宝塚記念 過去20年の傾向

1960年に創設された上半期競馬のフィナーレを飾るGⅠレース。有馬記念と同様にファン投票によって出走馬が選出される。2011年からはブリーダーズカップ・チャレンジの対象競争となっていて、勝ち馬にはその年のブリーダーズカップ・ターフへの優先出走権と出走登録料・輸送費用の一部が付与される。さらに、当該年のコックスプレート(オーストラリアGⅠ)への優先出走権も与えられる。
ただ、レースが開催される季節などの問題もあり有馬記念と比べると出走馬が小粒になってしまう年も少なくない。

宝塚記念 過去20年のラップタイム

馬場2004006008001000120014001600180020002200
200212.911.011.412.312.412.913.012.111.511.511.9
200312.610.811.612.112.312.011.811.911.812.212.9
200412.610.711.012.112.112.511.912.112.011.412.7
200512.911.111.212.312.411.812.011.712.111.812.2
200612.811.312.111.912.112.712.411.911.312.312.2
200712.110.510.911.912.112.312.713.012.312.212.4
200812.511.111.912.712.412.612.512.312.212.212.9
200912.610.911.212.212.112.712.312.111.511.712.0
201012.411.111.312.712.512.312.311.912.111.912.5
201112.310.510.912.712.412.112.112.011.511.712.0
201212.210.911.211.912.212.112.512.611.611.612.1
201312.711.011.811.911.912.012.312.412.712.712.6
201412.911.611.913.212.812.112.011.811.711.812.1
201512.211.612.213.413.112.712.511.711.011.612.4
201612.611.011.112.312.112.412.312.211.912.212.7
201712.511.111.613.112.311.711.611.811.711.812.2
201812.210.811.412.712.312.011.912.112.211.712.4
201912.611.411.512.412.111.912.011.611.511.412.4
202012.310.911.412.712.712.412.412.411.912.112.3
202112.311.211.612.412.412.512.412.311.511.511.7

阪神2200mは内回りを1周するコースレイアウトで2000mコースのスタート地点からそのまま200m延長した形になる。スタートから1コーナーまでは約500mありスタートからゴール板前坂までは下り。そのため1コーナーまで距離が十分あるわりには早めのペースで流れることが多い(下記大阪杯との比較グラフ参照)。1・2コーナーを緩めのペースで回った後は徐々にペースを上げながらのロングスパート戦になるというのが基本的なラップタイム傾向。

【参考】宝塚記念・大阪杯 平均ラップタイム比較

宝塚記念 過去20年 1~3着馬の脚質分布

内回りの周回コースでのロングスパート戦なので「それなりのポジションをとれる馬(好位・差し)が優勢」で、極端な位置取りから勝ちきることは難しい。逃げ切り勝ちは、過去20年では2例(2008年エイシンデピュティ・2004年タップダンスシチー)で、追い込みでの勝利は2012年のオルフェーヴル1頭のみ。ただ、追い込み馬は7頭が2着にきているところは宝塚記念の大きな特徴でもあるが、これらの馬の大半は「残り3F地点で先頭から1秒以内のポジション」につけられていたことは頭にいれておきたい。

宝塚記念 過去20年 枠番・馬番別の傾向

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率
1枠 1- 3- 6-19/29 3.4% 13.8% 34.5%
2枠 1- 2- 3-25/31 3.2% 9.7% 19.4%
3枠 2- 2- 2-27/33 6.1% 12.1% 18.2%
4枠 0- 4- 1-30/35 0.0% 11.4% 14.3%
5枠 2- 5- 1-30/38 5.3% 18.4% 21.1%
6枠 5- 0- 1-34/40 12.5% 12.5% 15.0%
7枠 0- 3- 2-37/42 0.0% 7.1% 11.9%
8枠 9- 1- 4-31/45 20.0% 22.2% 31.1%

馬番着別度数勝率連対率複勝率
1番  0-  3-  3- 14/ 200.00%15.00%30.00%
2番  1-  2-  4- 13/ 205.00%15.00%35.00%
3番  1-  0-  2- 17/ 205.00%5.00%15.00%
4番  1-  2-  1- 16/ 205.00%15.00%20.00%
5番  0-  1-  1- 18/ 200.00%5.00%10.00%
6番  1-  1-  1- 17/ 205.00%10.00%15.00%
7番  1-  2-  0- 17/ 205.00%15.00%15.00%
8番  1-  3-  2- 14/ 205.00%20.00%30.00%
9番  2-  3-  0- 15/ 2010.00%25.00%25.00%
10番  2-  0-  0- 18/ 2010.00%10.00%10.00%
11番  4-  0-  3- 13/ 2020.00%20.00%35.00%
12番  1-  0-  1- 16/ 185.60%5.60%11.10%
13番  0-  1-  1- 13/ 150.00%6.70%13.30%
14番  0-  1-  0- 12/ 130.00%7.70%7.70%
15番  1-  0-  0-  9/ 1010.00%10.00%10.00%
16番  3-  0-  1-  5/  933.30%33.30%44.40%
17番  1-  1-  0-  3/  520.00%40.00%40.00%
18番  0-  0-  0-  3/  30.00%0.00%0.00%
偶数 10-  9- 10-114/1437.00%13.30%20.30%
奇数 10- 11- 10-119/1506.70%14.00%20.70%
大外  4-  0-  2- 14/ 2020.00%20.00%30.00%

「ピンク帽は忘れずに買え」といえるほど8枠が強いのが宝塚記念の傾向。ただし、これは宝塚記念の開催が開催終盤(8日目)に行われていたことの影響が強い。京都競馬改修工事の影響で変則開催となった2021年(4日目)は内目の馬での前残り決着。枠の有利不利はレース当週のトラックバイアスをふまえて冷静に判断すべき。

宝塚記念 過去20年 人気別の傾向

人気着別度数勝率連対率複勝率
1番人気  6-  5-  2-  7/ 2030.00%55.00%65.00%
2番人気  3-  2-  3- 12/ 2015.00%25.00%40.00%
3番人気  3-  2-  4- 11/ 2015.00%25.00%45.00%
4番人気  0-  1-  3- 16/ 200.00%5.00%20.00%
5番人気  1-  2-  0- 17/ 205.00%15.00%15.00%
6番人気  3-  2-  2- 13/ 2015.00%25.00%35.00%
7番人気  1-  1-  0- 18/ 205.00%10.00%10.00%
8番人気  2-  1-  1- 16/ 2010.00%15.00%20.00%
9番人気  0-  1-  1- 18/ 200.00%5.00%10.00%
10番人気  0-  3-  0- 17/ 200.00%15.00%15.00%
11番人気  1-  0-  2- 17/ 205.00%5.00%15.00%
12番人気  0-  0-  2- 16/ 180.00%0.00%11.10%
13番人気  0-  0-  0- 15/ 150.00%0.00%0.00%
14番人気  0-  0-  0- 13/ 130.00%0.00%0.00%
15番人気  0-  0-  0- 11/ 110.00%0.00%0.00%
16番人気  0-  0-  0-  9/  90.00%0.00%0.00%
17番人気  0-  0-  0-  5/  50.00%0.00%0.00%
18番人気  0-  0-  0-  2/  20.00%0.00%0.00%

1番人気は過去20年で6勝・10年で3勝。勝率3割・連対率5割は信頼度が高いとは言いがたい。仕上げの難しい時期でもあるだけでなくコースもトリッキーなので人気になったスターホースが大敗する例も少なくなく、単勝1倍台の馬でも「2-1-1-3/7」で連対率は50%未満。

宝塚記念 過去10年の配当

 単勝配当馬連馬単3連複3連単
202118027803930220013340
20204103410535051240183870
20195409702210272014560
2018131092001963093450492560
20179005250103301067070420
2016251024408460280026250
201514201290019250157770528510
201427089901021057870251440
201329051506180291023420
201232010101760323011550
最低配当1809701760220011550
最高配当25101290019630157770528510
中間値47542807320695048335

直近10年は、過去20年傾向と比べてやや堅い方向にシフトしていて人気薄を頭に据えて馬券を組み立てることの妙味は低い。3~5番人気を軸に人気・中穴サイドに相手を散らばらせる馬単の妙味が高そう。

宝塚記念 過去20年 前走レース(ローテーション)別の傾向

上半期シーズンの総決算ともいえるGⅠレースになるため「前走もGⅠ」という王道ローテーションの馬が強いレース。それ以外の路線からの馬でもG1への出走経験が求められることは抑えておきたい。その前走レースでも好走している(勝ち馬との着差が小さい)ほど期待値も高い。唯一の例外は着差のつきやすい長距離戦の天皇賞(春)で、前走0.6秒以上の負けから馬券になった馬の8頭のうち6頭は前走天皇賞(春)(例外の2頭はVMからのショウナンパンドラ(2015年)と外国馬のワーザー(2018年))。

【参考】 前走着差別の着度数

高松宮記念 過去20年 年齢・性別の傾向

年齢着別度数勝率連対率複勝率
3歳  0-  0-  1-  5/  60.00%0.00%16.70%
4歳  9-  5-  9- 61/ 8410.70%16.70%27.40%
5歳  8-  9-  6- 72/ 958.40%17.90%24.20%
6歳  2-  4-  3- 48/ 573.50%10.50%15.80%
7歳  1-  2-  1- 27/ 313.20%9.70%12.90%
8歳  0-  0-  0- 18/ 180.00%0.00%0.00%
牝馬  5-  3-  5- 20/ 3315.20%24.20%39.40%

過去20年では4歳馬が9勝しているが、直近10年では、5歳7勝・4歳3勝と立場が逆転している。馬券になっている4歳馬は「前年の3冠レースでの勝ち負け」、「今シーズンで古馬相手に重賞勝ち」のいずれかはクリアしていて、いわゆる上がり馬タイプの4歳馬が馬券になるのは難しい。また、牝馬5勝のうち4勝は10年以内のもので、2019年リスグラシュー・2020年・2021年クロロジェネシスと3連勝中。

宝塚記念 過去20年 種牡馬別の傾向

ステイゴールド産駒が20年で5勝、10年でも3勝。ただ、ドリームジャーニー・オルフェーヴル兄弟で2勝に、ほぼ同じ配合(ステイゴールド✕メジロマックイーン)のゴールドシップが2勝、これにナカヤマナイトを加えた4頭だけの結果なので、「ステイゴールド産駒が買い」と言い切れるほどの結果ではない。ただ、中距離のロングスパート戦に強い血統であることは間違いない。それよりも、リピーター傾向の強いレースであることと、ディープインパクト産駒で馬券になっているほとんどが牝馬であることの方を押さえておきたい(ディープインパクト産駒の牡馬が宝塚記念で馬券になったのは2013年ダノンバラード2着のみ)。

宝塚記念 過去20年 騎手別の傾向

池添が20年で3勝。ドリームジャーニー・オルフェーヴル兄弟での2勝のイメージが強いが、その前にはスイープトウショウ(11番人気)での勝利があり、その後もカレンミロティック2着(9番人気)・ショウナンパンドラ3着(11番人気)・モズベッロ3着(12番人気)と人気薄を馬券にもってきている。池添は有馬記念での強さもよく知られているが本当にお祭りに強い。彼にとっては稼ぎ時の函館開催を休んでまで駆けつける馬がいればそれなりの勝算があると考えておくべき。ルメールと相性の悪いレースとしても知られていたが2021年に(代打騎乗の)クロノジェネシスでようやく初勝利したことで悪い流れを断ち切れるか。

宝塚記念 狙い馬のプロファイル

  • 2000m~2500mの「ロングスパート戦」に実績のある好位・差し脚質の馬
  • VMでは忙しすぎる末脚の鋭い牝馬
  • 池添騎乗の人気薄