【マーチS】ラップタイム・レースの傾向

ダート重賞路線を整備する一環として1994年に創設された比較的新しい古馬重賞。施行時期・条件は創設当初から変わらず春の中山ダート1800m。フェブラリーSが終わった後の時期であることや、中距離路線の強い馬がドバイ(サウジ)遠征に向かうケースが増えたという事情もあり混戦模様の組み合わせになることが多いレースで、三連単は100万円を超える高配当になることも。

【参考】中山ダート1800mコースの傾向

マーチS 過去レースのラップタイム

※2011年は東日本大震災の影響により阪神ダート1800mで実施(平均からも除外)

中山ダート1800mのコースは、レースが動き出す向正面後半(1000m通過後)の流れが大きなポイントになる。隊列の長さに対してペースが早くなれば差し馬優勢だが、先行馬に上手に踏んでいかれると後ろからでは届かなくなるので、鞍上の駆け引きが非常に重要に。レース傾向としては馬場の悪化による大きな差はなく、雨が降って馬場が締まるとレースラップ全体が早くなるというイメージでよさそう。

マーチS 1~3着馬の脚質分布

通常の中山ダート1800mより「少し差しが届きやすくなる」という違いはあるものの基本的には好位勢が圧倒的に優勢という傾向。上がり3F1位の馬は「6-33-10/22」で複勝率54.5%で、条件戦のそれと比較した場合には差し届かない割合は増加していることは頭にいれておきたい。馬券的には好位勢の軸馬に差し馬を足していくイメージ。

マーチS そのほかのレース傾向

人気・枠/馬番などの過去傾向データを紹介。軸馬・穴馬探しの参考に

マーチS 人気別の傾向

「1番人気がまったく当てにならない」というレース。過去20年・直近10年ともに勝率1割連対率2割複勝率3割という結果なので「来たら仕方ない」と割切って人気を疑って馬券を組み立てるのが正解といえる。2番人気は、過去20年より直近10年の成績が上回っており、連対率5割・複勝率6割、6番人気が3勝、8番人気が2勝なので、人気で軸を選ぶならこちらからが正解。ちなみに、単勝オッズ50倍以上の馬が馬券になったのは直近10年で1頭のみ。「荒れるレース」だからといって無謀すぎる穴狙いも危険

マーチS 前走レース(ローテーション)別の傾向

直近10年では当レースと同じ舞台で行われる総武S組が2勝4連対と最も良い成績だが出走頭数も多いので要注意。また直近のOP戦でもある仁川S組からの好走例も多い。
他では、やはり前走フェブラリーSからの転戦組が20年で4勝・10年でも2勝の成績。こちらはフェブラリーSの着順を問わないので、フェブラリーSで大敗したことだけで人気を下げている馬がいれば逆に狙い目。

マーチS 年齢・性別の傾向

最も成績がよいのは6歳馬で8勝のうち5勝は直近10年のもの。1-3着馬全体をみても6歳馬が1頭も絡まなかったのはわずか2年。その一方で苦戦傾向なのが4歳馬。条件戦を連勝してきた勢いで人気になるタイプはかなり危うく、2021年のアメリカンシード、2018年のハイランドピークが共に1番人気で大敗している。4歳馬で1ー3着した2014年は1-5番人気のすべてが4歳馬でそもそも出走古馬のレベルが低すぎた年でもあった。
牝馬は、20年で馬券絡みが2例。古馬中距離のダート重賞で牝馬が馬券になるのはかなり難しい。2021年のメモリーコウ(3着)のように直近のレースでも当レースに出走してくる牡馬と互角に渡り合えているような馬でもないかぎりは「来たら仕方がない」と割切ってしまう方がよさそう。

マーチS 負担重量(斤量)別の傾向

荒れるハンデ戦というと「斤量の軽い穴馬」に目がいきがちになるが、実際には斤量を嫌われて人気を落とした馬を狙った方が高配当にありつける可能性も高い。当レースでも直近10年では53kgの馬が馬券になったことはなく、54kgも2021年のメモリーコウと2017年のアルタイルの2例のみ。メモリーコウは牝馬(セックスアローワンスで2kg減)であることを踏まえれば、負担の重い馬が強いレースといってよいだろう。前走斤量との比較でも軽くなった馬より重くなった馬の方が好成績(下記参照)。

マーチS 種牡馬別の傾向

シンボリクリスエス産駒が3勝・ブライアンズタイム産駒が5連対、キングカメハメハ産駒が3連対。とはいえ、どの産駒も残り頭数が多いわけでもなくかなりの混戦模様。配当的な妙味だけを抜き出せば、ロイヤルチャージャー系(ロベルト系・サンデー系)種牡馬✕ネイティブダンサー系(ミスプロ系)牝馬の配合の回収値が優秀(下記参照)。

マーチS 騎手別の傾向

高松宮記念の裏で行われることの多い重賞でもありリーディング上位のジョッキーが少ない。当レース過去20年では石橋・松岡が2勝ずつで、北村宏司が4回の馬券内。

【参考】中山ダート1800m騎手別着度数(2019~2021・古馬混合戦・14頭立て以上)

マーチS 枠番・馬番別の傾向

2011年を除く中山競馬場で開催された19回のうち6枠から外で11勝。連対回数・3着内数も9回/11回の8枠が最多。馬番別の成績でも15番16番は優秀で、他馬から被されることなくポジションをとれる外目の枠の利が大きいといえる。これとは逆に、1枠は内で包まれる不利を受けるリスクなどもあり苦戦傾向。内外から挟まれる形になりやすい3枠も同様と考えてよさそう。

マーチS ラップタイム・レースの傾向 まとめ

  • 残り1000mor800mからのロングスパート戦
  • 好位からそれなりの上がりで粘り込める馬を軸に
  • 1番人気は疑う
  • 前走総武S入着馬・フェブラリーS・仁川S
  • 6歳馬
  • 斤量56kg以上の馬
  • サンデー・ロベルト系✕ミスプロ系
  • 石橋騎乗馬
  • 6~8枠