【クイーンS】過去20年の傾向と分析

元々は3歳(当時の馬齢表記では4歳)牝馬限定の重賞だったレースでエリザベス女王杯にむけたトライアルレースとして施行されていた頃もある。1996年に秋華賞が新設されたことに伴い9月中山開催芝1800mに条件が変更されたが、さらに、2000年に牝馬の競争体系が一新されたことに伴い、現在の条件である札幌競馬場での3歳以上の牝馬限定重賞に様変わりした。

クイーンS 過去レースのラップタイム

馬場20040060080010001200140016001800
200212.111.011.311.512.212.512.512.612.4
200312.411.612.212.612.612.211.311.211.6
200412.611.511.811.912.211.911.411.512.7
200512.611.412.011.511.711.712.011.812.0
200612.210.911.311.812.012.212.311.912.1
200712.311.312.512.012.111.811.511.212.0
200812.511.512.212.412.311.711.811.512.2
200912.511.411.612.412.212.211.911.912.1
201012.411.512.312.811.612.011.811.212.0
201112.411.011.711.611.711.912.112.012.2
201212.311.412.112.112.311.911.611.711.8
函良201312.611.511.612.112.312.212.312.312.5
201412.311.311.511.311.411.511.812.412.2
201512.311.611.612.112.312.111.711.611.8
201612.511.612.412.612.411.911.611.211.5
201712.211.211.811.611.511.912.111.511.9
201812.110.811.512.112.612.511.811.311.5
201912.211.912.112.212.211.911.511.111.9
202012.111.211.511.511.911.712.012.012.0
函良202112.211.711.912.012.111.911.811.812.4

札幌芝1800mは淡々とした流れの続くロングスパート戦二なりやすいコースで、レースの平均ラップも1ハロン12秒前後の流れが淡々と続くものに。ただ、フルゲートが「14頭」で他場よりも頭数が少なく、牝馬限定の重賞ということもあり前半が遅くなれば典型的な逃げ馬ラップになりやすいコースでもある。スタートから1コーナーまでが300mに満たないコースでもあり、すんなり隊列が決まるのか、隊列争いが1コーナーまで続くのかの見極めが重要。

1~3着馬の脚質分布

過去20年で逃げ馬が5勝。平坦小回りコースでのレースとなるため「頭は前の馬」という傾向が顕著。他方、2・3着馬は「差し馬の方が優勢」。前✕前✕前のような極端な組み合わせだけで馬券を組むことは避けたい。

クイーンS 枠番・馬番別の傾向

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率
1枠 3- 2- 1-11/17 17.6% 29.4% 35.3%
2枠 3- 4- 2- 9/18 16.7% 38.9% 50.0%
3枠 3- 1- 3-22/29 10.3% 13.8% 24.1%
4枠 0- 3- 4-25/32 0.0% 9.4% 21.9%
5枠 2- 4- 2-25/32 6.1% 18.2% 24.2%
6枠 3- 1- 3-28/35 8.6% 11.4% 20.0%
7枠 2- 1- 0-33/36 5.6% 8.3% 8.3%
8枠 2- 2- 3-29/36 5.6% 11.1% 19.4%
馬番着別度数勝率連対率複勝率
1番  3-  2-  1- 11/ 1717.60%29.40%35.30%
2番  3-  4-  2-  9/ 1816.70%38.90%50.00%
3番  1-  0-  2- 15/ 185.60%5.60%16.70%
4番  2-  1-  2- 13/ 1811.10%16.70%27.80%
5番  0-  2-  1- 15/ 180.00%11.10%16.70%
6番  1-  2-  3- 12/ 185.60%16.70%33.30%
7番  1-  1-  0- 16/ 185.60%11.10%11.10%
8番  1-  2-  2- 13/ 185.60%16.70%27.80%
9番  3-  1-  1- 13/ 1816.70%22.20%27.80%
10番  1-  0-  1- 16/ 185.60%5.60%11.10%
11番  0-  1-  2- 14/ 170.00%5.90%17.60%
12番  1-  0-  0- 14/ 156.70%6.70%6.70%
13番  1-  0-  0- 13/ 147.10%7.10%7.10%
14番  0-  2-  1-  8/ 110.00%18.20%27.30%

札幌開催前半に行われることの多いレース(2022年は開幕2週目)ということもあり、内枠の馬が優勢という結果に。外から主張された内の馬が隊列争いで後手を踏む可能性も低くなく、横の並びの把握が重要。

クイーンS 人気別の傾向

過去20年→過去10年では人気よりにシフトしている傾向にあるといえる。特に1番人気は直近過去10年で複勝率90%で逆らうのは危険。とはいえ、全体的には6番人気以下の馬の馬券内率も低くなく、1番人気から中穴程度までの3連複・3連単マルチといった馬券がむいていそうなレース。

クイーンS 前走レース(ローテーション)別の傾向

前走レース名着別度数勝率連対率複勝率
ヴィクトG1 6- 6- 4-16/3218.80%37.50%50.00%
優駿牝馬G1 3- 1- 2-16/2213.60%18.20%27.30%
マーメイHG3 2- 4- 4-27/375.40%16.20%27.00%
エプソムG3 1- 1- 0- 3/ 520.00%40.00%40.00%
福島牝馬G3 1- 1- 0- 9/119.10%18.20%18.20%
マーメイG3 1- 0- 1- 4/ 616.70%16.70%33.30%
パールS1600 1- 0- 1- 0/ 250.00%50.00%100.00%
NHKマG1 1- 0- 0- 1/ 250.00%50.00%50.00%
米子SH 1- 0- 0- 1/ 250.00%50.00%50.00%
漁火S1600 1- 0- 0- 2/ 333.30%33.30%33.30%
朱雀S1600 1- 0- 0- 0/ 1100.00%100.00%100.00%
DTFG1 1- 0- 0- 0/ 1100.00%100.00%100.00%
中山牝馬HG3 0- 1- 0- 4/ 50.00%20.00%20.00%
巴賞 0- 1- 0- 9/100.00%10.00%10.00%
五稜郭H1600 0- 1- 0- 2/ 30.00%33.30%33.30%
有馬記念G1 0- 1- 0- 0/ 10.00%100.00%100.00%
夏至SH1600 0- 1- 0- 0/ 10.00%100.00%100.00%
ラジオNIHG3 0- 1- 0- 0/ 10.00%100.00%100.00%
HTB杯1000 0- 1- 0- 0/ 10.00%100.00%100.00%
垂水S1600 0- 0- 1- 2/ 30.00%0.00%33.30%
七夕賞HG3 0- 0- 1- 2/ 30.00%0.00%33.30%
五稜郭S・3勝 0- 0- 1- 2/ 30.00%0.00%33.30%
愛知杯HG3 0- 0- 1- 2/ 30.00%0.00%33.30%
洞爺湖特・2勝 0- 0- 1- 0/ 10.00%0.00%100.00%
東京スマ1600 0- 0- 1- 0/ 10.00%0.00%100.00%
関東オG3 0- 0- 1- 0/ 10.00%0.00%100.00%
安土城SH 0- 0- 1- 0/ 10.00%0.00%100.00%
函館記念HG3 0- 0- 0- 9/ 90.00%0.00%0.00%

牝馬は格より調子・・・と言われることも多いが、このレースは「前走の格」が重要なレースで、前走G1組が過去20年で10勝。また前走G1組は前走大敗からの巻き返し例も多くなく、むしろ前走G1敗退で人気を落とした馬を積極的に狙いたい(下記参照)。なお、前走函館記念組はこれまで馬券絡みなし、前走巴賞組も含めて不振傾向が強い。

【参考】前走G1→クイーンS3着以内の馬の前走レース名と前走着順

馬名年齢人気着順前走レース名前走着順
2021テルツェット431ヴィクトG114
2021マジックキャッスル412ヴィクトG13
2020ビーチサンバ442ヴィクトG19
2020スカーレットカラー513ヴィクトG115
2019ミッキーチャーム411ヴィクトG18
2018ソウルスターリング423ヴィクトG17
2017アエロリット321NHKマG11
2016シャルール412ヴィクトG118
2015レッドリヴェール412ヴィクトG14
2014キャトルフィーユ521ヴィクトG15
2014スマートレイアー413ヴィクトG18
2013アイムユアーズ411ヴィクトG18
2013オールザットジャズ533ヴィクトG113
2012アイムユアーズ311優駿牝馬G14
2012ミッドサマーフェア343優駿牝馬G113

クイーンS 年齢別の傾向

年齢着別度数勝率連対率複勝率
3歳  5-  2-  3- 28/ 3813.20%18.40%26.30%
4歳  9-  8-  4- 59/ 8011.30%21.30%26.30%
5歳  3- 10- 12- 72/ 973.10%13.40%25.80%
6歳  3-  0-  1- 34/ 387.90%7.90%10.50%
7歳  0-  0-  0-  3/  30.00%0.00%0.00%
8歳  0-  0-  0-  0/  0

3歳馬、特に3歳G1路線から出走してきた馬がいた場合には無視することは禁物。また、出走頭数が最も多い5歳馬は勝ちきれない傾向が強い事にも注意が必要。基本的には「若い馬」の方が強いレースといえる。クラブ所属の牝馬が6歳春で引退するケースが増えたなかでも6歳馬が3勝(直近10年でも2勝)していることもおさえておきたいポイントのひとつ。

クイーンS 負担重量(斤量)別の傾向

斤量着度数勝率連対率複勝率
51kg  0-  0-  1-  7/  80.00%0.00%12.50%
52kg  5-  1-  2- 20/ 2817.90%21.40%28.60%
53kg  0-  1-  0-  1/  20.00%50.00%50.00%
55kg 14- 15- 14-153/1967.10%14.80%21.90%
56kg  1-  2-  2- 10/ 156.70%20.00%33.30%
57kg  0-  0-  0-  4/  40.00%0.00%0.00%
58kg  0-  1-  0-  1/  20.00%50.00%50.00%
59kg  0-  0-  1-  0/  10.00%0.00%100.00%

3歳52kg(レース開催日が8月1日以前の場合は51kg)、4歳以上55kgを基本重量とする賞金別定(収得賞金が3000万円を超過した馬は超過額2000万円毎に1kg増)。
基本的には背負わされた馬の方が好成績といえるが「勝ちきれない」傾向も強いので、ワイド・3連複・マルチといった形で馬券的な手当てをしておいた方がよい。

クイーンS 種牡馬別の傾向

種牡馬着別度数勝率連対率複勝率単勝回収値
ディープインパクト 3- 1- 1-11/1618.80%25.00%31.30%78
サンデーサイレンス 2- 3- 2-23/306.70%16.70%23.30%60
ファルブラヴ 2- 1- 0- 1/ 450.00%75.00%75.00%140
フジキセキ 2- 0- 1- 7/1020.00%20.00%30.00%813
ジャングルポケット 2- 0- 0- 3/ 540.00%40.00%40.00%134
フサイチコンコルド 2- 0- 0- 0/ 2100.00%100.00%100.00%2200
ヴィクトワールピサ 1- 1- 1- 2/ 520.00%40.00%60.00%874
クロフネ 1- 1- 0- 5/ 714.30%28.60%28.60%45
ハービンジャー 1- 0- 0- 3/ 425.00%25.00%25.00%80
メジロマックイーン 1- 0- 0- 2/ 333.30%33.30%33.30%126
ストーミングホーム 1- 0- 0- 1/ 250.00%50.00%50.00%1010
アグネスデジタル 1- 0- 0- 1/ 250.00%50.00%50.00%1625
ロイヤルタッチ 1- 0- 0- 0/ 1100.00%100.00%100.00%560
ゼンノロブロイ 0- 3- 1- 6/100.00%30.00%40.00%0
キングカメハメハ 0- 2- 1-10/130.00%15.40%23.10%0
フレンチデピュティ 0- 2- 0- 4/ 60.00%33.30%33.30%0
ステイゴールド 0- 1- 1-12/140.00%7.10%14.30%0
トウカイテイオー 0- 1- 1- 4/ 60.00%16.70%33.30%0
ダンスインザダーク 0- 1- 0- 8/ 90.00%11.10%11.10%0
メイショウサムソン 0- 1- 0- 1/ 20.00%50.00%50.00%0
ボストンハーバー 0- 1- 0- 1/ 20.00%50.00%50.00%0
Danehill 0- 1- 0- 0/ 10.00%100.00%100.00%0

ディープインパクト産駒が3勝しているが馬券になったのはいずれも人気サイド。ディープインパクト産駒は人気サイドの強いレース。そのほかでは、ファルブラウ・クロフネ・ハービンジャー・フサイチコンコルドのようにタフな持久力タイプの種牡馬産駒の好走例が多い。

クイーンS 騎手別の傾向

騎手着別度数勝率連対率複勝率
C.ルメー 2- 1- 0- 4/ 728.60%42.90%42.90%
池添謙一 2- 0- 2- 7/1118.20%18.20%36.40%
川島信二 2- 0- 0- 1/ 366.70%66.70%66.70%
福永祐一 1- 2- 0- 4/ 714.30%42.90%42.90%
横山典弘 1- 1- 4- 7/137.70%15.40%46.20%
蛯名正義 1- 1- 2- 6/1010.00%20.00%40.00%
四位洋文 1- 1- 1-12/156.70%13.30%20.00%
武豊 1- 1- 0- 2/ 425.00%50.00%50.00%
戸崎圭太 1- 1- 0- 0/ 250.00%100.00%100.00%
柴山雄一 1- 0- 2- 3/ 616.70%16.70%50.00%
川田将雅 1- 0- 0- 4/ 520.00%20.00%20.00%
藤田伸二 1- 0- 0- 9/1010.00%10.00%10.00%
吉田隼人 1- 0- 0- 6/ 714.30%14.30%14.30%
古川吉洋 1- 0- 0- 3/ 425.00%25.00%25.00%
松田大作 1- 0- 0- 2/ 333.30%33.30%33.30%
柴田善臣 1- 0- 0- 1/ 250.00%50.00%50.00%
千田輝彦 1- 0- 0- 0/ 1100.00%100.00%100.00%
三浦皇成 0- 2- 0- 7/ 90.00%22.20%22.20%
岩田康誠 0- 1- 1- 5/ 70.00%14.30%28.60%
松永幹夫 0- 1- 0- 3/ 40.00%25.00%25.00%
丹内祐次 0- 1- 0- 5/ 60.00%16.70%16.70%
田中勝春 0- 1- 0- 4/ 50.00%20.00%20.00%
安藤勝己 0- 1- 0- 3/ 40.00%25.00%25.00%
D.ホワイ 0- 1- 0- 1/ 20.00%50.00%50.00%
岡部幸雄 0- 1- 0- 1/ 20.00%50.00%50.00%
丸田恭介 0- 1- 0- 0/ 10.00%100.00%100.00%
小牧太 0- 1- 0- 0/ 10.00%100.00%100.00%
佐藤哲三 0- 1- 0- 0/ 10.00%100.00%100.00%

札幌競馬での絶対的存在ルメールが2勝3連対。ただ、連対率50%以下では配当的な妙味は薄く相手に抑えておくという対応がよさそう。他では、池添・川島が2勝ずつ。全体的には函館・札幌を夏の主戦場にしている騎手の成績がよいといえるが、岩田康・丹内は未勝利。

クイーンS 狙い馬のプロファイル

  • 前走G1組+1周競馬(力のいるコンディション)での好走実績のある馬
  • 1・2枠の馬(脚質問わず)
  • ノーザンダンサー系種牡馬産駒