【目黒記念】 過去レースの傾向・狙い馬のプロファイル

第1回目の日本ダービー(東京優駿)が行われた目黒競馬場の名を残すことを目的に創設された重賞レース。日本の競馬における最も古いハンデキャップ重賞でもある。レース創設当初は、春と秋の年2回実施されていたが、1984年のグレード制導入の際に秋開催が廃止となり、アルゼンチン共和国杯に引き継がれることになった。1997年からはそれまでの2月開催から6月へと施行時期が変更され、それに伴い3歳馬(当時4歳)にも出走資格が与えられるようになっている。舞台となる東京芝2500mは通常の番組編成であれば、目黒記念とアルゼンチン共和国杯の2レースでしか使用されない。
優勝馬にはコーフィールドカップ(オーストラリアGⅠ)への優先出走権が与えられる。

1963年にアルゼンチンジョッキークラブから優勝カップの寄贈を受けたことを契機に創設されたレースで、当時のレース名は「アルゼンチンジョッキ...

目黒記念 過去20年のラップタイム

馬場10030050070090011001300150017001900210023002500RPCI
20027.111.311.012.612.512.211.812.011.812.312.412.112.742.1
20037.210.711.612.412.512.512.613.012.311.911.211.012.358.0
20047.111.211.311.411.511.512.212.412.612.911.812.212.544.9
20057.111.311.212.312.612.112.412.311.611.411.411.612.549.4
20066.911.311.512.412.612.112.712.512.412.211.812.012.748.1
20076.911.411.813.013.112.611.612.311.611.711.411.812.252.4
20087.311.411.612.312.112.012.312.412.212.011.512.312.547.6
20097.211.511.213.013.112.813.313.512.512.512.612.513.345.3
20107.211.511.913.013.213.112.812.812.912.411.410.811.867.0
20117.010.911.012.412.712.412.112.312.412.611.412.113.246.0
20127.211.111.112.012.012.112.713.212.611.811.111.612.155.1
20137.610.911.012.212.312.212.112.012.012.111.811.511.951.0
20147.111.611.212.612.512.412.412.311.811.911.811.412.053.1
20157.111.511.712.311.911.812.012.512.211.711.611.412.052.4
20167.311.211.212.812.612.212.312.412.011.711.511.511.954.4
20177.211.011.212.712.412.312.112.312.412.211.312.011.853.6
20187.311.411.512.712.412.012.012.112.011.811.411.311.855.7
20197.411.011.012.212.011.711.812.011.611.712.012.011.845.2
20207.411.111.412.312.011.711.812.012.012.012.011.812.146.7
20217.311.412.513.313.212.411.912.812.712.511.110.611.172.5

スタートから1コーナーまでは隊列争いに応じた早さで流れるが、1コーナーから向正面は基本的にゆったりしたペースで流れる。4コーナーあたりから徐々にレースが動き出し最後の直線での上がり比べになるのが最も一般的な流れ。
最初の1000mは61秒~61.5秒、後半1000mは58秒台の後傾ラップが基準の早さだが、上がりの早さは中間500~1500m(1コーナーから向正面終わり)までの流れの速さ(通常は61秒前後)と反比例するイメージ。猛烈な早い上がりとなった2021年は500~1500mが63.6と、超✕超くらいのスローペースで、4角2番手にいたウインキートスが32.5の高速上がりで押し切り。

目黒記念 1~3着馬の脚質分布

長い直線を擁する東京競馬場での長距離戦ということで前にいる馬は基本的に苦しいレース。逃げて馬券になったのは過去20年でわずかに2例(2008年ホクトスルタン1着・2010年イケドラゴン2着)。上がり最速の馬の成績は「9-3-1-9/22」で勝率40%超。ただ、複勝率は6割をきっていてややピンパー気味。道中の位置取りが後ろ過ぎて差し届かないというケースよりも「レース全体の上がりが早すぎて前が止まらなかった」というケースの方をより警戒したい。

目黒記念 枠番・馬番別の傾向

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率
1枠 3- 2- 3-30/38 7.9% 13.2% 21.1%
2枠 3- 2- 3-30/38 7.9% 13.2% 21.1%
3枠 3- 3- 1-31/38 7.9% 15.8% 18.4%
4枠 2- 3- 4-30/39 5.1% 12.8% 23.1%
5枠 0- 4- 5-31/40 0.0% 10.0% 22.5%
6枠 2- 2- 3-32/39 5.1% 10.3% 17.9%
7枠 6- 0- 0-47/53 11.3% 11.3% 11.3%
8枠 1- 4- 1-49/55 1.8% 9.1% 10.9%

馬番着別度数勝率連対率複勝率
1番  2-  0-  3- 15/ 2010.00%10.00%25.00%
2番  1-  2-  0- 17/ 205.00%15.00%15.00%
3番  1-  0-  3- 16/ 205.00%5.00%20.00%
4番  2-  2-  2- 14/ 2010.00%20.00%30.00%
5番  3-  3-  0- 14/ 2015.00%30.00%30.00%
6番  0-  1-  0- 19/ 200.00%5.00%5.00%
7番  1-  0-  1- 18/ 205.00%5.00%10.00%
8番  1-  3-  2- 14/ 205.00%20.00%30.00%
9番  0-  2-  2- 16/ 200.00%10.00%20.00%
10番  1-  2-  3- 14/ 205.00%15.00%30.00%
11番  0-  1-  2- 16/ 190.00%5.30%15.80%
12番  3-  0-  1- 16/ 2015.00%15.00%20.00%
13番  0-  0-  0- 19/ 190.00%0.00%0.00%
14番  3-  0-  0- 15/ 1816.70%16.70%16.70%
15番  2-  0-  0- 16/ 1811.10%11.10%11.10%
16番  0-  2-  1- 15/ 180.00%11.10%16.70%
17番  0-  2-  0- 13/ 150.00%13.30%13.30%
18番  0-  0-  0- 13/ 130.00%0.00%0.00%
偶数 11- 12-  9-137/1696.50%13.60%18.90%
奇数  9-  8- 11-143/1715.30%9.90%16.40%
大外  1-  0-  0- 19/ 205.00%5.00%5.00%

1~4・5~8で分けると内外イーブンに近い数になるが、コース形態なども踏まえると距離ロスの小さい競馬をしやすい内目の枠が有利と考えるべき。実際に回収値の観点で最も優秀なのは2枠で最も多く勝ち星をあげている7枠は、人気サイドの負けも多く期待値で2枠に劣る。なお、直近10年ベースでみたときには、1~3枠・7枠の回収値が100を超えているが適正値との差が最もプラスになるのは1枠。

目黒記念 人気別の傾向

人気着別度数勝率連対率複勝率
1番人気  4-  5-  2-  9/ 2020.00%45.00%55.00%
2番人気  0-  4-  1- 15/ 200.00%20.00%25.00%
3番人気  5-  0-  2- 13/ 2025.00%25.00%35.00%
4番人気  1-  2-  1- 16/ 205.00%15.00%20.00%
5番人気  1-  2-  1- 16/ 205.00%15.00%20.00%
6番人気  1-  1-  3- 15/ 205.00%10.00%25.00%
7番人気  1-  2-  3- 14/ 205.00%15.00%30.00%
8番人気  4-  0-  1- 15/ 2020.00%20.00%25.00%
9番人気  1-  1-  1- 17/ 205.00%10.00%15.00%
10番人気  0-  1-  0- 19/ 200.00%5.00%5.00%
11番人気  1-  0-  0- 19/ 205.00%5.00%5.00%
12番人気  1-  1-  1- 17/ 205.00%10.00%15.00%
13番人気  0-  0-  1- 18/ 190.00%0.00%5.30%
14番人気  0-  0-  0- 18/ 180.00%0.00%0.00%
15番人気  0-  0-  2- 16/ 180.00%0.00%11.10%
16番人気  0-  1-  0- 17/ 180.00%5.60%5.60%
17番人気  0-  0-  1- 14/ 150.00%0.00%6.70%
18番人気  0-  0-  0- 12/ 120.00%0.00%0.00%

1番人気は、過去20年・10年ともに勝率60%、複勝率も55%・60%とほぼ変わらず。ハンデ戦ということを考慮にいれれば、他の狙い馬から1番人気も含めた馬券という組み立ての方が正解といえそう。最も単勝回収値が高いのは直近10年で3勝している8番人気で、6~10番人気馬(単勝15~20倍)が馬券に絡む割合それ自体が高い。

目黒記念 過去10年の配当

単勝馬連馬単3連複3連単
2021166029407210195290994120
2020410463063001927086550
2019730449075001842090500
20181770192202928023330197190
201719103450913041190316940
201663012002600953047830
20152530144602464016680105200
20141620213804200055000427240
201388027806440759048790
2012440364066801364070220
最低41012002600759047830
最高25302138042000195290994120
中間1250406573551884597850

過去10年のうち半数が単勝4桁配当。また3連複も10年のうち7年が10000円以上の配当になっていて「荒れる」ということを前提に馬券を組み立てる価値のあるレースといえる。

目黒記念 前走レース(ローテーション)別の傾向

過去20年ではレース条件の変わった前走レースも多すぎるため、過去10年の前走レース別着度数を紹介。勝馬の前走レースは割とハッキリしていて、①2500m以上の重賞・OP組、②2200m以上の3勝クラスを勝ってきた馬、③新潟大賞典組のいずれかのパターン。OPや3勝クラスを勝ってきた組よりも、天皇賞(春)・日経賞を負けてきた組の方が妙味が高い。

目黒記念 年齢・性別の傾向

年齢着別度数勝率連対率複勝率
3歳  0-  1-  0-  2/  30.00%33.30%33.30%
4歳  7-  4-  5- 57/ 739.60%15.10%21.90%
5歳  4- 12-  4- 71/ 914.40%17.60%22.00%
6歳  5-  3-  5- 69/ 826.10%9.80%15.90%
7歳  3-  0-  4- 44/ 515.90%5.90%13.70%
8歳  1-  0-  2- 26/ 293.40%3.40%10.30%
牝馬  1-  2-  0- 12/ 156.70%20.00%20.00%

4歳が最多の7勝。直近過去10年でも最多の4勝。ただ、4歳馬は人気サイドになりやすく回収期待値はそこまで高くない。回収値という観点からは7歳馬や牝馬の妙味が高い。ただ、牝馬は出走それ自体がかなり少ない(下記参照)。

目黒記念 過去10年の出走牝馬

馬名騎手人気
2021ウインキートス4丹内祐次5281
2021ミスマンマミーア6福永祐一54312
2020ウラヌスチャーム5松山弘平54810
2016マリアライト5蛯名正義5612
2016タッチングスピーチ4C.ルメー5526
2012サンテミリオン5北村宏司54918
2011アースシンボル6田中勝春521510
2011オウケンサクラ4大庭和弥551316
2009ビエンナーレ6松岡正海521115
2006メジロトンキニーズ4吉田豊52139
2006フィヨルドクルーズ5高橋智大521115
2005エルノヴァ6K.デザー5524
2003レディパステル5蛯名正義5622
2002レディパステル4蛯名正義5524
2002ローズバド4横山典弘55614

目黒記念 負担重量(斤量)別の傾向

ハンデ戦は「軽量の人気薄」に目がいきがちだが、実際に回収期待値が高いのは斤量を背負わされた方の馬であることの方が多い。目黒記念も同様に過去20年で6勝している54kgよりも57kg・58kgの馬の単勝の回収期待値方が高い。58kgで勝ったフェイムゲームは58kgを背負った馬のなかで「目黒記念以前に58kgでの連対実績」のあった唯一の馬。

目黒記念 種牡馬別の傾向

過去10年の種牡馬傾向。過去20年まで遡るとエリシオ・オペラハウスといった欧州ノーザンダンサー系種牡馬の名前が上位に入ってくるが、直近10年では勢いがない(ハービンジャーは4頭が出走してすべて着外)。それに変わるのはステイゴールド・キングカメハメハ系で、それぞれ3勝ずつ。ただし、同じキングカメハメハ系でもルーラーシップ産駒は今のところ馬券絡みすらない点に注意。また、東京巧者が多いトニービンの系譜(カンパニー・ジャングルポケット)にも注目しておきたい。

目黒記念 騎手別の傾向

蛯名正義 2- 1- 0- 4/ 728.60%42.90%42.90%
内田博幸 2- 0- 0- 7/ 922.20%22.20%22.20%
D.レーン 1- 1- 0- 0/ 250.00%100.00%100.00%
福永祐一 1- 0- 1- 6/ 812.50%12.50%25.00%
小牧太 1- 0- 1- 0/ 250.00%50.00%100.00%
横山典弘 1- 0- 0- 7/ 812.50%12.50%12.50%
C.ルメー 1- 0- 0- 5/ 616.70%16.70%16.70%
丹内祐次 1- 0- 0- 1/ 250.00%50.00%50.00%
戸崎圭太 0- 1- 2- 2/ 50.00%20.00%60.00%
川田将雅 0- 1- 1- 6/ 80.00%12.50%25.00%
M.デムー 0- 1- 1- 4/ 60.00%16.70%33.30%
高倉稜 0- 1- 0- 1/ 20.00%50.00%50.00%
C.ウィリ 0- 1- 0- 2/ 30.00%33.30%33.30%
柴山雄一 0- 1- 0- 1/ 20.00%50.00%50.00%
B.アヴド 0- 1- 0- 0/ 10.00%100.00%100.00%
古川吉洋 0- 1- 0- 0/ 10.00%100.00%100.00%
三浦皇成 0- 0- 1- 3/ 40.00%0.00%25.00%
柴田大知 0- 0- 1- 5/ 60.00%0.00%16.70%
北村宏司 0- 0- 1- 3/ 40.00%0.00%25.00%
坂井瑠星 0- 0- 1- 1/ 20.00%0.00%50.00%
武豊 0- 0- 0- 8/ 80.00%0.00%0.00%
岩田康誠 0- 0- 0- 7/ 70.00%0.00%0.00%
石橋脩 0- 0- 0- 4/ 40.00%0.00%0.00%
大野拓弥 0- 0- 0- 3/ 30.00%0.00%0.00%
田辺裕信 0- 0- 0- 7/ 70.00%0.00%0.00%
松山弘平 0- 0- 0- 4/ 40.00%0.00%0.00%

南半球のオフシーズンを利用して短期免許で来日するレーンの打率が非常に高い。ただ、レーン騎乗というだけで人気になる傾向がある。

目黒記念 過去傾向の分析 まとめ

  • 東京競馬らしい「上がり」の競馬
  • トラックバイアス・スローを原因とする好位勢の前残りに警戒
  • 距離ロスの小さい内目の枠
  • 6~10番人気(単勝15~20倍)
  • 天皇賞(春)・日経賞敗退組
  • 大阪-ハンブルクC・メトロポリタンS勝ち馬
  • 2200m以上の条件クラスを連勝してきた4歳馬
  • それなりにハンデを背負わされた長距離戦常連組(東京2500m巧者)
  • ゴールドシップ産駒

狙い馬のプロファイル

  • 晩成などが理由で菊花賞には間に合わなかったゴールドシップ・オルフェーヴル産駒の4歳馬。条件クラス連勝よりも日経賞挑戦で負けている馬だとなお良し
  • 中山では切れる脚を活かしきれなかったタイプの東京変わり
  • 新潟大賞典で差し届かなかった馬の距離延長
  • 過去に東京長距離(目黒記念・アルゼンチン共和国杯・ダイヤモンドS)で入着以上の経験のある古豪