【ユニコーンS】過去レースの傾向と分析

ダート路線を整備する目的で1996年に創設された重賞。創設当時は、秋に中山ダート1800m実施されていて①当レース→②スーパーダートダービー(大井)→③ダービーグランプリ(盛岡)の4歳(当時)ダート三冠レースとされていた。その後のダート路線番組改編の影響を受け2001年から現在の6月・東京ダート1600mという条件に変更された。いまでは、7月に行われるジャパンダートダービー(大井)の重要な前哨戦として位置づけられるほか、出世レースの一つとしてもよく知られている。

ユニコーンS 過去20年 レースのラップタイム

馬場2004006008001000120014001600
200212.310.911.711.811.912.012.713.1
200312.110.510.911.812.612.312.912.7
200412.010.711.612.012.712.112.112.8
200512.510.811.412.112.312.212.113.1
200612.210.611.312.212.613.012.313.0
200712.410.611.412.812.612.212.212.7
200812.410.811.412.112.211.911.812.5
200912.410.511.412.212.812.211.912.1
201012.311.011.612.112.212.312.013.1
201112.310.711.312.112.612.312.112.8
201212.411.011.612.112.612.312.112.4
201312.411.112.112.512.511.911.711.8
201412.110.811.512.212.912.111.912.5
201512.410.811.312.312.112.112.112.8
201612.511.111.712.012.311.812.012.4
201712.010.611.512.312.812.712.111.9
201812.210.811.812.312.311.911.512.2
201912.310.511.111.912.612.312.012.8
202012.110.911.211.912.312.112.212.2
202112.110.611.311.912.111.812.212.4

JRA3歳春ダート路線を締めくくる一戦ということもあり「とにかく時計が早い」レース。1000m通過タイムの平均(59.08秒)は古馬OPクラスの平均(59.13)よりも早く「このレースの勝ち馬が出世する」のも当然といえるかなりタフなレース。開催時期の都合上湿ったダートになる年も少なくないが、馬場が湿るほど「早い上がりが必要になる」という傾向がハッキリでている。

1~3着馬の脚質分布

長い直線を要する東京コースで時計も早ければ逃げ馬には苦しいレースで、過去20年で逃げて馬券になったのはわずかに3頭。唯一の逃げ切り勝ちを果たしたワイドファラオ(2019年)は、芝マイルでの重賞勝ちがあり当日は重馬場と特殊なファクターが掛け合わさった結果のものといえる。ただ、時計が早いといっても実際の勝ち馬の過半数は先行馬ということには注意しておきたい。2・3着馬については、前よりは中団・追い込みが優勢で長い直線をしっかり活かせる末のしっかりした馬を狙いたい。

1着馬の時計分布

上は横軸:上がり3Fタイム/縦軸1000m通過タイムの分布図。過去20年の1000m通過レースラップは平均が59秒、最も早い年が58秒で最も遅い年が60.5秒。勝ち馬は残り3F地点(4コーナー)ポジションは平均で先頭から0.5秒後方だが回収値の観点では先頭から0.4秒以上離されていると低下傾向が顕著になる。なお、馬場が湿った場合には「より早い上がり」を使える馬が強い傾向となっていて先頭から1秒弱くらいまでの差の馬までチャンスが拡がる。

ユニコーンS 過去20年 枠番・馬番別の傾向

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率
1枠 2- 4- 1-31/38 5.3% 15.8% 18.4%
2枠 1- 1- 3-35/40 2.5% 5.0% 12.5%
3枠 2- 3- 3-27/38 5.3% 13.2% 21.1%
4枠 2- 3- 1-34/40 5.0% 12.5% 15.0%
5枠 2- 4- 0-33/39 5.1% 15.4% 15.4%
6枠 6- 0- 3-31/40 15.0% 15.0% 22.5%
7枠 4- 2- 5-29/40 10.0% 15.0% 27.5%
8枠 1- 3- 5-31/40 2.5% 10.0% 22.5%
馬番着別度数勝率連対率複勝率
1番  1-  2-  1- 16/ 205.00%15.00%20.00%
2番  1-  2-  0- 17/ 205.00%15.00%15.00%
3番  0-  0-  2- 18/ 200.00%0.00%10.00%
4番  1-  1-  2- 16/ 205.00%10.00%20.00%
5番  0-  1-  0- 17/ 180.00%5.60%5.60%
6番  3-  2-  2- 13/ 2015.00%25.00%35.00%
7番  0-  1-  1- 18/ 200.00%5.00%10.00%
8番  1-  3-  0- 16/ 205.00%20.00%20.00%
9番  0-  3-  0- 16/ 190.00%15.80%15.80%
10番  2-  0-  0- 18/ 2010.00%10.00%10.00%
11番  4-  0-  2- 14/ 2020.00%20.00%30.00%
12番  2-  1-  1- 16/ 2010.00%15.00%20.00%
13番  1-  1-  3- 15/ 205.00%10.00%25.00%
14番  3-  0-  3- 14/ 2015.00%15.00%30.00%
15番  0-  2-  2- 16/ 200.00%10.00%20.00%
16番  1-  1-  2- 14/ 185.60%11.10%22.20%
偶数 14- 10- 10-124/1588.90%15.20%21.50%
奇数  6- 10- 11-130/1573.80%10.20%17.20%
大外  1-  1-  2- 16/ 205.00%10.00%20.00%

過去20年では1~4枠が7勝、5~8枠が13勝とダブルスコアに近い差で外枠が優勢。特に、6・7枠(馬番11番~14番)は10勝をあげている。元々東京ダート1600mは芝コースを長く使える外目の枠が優勢ということも踏まえて常にマークしておきたい。

ユニコーンS 過去20年 人気別の傾向

人気着別度数勝率連対率複勝率単勝回収値
1番人気  9-  4-  0-  7/ 2045.00%65.00%65.00%98
2番人気  3-  6-  2-  9/ 2015.00%45.00%55.00%62
3番人気  4-  3-  6-  7/ 2020.00%35.00%65.00%176
4番人気  1-  2-  2- 15/ 205.00%15.00%25.00%45
5番人気  1-  2-  1- 16/ 205.00%15.00%20.00%41
6番人気  0-  0-  3- 17/ 200.00%0.00%15.00%0
7番人気  2-  1-  3- 14/ 2010.00%15.00%30.00%170
8番人気  0-  0-  2- 18/ 200.00%0.00%10.00%0
9番人気  0-  1-  0- 19/ 200.00%5.00%5.00%0
10番人気  0-  0-  0- 20/ 200.00%0.00%0.00%0
11番人気  0-  0-  2- 18/ 200.00%0.00%10.00%0
12番人気  0-  0-  0- 20/ 200.00%0.00%0.00%0
13番人気  0-  0-  0- 20/ 200.00%0.00%0.00%0
14番人気  0-  1-  0- 18/ 190.00%5.30%5.30%0
15番人気  0-  0-  0- 19/ 190.00%0.00%0.00%0
16番人気  0-  0-  0- 17/ 170.00%0.00%0.00%0

1番人気は過去20年で9勝しているが、直近10年は、ダート路線全体のレベルアップ(1強レースから混戦レースへのシフトチェンジ)の影響もあり、3勝連対率5割とその前10年と比べて成績が下降気味。ただ、全体傾向としては「連対馬」は上位人気で決まるレースが多く基本的には堅い重賞。

ユニコーンS 過去20年 前走レース(ローテーション)別の傾向

過去20年では前走端午S組が4勝(8連対)で最も優秀。ただ、近年では1勝3連対と成績が下降傾向にあって2021年にスマッシャーが7年ぶりに馬券に絡んだ(1着)。その2021年で1~3着に入った馬はフェブラリーS後にOP以上の勝ちがなくレースレベルレベル的に疑問符がつく年だったことや、レースラップの傾向を踏まえると「スプリント色」の強いタイプでは通用しづらくなってきているレースで、東京ダート1600mでの実績・経験やそれよりも長い距離の経験は求めたいところ。実際、直近10年では前走1600m以上のレースを使ってきた馬が圧倒的に優勢(下記参照)。なお、ドバイ帰りの馬はこれまで4頭が出走して3着が1回あるのみ。

前走距離別着度数(過去10年)

上記の距離に該当しない兵庫CS(1870m)を前走としている馬がいるため合計で10にならない。

ユニコーンS 過去20年 キャリア・性別の傾向

キャリア4~7戦がボリュームゾーン。かつては、キャリア8戦以上の馬の好走例もさほど珍しくなかったが、ダート路線のレベルアップに伴い適正なキャリア数へと収斂されている傾向。また、同様にレースレベルが高くなるにつれて牝馬の苦戦傾向も顕著になっている。牝馬が馬券になったのは2014年のコーリンベリー(2着)が最後。

ユニコーンS 過去20年 種牡馬別の傾向

以前は東京ダート1600mといえばゴールドアリュール産駒の独壇場だったが2018年生(実質的には2017年生)がラストクロップ。いまでは、ミスプロ系や北米ノーザンダンサー系種牡馬の産駒が好走する傾向の強いレース。

ユニコーンS 過去20年 騎手別の傾向

過去20年では、武豊・福永・戸崎が2勝ずつ。このうち福永・戸崎は直近10年以内に2勝。武豊は10年以内の勝利はないものの騎乗機会2回で2・3着1回ずつと複勝率は100%で基本的には相性の良い。また勝利数こそ1つにとどまっているがルメール(複勝率50%)・デムーロ(複勝率75%)も好成績。

ユニコーンS 狙い馬のプロファイル

  • 1800m以上&厳しいラップでのレースの経験がある馬
  • 芝のマイル以上の重賞を「逃げ・先行」で押しきれる力量のある馬