高い)。

葵ステークス 負担重量(斤量)別の傾向

斤量着別度数勝率連対率複勝率
齢差~ 0 2- 3- 2-42/494.10%10.20%14.30%
齢差~+1 2- 2- 1-11/1612.50%25.00%31.30%
齢差~+2 0- 0- 0- 0/ 0
齢差~+3 0- 0- 0- 0/ 0
54kg 2- 2- 1-20/258.00%16.00%20.00%
55kg 1- 1- 1- 4/ 714.30%28.60%42.90%
56kg 0- 1- 1-22/240.00%4.20%8.30%
57kg 1- 1- 0- 7/ 911.10%22.20%22.20%

牡馬56kg(牝馬-2kg)を基準重量とする賞金別定(収得賞金1800万円以上の馬は1kg増)
素直に重量を背負わされた馬が強く、重賞格付け後の連対馬8頭のうち4頭が+1kgの馬。

葵ステークス キャリア・性別の傾向

キャリア着別度数勝率連対率複勝率
  0戦  0-  0-  0-  0/  0
  1戦  0-  0-  0-  0/  0
  2戦  0-  0-  0-  1/  10.00%0.00%0.00%
  3戦  0-  0-  0-  7/  70.00%0.00%0.00%
  4戦  2-  1-  1- 14/ 1811.10%16.70%22.20%
  5戦  2-  1-  2- 21/ 267.70%11.50%19.20%
  6戦  4-  3-  1- 19/ 2714.80%25.90%29.60%
  7戦  1-  4-  4- 32/ 412.40%12.20%22.00%
  8戦  1-  2-  1- 19/ 234.30%13.00%17.40%
  9戦  2-  2-  1- 19/ 248.30%16.70%20.80%
  10戦  0-  0-  0-  6/  60.00%0.00%0.00%
牝馬  8-  9-  4- 61/ 829.80%20.70%25.60%

重賞格付け前も含む2010年以降の着度数。重賞格付け以前はキャリアの多い馬の好走例も少なくなかったが、重賞格付け後の4年の勝馬のキャリアは4~6戦まで。レースの価値が高まる流れのなかで素質の高い馬(使われすぎていない馬)の出走が増えてきたという傾向とも読み取れる。また、重賞格付け前・格付け後を問わず牡馬より牝馬が優勢。

葵ステークス 騎手別の傾向

騎手着別度数勝率連対率複勝率
藤岡佑介 3- 0- 1- 2/ 650.00%50.00%66.70%
藤岡康太 2- 0- 0- 3/ 540.00%40.00%40.00%
幸英明 1- 2- 0- 7/1010.00%30.00%30.00%
古川吉洋 1- 0- 0- 3/ 425.00%25.00%25.00%
武豊 1- 0- 0- 3/ 425.00%25.00%25.00%
北村友一 1- 0- 0- 5/ 616.70%16.70%16.70%
酒井学 1- 0- 0- 4/ 520.00%20.00%20.00%
亀田温心 1- 0- 0- 0/ 1100.00%100.00%100.00%
和田翼 1- 0- 0- 0/ 1100.00%100.00%100.00%
福永祐一 0- 2- 0- 2/ 40.00%50.00%50.00%
和田竜二 0- 1- 3- 5/ 90.00%11.10%44.40%
池添謙一 0- 1- 2- 4/ 70.00%14.30%42.90%
佐藤哲三 0- 1- 0- 2/ 30.00%33.30%33.30%
浜中俊 0- 1- 0- 4/ 50.00%20.00%20.00%
松若風馬 0- 1- 0- 4/ 50.00%20.00%20.00%
菱田裕二 0- 1- 0- 1/ 20.00%50.00%50.00%
小坂忠士 0- 1- 0- 1/ 20.00%50.00%50.00%
松田大作 0- 1- 0- 1/ 20.00%50.00%50.00%
北村宏司 0- 1- 0- 0/ 10.00%100.00%100.00%
川田将雅 0- 0- 2- 2/ 40.00%0.00%50.00%
秋山真一 0- 0- 1- 4/ 50.00%0.00%20.00%
斎藤新 0- 0- 1- 0/ 10.00%0.00%100.00%
柴田大知 0- 0- 1- 0/ 10.00%0.00%100.00%
国分優作 0- 0- 0- 7/ 70.00%0.00%0.00%
国分恭介 0- 0- 0- 4/ 40.00%0.00%0.00%

重賞格付け前も含む2010年以降の着度数。藤岡兄弟があわせて5勝の荒稼ぎ。藤岡祐(兄)は、重賞格付け後も4年で2勝。ちなみに、国分兄弟は、二人合わせて11回騎乗して馬券がらみがなく、和田(義)兄弟は1勝2着1回3着3回。

葵ステークス 過去傾向の分析 まとめ

京都芝1200mは前が残しやすいコース
中京芝1200mは「高速上がり」への対応力がカギ
人気薄の激走に警戒
斤量を背負わされた馬が強いレース
GⅠ路線からの転戦組

葵ステークス 狙い馬のプロファイル

マイルよりも短距離に適正の高い桜花賞組。2歳重賞ですでに一定の実績(1200m適正)を示していた馬が桜花賞から流れてきたケースは特に狙い目(2021年ヨカヨカの例)。
「1400mやマイルでも」というタイプは逆に割引で「1200mでないとダメな馬」を積極的に狙いたい。