【毎日杯】ラップタイム・レースの傾向

1954年に創設された4歳(現3歳)馬の世代限定重賞。創設当初はダービー後に行われていレースであったが、1971年より春(3月)に実施され、2006年暮れに阪神競馬場に外回りコースが新設されたことをうけて2007年からは芝1800mでの実施。皐月賞・ダービーへの優先出走権の与えられるレースではないものの、ディープインパクト産駒と親和性の高い重賞レースでもあることから近年では皐月賞・ダービーに直結するケースも増えている。
今回は、現在の条件となった2007年以降のラップタイム・レース傾向を紹介。

【参考】阪神芝1800mコースの特徴

毎日杯 過去レースのラップタイム

舞台となる阪神芝1800mコースは、「道中スローからの上がり勝負」の傾向が顕著なコース。当レースも平均RPCIが54.0となっているように基本的にはスローからの上がり勝負となることが多い。1000m60秒・上がり3F34秒台がひとつの目安。

毎日杯 1~3着馬の脚質分布

2007年以降に逃げて勝ったのは2019年のランスオブプラーナの1頭だけ。レース全体としてゆるめのラップになることから密集した状態で直線に進入するケースも多く、目標とされる馬は基本的には割引上がり最速の馬の複勝率8割、上がり2位の馬の複勝率も7割となっていて完全に上がり重視の傾向を示しているものの上がり最速=差し・追い込みとは限らない。特に、近10年では2007年から15年よりも好位勢優勢の傾向が強まっていることは覚えておきたい。

毎日杯 そのほかのレース傾向

人気・枠/馬番などの過去傾向データを紹介。軸馬・穴馬探しの参考に

毎日杯 人気別の傾向

1番人気の馬が85%を超える複勝率、2番人気の複勝率も60%。レース・コース傾向がハッキリしているレースということもあり人気(新聞の印)の信頼度は高いといえる。近10年では8番人気以下の馬の馬券絡みもなく、大穴狙いのぶん回しは控えた方がよさそう。

毎日杯 前走レース(ローテーション)別の傾向

前走共同通信杯組が過去15年で5勝もそのうち4勝は過去10年のもの。東京芝1800mと阪神芝1800mは共に似た傾向のレースになりやすいことから、共同通信杯での内容は毎日杯においても再現性が高いといえそう。また、2歳戦以降の休み明けの馬は全体的に苦戦傾向で、年があけてから1・2戦以上こなしている馬を上位に。

毎日杯 キャリア別の傾向

キャリア2戦から6戦がボリュームゾーン。近10年では6戦以上での好走例はかなり限られているおとから割り引いてよい

毎日杯 負担重量(斤量)別の傾向

牡馬56kg・牝馬54kgの馬齢重量を基準とする別定戦(収得賞金1800万円以上1kg増)
57kgを背負わされる馬=実績馬ということであるが、多くは2歳戦の前半にOPや重賞を勝った馬で、その大半は毎日杯では凡走していることに注意。

【参考】斤量57kgを背負わされた馬の成績(2007年以降)

57kgを背負って馬券に絡んだ(勝利)した馬に共通するのはいずれも1・2番人気であるということ(下記参照)。また、前走のPCIが52.0以下だった馬の馬券絡みもなし。

毎日杯 種牡馬別の成績

「スローペースからの一瞬のキレ味勝負」はまさにディープインパクト産駒が最も得意とする舞台で、実際にもディープインパクト産駒が5勝・12連対と圧倒的な成績を残している。他方で、キンカメ産駒やハーツクライ・ルーラシップ産駒のように決め手よりもタフさが持ち味となる種牡馬の産駒は勝ちきれない結果となっている。

毎日杯 騎手別の成績

現役では、川田・武豊・松山が2勝ずつも、複勝率が5割を超える(近10年では75%)武豊に注目しておきたい。

毎日杯 枠番・馬番別の傾向

1枠・5枠が3勝ずつも、近10年で複勝率5割を超える1枠の馬は常に警戒が必要。道中がスローになりやすい阪神1800mコースでは外を廻らされるロスが致命傷になることも珍しくなく、逃げ・先行に限らず内からの差し馬にも十分警戒しておきたい。

毎日杯 ラップタイム・レースの傾向 まとめ

  • スローペースからの瞬発力勝負
  • 上がり3F1位・2位の馬
  • 1・2番人気は信頼
  • 前走共同通信杯組
  • 年内に1回以上使っている馬から
  • 前走新馬・未勝利は割引
  • 57kgの馬の取捨に注意
  • ディープインパクト産駒
  • 武豊
  • 1枠