【マーメイドS】過去レースの傾向と分析

牝馬路線の番組整備に伴い1996年に創設された3歳以上の牝馬限定重賞。開催場・距離は阪神2000mで変わらずに行われているが、2005年までは別定戦、2006年からはハンデキャップ戦として実施。「荒れる重賞」としても知られていて2008年には三連単192万円超の配当がでただけでなく、10万超の高額配当になることの方が多い(2012年からの10年中8年が3連単10万超)。今回は、阪神競馬場に外回りコースが設置されてからの実施となる2007年以降の結果に基づいてレース傾向とその分析を紹介。

マーメイドS 2007年~ レースのラップタイム

馬場200400600800100012001400160018002000
200712.610.911.611.511.411.811.912.112.512.1
200812.711.212.412.512.312.712.412.312.212.8
200912.410.712.612.412.212.212.012.011.412.3
201012.410.612.312.612.012.112.111.811.512.1
201112.310.912.812.812.412.212.011.711.411.9
201212.410.812.312.212.012.011.712.012.112.4
201312.411.512.712.411.612.011.811.411.711.9
201412.211.112.612.312.112.212.111.511.312.0
201512.511.312.812.612.312.411.911.511.311.9
201612.010.712.212.612.112.111.911.611.612.5
201712.711.212.112.412.211.711.211.312.512.2
201812.710.512.112.312.012.711.811.511.611.9
201912.210.912.212.212.312.412.111.811.412.8
202012.411.212.712.512.012.111.711.412.212.9
202112.611.112.412.412.312.312.011.711.612.0

スタートから1コーナーまでのポジション争いは割と激しくなりやすいレースで。400m通過ラップの平均は同じコースで行われる大阪杯や鳴尾記念よりも早い。1コーナー進入後はコースなりのロングスパート戦になることが多いが、牝馬限定のハンデ戦といこともあり極端な展開になる可能性も低くないことは頭にいれておきたい。

1~3着馬の脚質分布

マーメイドSは「差し・追込み」が圧倒的に強い重賞であることが大きな特徴。このような傾向が強くなるのは次のような理由によるものと考えられる。

  • 1コーナーまで早いラップで流れることが先行馬の強い負担になっている
  • フルゲートのハンデ戦で道中に息を入れられるラップを作りづらい
  • ほぼ全馬が密集した状態で直線をむかえるレースが多い

したがって追い込みが決まりやすいといっても直線入り口で2秒も後方にいるような馬がぶっ飛んでくるというわけではないので注意しておきたい。また、後方からの強襲を決められる馬のほとんどは「軽ハンデの馬」ということも押さえておきたい重要なポイント。

マーメイドS 2007年~ 枠番・馬番別の傾向

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率
1枠 3- 1- 3-14/21 14.3% 19.0% 33.3%
2枠 2- 1- 1-18/22 9.1% 13.6% 18.2%
3枠 1- 1- 1-23/26 3.8% 7.7% 11.5%
4枠 0- 3- 3-21/27 0.0% 11.1% 22.2%
5枠 1- 2- 2-25/30 3.3% 10.0% 16.7%
6枠 3- 1- 1-25/30 10.0% 13.3% 16.7%
7枠 3- 4- 2-21/30 10.0% 23.3% 30.0%
8枠 2- 2- 2-24/30 6.7% 13.3% 20.0%

馬番着別度数勝率連対率複勝率
1番  2-  1-  3-  9/ 1513.30%20.00%40.00%
2番  1-  1-  0- 13/ 156.70%13.30%13.30%
3番  3-  0-  1- 11/ 1520.00%20.00%26.70%
4番  0-  2-  2- 11/ 150.00%13.30%26.70%
5番  0-  0-  2- 13/ 150.00%0.00%13.30%
6番  0-  2-  0- 13/ 150.00%13.30%13.30%
7番  1-  1-  2- 11/ 156.70%13.30%26.70%
8番  2-  0-  0- 13/ 1513.30%13.30%13.30%
9番  1-  1-  1- 12/ 156.70%13.30%20.00%
10番  1-  1-  0- 13/ 156.70%13.30%13.30%
11番  0-  0-  0- 15/ 150.00%0.00%0.00%
12番  1-  2-  1- 11/ 156.70%20.00%26.70%
13番  2-  2-  1-  7/ 1216.70%33.30%41.70%
14番  1-  1-  0-  9/ 119.10%18.20%18.20%
15番  0-  0-  1-  6/  70.00%0.00%14.30%
16番  0-  1-  1-  4/  60.00%16.70%33.30%
偶数  6- 10-  4- 87/1075.60%15.00%18.70%
奇数  9-  5- 11- 84/1098.30%12.80%22.90%
大外  1-  2-  1- 11/ 156.70%20.00%26.70%

「内か外が強くて中枠は割引」という傾向。内の逃げ馬・外目(6・7枠)からポジションの取れる好位勢・8枠の差し馬というのが妙味の高い枠と脚質の組み合わせ。牝馬限定戦なので後入れになる偶数馬番の方が有利そうなイメージを持ちがちではあるが、統計上は奇数・偶数の差はほとんどない。

マーメイドS 2007年~ 人気別の傾向

人気着別度数勝率連対率複勝率
1番人気  2-  1-  1- 11/ 1513.30%20.00%26.70%
2番人気  2-  2-  2-  9/ 1513.30%26.70%40.00%
3番人気  2-  0-  1- 12/ 1513.30%13.30%20.00%
4番人気  0-  1-  2- 12/ 150.00%6.70%20.00%
5番人気  0-  2-  3- 10/ 150.00%13.30%33.30%
6番人気  1-  0-  3- 11/ 156.70%6.70%26.70%
7番人気  3-  3-  0-  9/ 1520.00%40.00%40.00%
8番人気  1-  0-  0- 14/ 156.70%6.70%6.70%
9番人気  1-  1-  0- 13/ 156.70%13.30%13.30%
10番人気  2-  3-  2-  8/ 1513.30%33.30%46.70%
11番人気  0-  0-  0- 15/ 150.00%0.00%0.00%
12番人気  1-  0-  0- 14/ 156.70%6.70%6.70%
13番人気  0-  1-  1- 10/ 120.00%8.30%16.70%
14番人気  0-  1-  0- 10/ 110.00%9.10%9.10%
15番人気  0-  0-  0-  7/  70.00%0.00%0.00%
16番人気  0-  0-  0-  6/  60.00%0.00%0.00%

1番人気は15年でわずか2勝(3連対)で、レース創設の1996年まで遡ってもわずかに6勝となっていて、「頭から荒れる」ことが高配当の大きな要因。また、2・3着馬も6番人気以下が割り込むケースが多く、1~3着のうちに5番人気以内が2頭入ったのは過去10年でわずかに2回。そういう意味では「人気になった馬は捨てる」という思い切った馬券の組み立て方をすることもアリなレース。

マーメイドS 2007年~ 負担重量(斤量)別の傾向

マーメイドSは「軽ハンデの馬が強い」傾向が顕著なレース。特に、逃げ・追込みといった極端な脚質で馬券になる馬のほとんどは53kg以下で、2021年は50kgのシャムロックヒル(10番人気)が逃げ切り、その2着には51kgのクラヴェル(5番人気)が追い込み。

マーメイドS 2007年~ 前走レース(ローテーション)別の傾向

前走条件戦「敗退」の軽ハンデ馬の妙味が高いのが大きな特徴。特に直近の関西場3勝クラス(パールS・シドニーT・下鴨S)からの転戦組が馬券になる馬が多い。前走2勝クラスからの2階級格上挑戦(50kg以下の軽ハンデ馬)が馬券になるケースも少なくないので要注意。他方で、前走GⅠ組からの勝ち馬はゼロでまさに「牝馬は格より調子」の典型といえるレース。
また、前走レースの距離は、1800mor2000mという馬に好走例が集中していて、それ以外の距離からの臨戦で勝った馬は2007年以降は1例もない(1996年まで遡っても3例で2003年ローズバド(安田記念14着以来)の1例のみでハンデ戦になってからは1例もない)。

マーメイドS 2007~ 年齢別の傾向

年齢着別度数勝率連対率複勝率単勝回収値
3歳  0-  0-  0-  4/  40.00%0.00%0.00%0
4歳  5-  3-  6- 52/ 667.60%12.10%21.20%83
5歳  7-  9-  7- 83/1066.60%15.10%21.70%163
6歳  3-  3-  1- 25/ 329.40%18.80%21.90%136
7歳  0-  0-  1-  6/  70.00%0.00%14.30%0
8歳  0-  0-  0-  1/  10.00%0.00%0.00%0

2007年以降の15年全体では5歳が7勝(16連対)で最多も直近10年では4歳馬が5勝。ただ、クラブ馬全盛のいまの競馬では牝馬の大半は6歳春で引退するため出走馬のほとんどが4・5歳馬。

マーメイドS 2007年~ 種牡馬別の傾向

残された馬も多くはないが、ディープインパクト産駒の回収値が単勝・複勝共に100を超える珍しい重賞。それ以外ではマンハッタンカフェ産駒・ステイゴールド産駒に注目。また、ハーツクライ産駒の打率が悪いことも頭にはいれておきたい。

マーメイドS 2007年~ 騎手別の傾向

荒れる重賞らしく(?)リーディング上位の常連ではない騎手の名前が上位に並ぶ。藤岡康が当レース3勝でトップも2015年を最後に馬券絡みなし。そのほかでは、松若が2勝、福永が4回、国分、酒井が3回の馬券絡み

マーメイドS 狙い馬のプロファイル

  • 軽ハンデの逃げ・追い込み馬
  • 8枠の差し・追い込み馬
  • 上位人気ではないディープインパクト産駒