【函館芝2000m】コースの特徴と傾向

函館芝2000mコースの特徴

1周コーススパイラルカーブ直線坂なしオール洋芝
  • 4コーナーポケットからスタートして芝コースを1周するレイアウト
  • スタートから1コーナーまでは475m
  • スタートは坂の頂点で最初の200mは下り
  • 1コーナーでさらに下って2コーナーから3コーナーまでは上り勾配
  • 4コーナーから直線までは下り
  • 正面直線距離262.1m(JRA全10場で最も短い)
  • コース全体の高低差3.5m
  • フルゲート A・Bコース16頭 Cコース14頭
  • オール洋芝コース

函館芝2000mコースで行われる重賞レース

函館芝2000m ラップタイムの傾向・特徴

2017年~2021年に函館芝2000m・良馬場で実施された全レースの結果に基づいてデータを紹介。

クラスごとの平均ラップタイム

折れ線グラフ中の数値は「古馬OPクラス」の平均ラップタイム

200400600800100012001400160018002000
2歳新馬13.0011.6012.6012.7013.1013.2013.1011.9011.1011.60
3歳未勝利12.6010.9812.0212.3212.5912.4112.1512.1612.0212.38
古馬1勝12.7211.2012.1012.3412.4912.2211.9811.9511.8412.25
古馬2勝12.5011.4312.2212.3312.2812.0312.0511.8711.6312.13
古馬3勝12.8011.3012.1812.4012.3811.8811.8011.6311.7312.23
古馬OP12.4811.0311.7811.9512.1312.0312.0812.0011.8012.20

同じ競馬場の1周コースでも1800mと2000mではラップタイムの傾向が違うことに注意する必要がある。2000mコースのスタート地点は1800m地点からそのまま200m下がった「坂の頂上」であることから、1コーナーまでの直線区間が長くなるだけでなく最初の200mは下りとなることから1コーナーまでのペースは「1800m戦よりも早い」。他方で1コーナー以降の流れは1800m戦よりもアップダウンがさらに小さくなりほぼ同じペースでゴールまで淡々と流れていく流れになることが多い。
新馬戦は例によって上がり重視の競馬。1800m戦よりも距離がさらに伸びるため3コーナーからだけの600mの競馬になることがほとんど。

クラスごとの平均PCI3・RPCI/前後半ラップタイムの比較

 PCI3RPCI
2歳新馬63.6064.30
3歳未勝利48.9846.28
古馬1勝51.6948.76
古馬2勝52.3050.17
古馬3勝53.7050.15
古馬OP48.8045.65

向正面からゴールまで1000mほどのロングスパート戦になるため下級条件ではPCIは50を超える高い数値に。ただ、いずれのクラスも1000m通過は60秒ほどの通過になるので「スローからの上がり勝負」になっているわけではないことに注意しておきたい。また、古馬OPクラス(函館記念)は前半から厳しい流れになることが多く、前で受けた馬が残すのはかなり難しい。

1~3着馬の脚質分布

圧倒的に前有利だった1800mよりも平均化された分布。3着馬については1800mよりも逃げ・先行の占有率が増えているが、これは後方からでも勝ち負けになる馬が増えたことによる玉突き事象といえる。前半ペースの流れやすいコースなだけに馬場が渋ると後方からの馬でも差し届きやすくなる。上がり3F最速の馬の複勝率も、良馬場時61%→稍重~不良時75%と大幅に上昇する。

函館芝2000m 枠番別の傾向(回収率・連対時脚質の比較)

1800mコースのスタート地点から200m下がっただけではあるが、枠番傾向は全く異なる。1800mで優勢だった1枠・外目の枠の回収値が軒並み下がり、1800mでは回収値の低かった2・4・5枠の値が上がる結果に。この傾向は、1800mよりも差しが届きやすくなっている点と相関がある可能性が高い。

函館芝2000m そのほかのレース傾向

  • 1番人気の信頼度は標準やや低め(勝率28%・連対率56%・複勝率66%)
  • スタートの遅い内枠の馬は割引(1枠の単勝回収値18・複勝回収値40)
  • ヴィクトワールピサ・ジャスタウェイ・ワークフォース・ノヴェリスト産駒
  • 池添・吉田隼・藤岡康は買い
  • ルメールの単勝回収値は「57」で頭からは買いづらいコース

函館芝2000m 狙い馬のプロファイル

  • 函館1800mで逃げ馬を捕まえきれなかった好位・差しの馬
  • 向正面からマクって動ける機動力の高い馬
  • 2200m以上のレースから距離短縮となる先行馬