1965年に創設された札幌開催を代表する重賞レース。レース創設当初の札幌競馬場には芝コースがなかったため、芝コースが設置された1989年まではダート(正確には砂)2000mの条件(1974年までは左回り、1975年からは右回り)で実施されていた。芝コースが設置された1990年以降は現在の芝2000mで実施されている。レース開設から1996年まではハンデキャップGⅢ戦、GⅡ格上げとなった1997年からは別定戦、2006年以降は定量GⅡ戦として実施。2006年からサマー2000シリーズの第4戦にも指定。
夏競馬唯一のGⅡ戦であるだけでなく、GⅡ戦のなかでは賞金も高額なレースであることからGⅠ(級)の馬が出走することも多く、夏一番の注目レースといえる重賞となっている。
札幌記念 過去レースのラップタイム
馬場 | 年 | 200 | 400 | 600 | 800 | 1000 | 1200 | 1400 | 1600 | 1800 | 2000 |
良 | 2002 | 12.6 | 10.5 | 11.7 | 12.4 | 12.3 | 12.4 | 12.2 | 11.9 | 11.9 | 11.6 |
良 | 2003 | 13.1 | 11.6 | 11.8 | 12.2 | 12.1 | 12.3 | 12.1 | 11.7 | 11.7 | 11.7 |
良 | 2004 | 12.9 | 11.1 | 11.6 | 12.2 | 12.1 | 12.3 | 12.1 | 11.7 | 11.8 | 12.6 |
良 | 2005 | 12.6 | 11.5 | 12.1 | 12.3 | 12.0 | 11.9 | 12.0 | 11.9 | 12.0 | 12.8 |
良 | 2006 | 12.7 | 11.2 | 12.1 | 12.6 | 12.6 | 12.6 | 12.2 | 11.6 | 11.4 | 11.3 |
良 | 2007 | 12.7 | 10.9 | 11.9 | 12.8 | 12.5 | 12.5 | 12.1 | 11.7 | 11.4 | 11.7 |
良 | 2008 | 12.3 | 10.9 | 11.5 | 11.7 | 12.0 | 12.2 | 12.2 | 12.4 | 11.6 | 11.8 |
良 | 2009 | 12.5 | 11.1 | 12.0 | 12.4 | 12.2 | 12.2 | 12.1 | 11.9 | 11.8 | 12.5 |
良 | 2010 | 12.6 | 10.8 | 11.2 | 12.3 | 12.4 | 12.6 | 11.9 | 11.8 | 11.7 | 12.1 |
良 | 2011 | 12.6 | 11.3 | 12.0 | 12.3 | 12.2 | 12.7 | 12.6 | 11.9 | 11.3 | 11.5 |
良 | 2012 | 12.8 | 10.6 | 11.6 | 12.2 | 12.3 | 12.3 | 11.7 | 12.0 | 11.4 | 11.8 |
重 | 2013 | 12.6 | 11.3 | 12.3 | 12.8 | 12.7 | 12.7 | 12.4 | 12.7 | 13.0 | 14.0 |
稍 | 2014 | 12.6 | 10.7 | 11.6 | 11.6 | 11.9 | 12.1 | 12.3 | 12.3 | 12.0 | 12.0 |
良 | 2015 | 12.5 | 10.9 | 11.7 | 11.9 | 11.9 | 12.0 | 11.9 | 12.0 | 12.1 | 12.1 |
稍 | 2016 | 12.7 | 10.9 | 12.0 | 12.2 | 12.1 | 12.2 | 12.7 | 12.5 | 12.1 | 12.3 |
良 | 2017 | 12.7 | 11.0 | 11.7 | 13.0 | 12.3 | 12.1 | 11.9 | 11.9 | 11.8 | 12.0 |
稍 | 2018 | 12.5 | 10.4 | 11.5 | 12.1 | 12.6 | 12.4 | 12.0 | 12.6 | 12.5 | 12.5 |
良 | 2019 | 12.6 | 11.0 | 12.5 | 12.0 | 11.8 | 12.1 | 12.0 | 12.0 | 11.9 | 12.2 |
良 | 2020 | 12.7 | 11.1 | 12.0 | 12.3 | 12.2 | 12.2 | 11.7 | 11.7 | 11.6 | 11.9 |
良 | 2021 | 12.5 | 10.9 | 11.5 | 12.5 | 12.5 | 12.4 | 11.8 | 11.8 | 11.7 | 11.9 |
1周コースの中距離戦らしい平均ペースで淡々と流れるロングスパート戦のラップ傾向。ただ、さすがに「スーパーGⅡ」と呼ばれるレースだけあって、後半ラップの失速率が非常に低い(3コーナーからゴールまで加速ラップになっている年すらある)ことが大きな特徴。一般的には「後半の失速率が低い=差し馬優勢」というのがラップタイムを軸にした予想の基本セオリー。
1-3着馬の脚質分布
平坦・小回りコースの印象よりも「遙かに差し馬ががんばっているレース」である、過去20年の勝ち馬で最も多い脚質は「中団からの差し(9頭)」で、2・3着における中団以降の割合も50%。位置取り的には、残り3F地点(3コーナーすぎ)で0.8秒差前後のゾーンが中心。
札幌記念 枠番別の傾向
枠番 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1枠 | 5- 0- 1-22/28 | 17.9% |
17.9% | 21.4% |
2枠 | 1- 4- 1-23/29 | 3.4% | 17.2% | 20.7% |
3枠 | 2- 4- 5-21/32 | 6.3% | 18.8% | 34.4% |
4枠 | 1- 6- 3-26/36 | 2.8% | 19.4% | 27.8% |
5枠 | 2- 1- 3-31/37 | 5.4% | 8.1% | 16.2% |
6枠 | 3- 2- 5-29/39 | 7.7% | 12.8% | 25.6% |
7枠 | 3- 2- 0-34/39 | 7.7% | 12.8% | 12.8% |
8枠 | 3- 1- 2-34/40 | 7.5% | 10.0% | 15.0% |
全体傾向としては外目の枠の方が優勢で過去20年では6~8枠が3勝ずつの合計9勝。ただ、1枠(1番)が4勝。ピンパー傾向がハッキリしているが警戒は必要。中目の枠はスムーズな競馬ができないケースも多いためか「2・3着まで」の傾向が強い。
札幌記念 人気別の傾向
1番人気は過去20年で4勝、連対率60%、複勝率80%、直近10年でも複勝率80%。ただ、直近10年では未勝利で2011年のトーセンジョーダンを最後に10連敗中。2番人気は直近10年で5勝しているが、馬券になったのは5勝と3着1回でややピンパー気味。それでも2番人気の連対率60%は優秀。3番人気は過去20年、過去10年とも不振傾向。1番人気を軸にマルチの馬券を組むのが最もスタンダードな買い方といえる。
札幌記念 前走レース(ローテーション)別の傾向
数の上では前走函館記念組が5勝10連対と最も多い。ただ、近年だけをみると主流は「前走G1組」にシフトしていて函館記念組は劣勢傾向(2017年が最後の馬券絡み)。G1(好走)馬が複数揃うハイレベルの組み合わせとなった年では、「前走の格」、「戦ってきた相手の格」を重視したい。
【参考】前走函館記念組の着順別成績
函館記念→札幌記念の連勝は、2013年のトウケイヘイローが最後。同馬はその年の香港カップでも2着に入っていて、洋芝+平坦+1周コースの専用機だった可能性が高い。函館記念勝ち馬の札幌記念での馬券絡みはその後2015年にダービーフィズが3着したのが最後で、馬券的には「函館記念を負けた組」を狙った方が配当妙味には優れている。
札幌記念 年齢別の傾向
年齢 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
3歳 | 4- 1- 1- 15/ 21 | 19.00% | 23.80% | 28.60% |
4歳 | 7- 2- 6- 45/ 60 | 11.70% | 15.00% | 25.00% |
5歳 | 6- 10- 8- 57/ 81 | 7.40% | 19.80% | 29.60% |
6歳 | 3- 4- 1- 47/ 55 | 5.50% | 12.70% | 14.50% |
7歳 | 0- 1- 4- 31/ 36 | 0.00% | 2.80% | 13.90% |
8歳 | 0- 2- 0- 16/ 18 | 0.00% | 11.10% | 11.10% |
牝馬 | 8- 3- 5- 27/ 33 | 18.60% | 25.60% | 37.20% |
直近過去10年では、3歳2勝、4歳3勝、5歳2勝、6歳3勝とほぼ横並びだが、5歳馬の勝ち味の遅さ(10年で2勝・2着6回)はやや気になるところ。また、7・8歳馬も2021年に洋芝巧者のペルシアンナイトが3着(8番人気)しているように、年齢だけで軽視することは危険。
札幌記念 負担重量(斤量)別の傾向
前走斤量 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
増減無し | 5- 7- 7- 69/ 88 | 5.70% | 13.60% | 21.60% |
増減±1kg以内 | 12- 18- 17-166/213 | 5.60% | 14.10% | 22.10% |
今回増 | 3- 2- 4- 84/ 93 | 3.20% | 5.40% | 9.70% |
今回1~1.5kg増 | 1- 1- 1- 47/ 50 | 2.00% | 4.00% | 6.00% |
今回2~2.5kg増 | 1- 0- 1- 19/ 21 | 4.80% | 4.80% | 9.50% |
今回3kg以上増 | 1- 1- 1- 16/ 19 | 5.30% | 10.50% | 15.80% |
今回減 | 12- 11- 9- 67/ 99 | 12.10% | 23.20% | 32.30% |
今回1~1.5kg減 | 5- 8- 8- 38/ 59 | 8.50% | 22.00% | 35.60% |
今回2~2.5kg減 | 2- 0- 0- 5/ 7 | 28.60% | 28.60% | 28.60% |
今回3kg以上減 | 4- 1- 1- 12/ 18 | 22.20% | 27.80% | 33.30% |
札幌記念は、「定量戦」のレース(3歳54kg、4歳以上57kg(牝馬2kg減))であるため、前走斤量比のデータを紹介。基本的には「前走から斤量減」となる馬が優勢。最も成績の良い「前走比-3kg」となる馬のほとんどは前走が3冠レースとなる3歳馬で勝っているのはいずれも牝馬(2014年ハープスター・2021年ソダシ)。-2kg~-2.5kgに該当する馬の多くは、前走ハンデ戦で斤量を背負わされた実績馬で2019年のブラストワンピースが該当(もう1頭は2012年のフミノイマージン別定57kg→定量55kg)。
札幌記念 種牡馬別の傾向
ディープインパクト産駒が3勝2着3回。ただ、1番人気での勝ち馬はなく、2021年ラヴズオンリーユー2着、2019年フィエールマン3着、2017年マカヒキ2着と馬券にはなっているものの1番人気としては少し物足りない。次いで2勝をあげているのはハービンジャー・ジャングルポケット産駒、ジャングルポケット産駒は函館記念とも相性が良く、夏の北海道は狙い目の種牡馬といえそう。また、馬券になった馬の母父には、ノーザンダンサー系種牡馬の名前がずらりと並んでいる点も押さえておきたい(下記参照)
【参考】札幌記念 母父種牡馬別着度数
札幌記念 騎手別の傾向
武豊が5回の騎乗機会で4勝、これは見事としかいえない。直近10年では川田が5戦2勝2着1回、普段は小倉(新潟)を主戦場としているだけに遠征してきたときには無視できない。札幌の主ルメールは7回の騎乗機会で、1~3着が1回ずつ。ただ、夏シーズンはルメールのお手馬は夏休み中であることの方が多く、人気なり以上の成績を残していることとセットで覚えておきたい。
札幌記念 狙い馬のプロファイル
- 前走から-2kg以上の斤量減となる馬(特に牝馬)
- 札幌コース巧者(函館も含めた洋芝ではなく札幌巧者)のGⅡ以上勝ち馬