ダート重賞整備に伴って1996年に創設された古馬の重賞競走。開催時期などの変遷を経て2012年から現行の4月阪神競馬場1800mでの実施に。中央競馬では春シーズン最初の中距離別定重賞でもあり、帝王賞を頂点とする春のダート中距離戦線の本格的なスタートを告げるレースといえる。
今回は、現在の実施時期となった2012年以降のレース傾向などを紹介
目次
- アンタレスS 過去レースのラップタイム
- アンタレスS 枠番・馬番別の傾向
- アンタレスS 人気別の傾向
- アンタレスS 前走レース別の傾向
- アンタレスS 年齢・性別の傾向
- アンタレスS 負担重量(斤量)別の傾向
- アンタレスS 種牡馬別の傾向
- アンタレスS 騎手別の傾向
- アンタレスSはこの馬を狙え
アンタレスS 過去レースのラップタイム
1角進入までのポジション取りはやや激しいものの、1・2コーナーはゆっくり回って、3コーナー進入の残り800m地点からのロングスパート戦。前半1000mは61秒前後、前半4F48.5秒前後/後半4F49秒前後でやや前傾のペース。なお、上がり3Fは37秒前後が基準となるため、同じダート1800mでも中山競馬場でのレースよりは1秒ほど早い。
1~3着馬の脚質分布
ダート中距離重賞のなかでは、レースの動き出しが少し遅い傾向がある(3角進入よりも4角進入から動く傾向が強い)ため好位勢が圧倒的に強いレースといえる。レースの動き出しが遅ければ、追走に脚を使わされない差し・追い込み勢もしっかり伸びてくるため、ターゲットにされる逃げ馬が残すのはかなり難しい。
上がり最速の馬は「6-0-3-5/14」で勝率42.9%・複勝率63%だが、成績は道中のポジション取りに左右される面が大きく「上がり最速=差し・追込み馬」とは限らない
アンタレスS 枠番・馬番別の傾向
中枠が馬券内率・回収率共に優秀。1コーナー進入や3・4コーナーの捌きがカギになりやすいレースでもあり閉じ込められたり外を廻されすぎるリスクは割り引きたい。
アンタレスS 人気別の傾向
数少ないJRAでのダート中距離の別定重賞でもあり頭は固め。ただ、2・3着の分布が広いことから相手の絞り方にはひと工夫こらしたいレース。
前走重賞以上の1番人気は信頼できる
上記は2012年以降に1番人気となった馬の成績。2017年グレンツェント・2019年ウェスタールンドはあきらかに「差し届かなかった」ことが原因で能力というよりは展開の問題。すでに解説を加えたように「後方一気」のタイプは当レースとの相性は悪い。
2020年のベストタッチダウンは3勝クラスを勝ち上がった昇級初戦だったことに加え、テンのラップが遅すぎたことが仇となり向正面から早めに来られたことが大きな敗因(向正面の時点で前にいた馬は総崩れ)。
アンタレスS 前走レース別の傾向
名古屋大賞典組が10年で7連対で複勝率も50%と優秀。レベルの高い組み合わせになることの多いレースだけに「前走重賞組」を優勢にとるのがセオリー。前走OP特別から馬券になった4頭のうち2016年のサージェントバッジを覗く3頭は「前走3着以内」で共通。前走3勝くクラスだった馬は「この10年で馬券絡みなし」ということは覚えておきたい傾向。
アンタレスS 年齢・性別の傾向
5歳馬が11年で6勝で、5歳の有力馬から各世代への馬単という馬券がよさそう。4歳馬で馬券になった馬に共通しているのは「当レース前にOP・重賞レースの経験がある」ことで、連対している馬はすでに古馬相手の重賞・OPでの好走歴があった。2020年に人気で着外に敗れたベストタッチダウン(4歳)は3勝クラス卒業直後に当レースというローテーションでこの傾向からは外れている。ダート中距離路線は古馬の層が厚い上に、アンタレスSには強い古馬も集まりやすくOPでの厳しいレースを経験してるかどうかの差は非常に大きい。7歳以上の高齢馬についても近走で通用しているのであれば、年齢だけで割り引くのは危険。
牝馬は、そもそも出走頭数が少なく参考外だが、ダート中距離の別定重賞で牝馬が牡馬と互角に戦うのは基本的に厳しい。
アンタレスS 負担重量(斤量)別の傾向
57kg(牝馬2kg減)を基準とするグレード別定(2022年までより1kg増)
59kgを背負った馬は、2013年のニホンピロアワーズ(2着)と2014年のクリソライト(7着)、2022年オメガパフューム(1着)の3頭。58kgで馬券になった馬は2021年のロードブレス(3着)、2020年アナザートゥルース(2着)、2016年のアスカノロマン(2着)、2014年のニホンピロアワーズ(3着)。
4歳馬が斤量を背負わされたケースでは苦戦が目立つ点に注意。上述した2014年クリソライトをはじめ、2019年テーオーエナジー(5番人気12着)、2017年グレンツェント(1番人気9着)と58kg以上を背負った馬は全馬人気より下の着順となっている。
アンタレスS 種牡馬別の傾向
キングカメハメハの2勝を筆頭にダート中距離に強い種牡馬が並ぶが、複数回の馬券絡みを果たしている種牡馬の大半はリピーターによるもの。
アンタレスS 騎手別の傾向
騎手別成績もリピーター馬に左右されるところが大きく、複数の馬で馬券絡みを果たしているのは、川田・武豊・デムーロ・幸・浜中・酒井の6名。
10年で5枠が5勝、馬番8~11番で7勝と真ん中に偏った結果となったがその根拠は不明。無理に仮説を立てれば内過ぎず外過ぎずで競馬がしやすい(進路を選びやすい)ということなのだろうが、「たまたま人気馬が5枠を引き当てた結果」と結論づけておくのが今の時点では賢明。
アンタレスSはこの馬を狙え
- 前走名古屋大賞典好走の馬