【アイビスサマーダッシュ】過去20年の傾向と分析

2001年に新潟競馬場に直線1000mコースが設定されたことにあわせて創設された日本で唯一の直線競馬重賞。夏の新潟開催の目玉レースであるだけでなく、サマースプリントシリーズの第3戦にも指定されている。なお、レース名称のアイビス(Ibis)は、朱鷺(トキ)の英語名。

アイビスサマーダッシュ 過去レースのラップタイム

馬場2004006008001000勝ち時計RPCI
200212.009.8010.209.6012.1000:53.750.8
200311.8010.0010.4010.0012.0000:54.248.2
200411.9010.1010.2010.5011.2000:53.952.4
200511.7010.0010.7010.2011.4000:54.047.9
200611.8010.2010.8010.3012.6000:55.743.2
200711.909.9010.7010.5012.1000:55.143.6
200811.809.9010.4010.5011.6000:54.246.9
200911.9010.2011.0010.3012.8000:56.242.0
201011.609.9010.3010.1012.0000:53.945.9
201111.8010.0010.5010.0011.5000:53.850.3
201211.609.9010.6010.2011.9000:54.244.3
201311.9010.4010.6010.3011.0000:54.254.7
201411.6010.1010.5010.5011.6000:54.346.4
201512.1010.0010.4010.1011.5000:54.152.6
201612.0010.2010.6010.1011.2000:54.153.9
201711.8010.0010.4010.3011.7000:54.248.2
201811.8010.0010.3010.1011.6000:53.850.3
201911.9010.2010.5010.7011.8000:55.147.4
202011.7010.0010.4010.8011.6000:54.545.4
202111.7010.2010.5010.7011.1000:54.249.5

直線のみのスプリント戦なので1000mをそれぞれの馬の走り方で全力疾走し続けるというコース。当然各区間ごとの通過ラップの早く、最も早い200~400m区間では9秒台の時計となることも。なお、平均RPCIは48.9、勝ち馬の平均PCIは53.2となっていて、「電撃戦」というイメージよりも遙かに「終いの脚(1000m速い足を使い続けられる持久力)」が重要となるレースでもある。

1~3着馬の脚質分布

過去20年で逃げ馬が8勝2着9回。新潟芝1000mの全体平均よりも逃げ馬の連対率が非常に高く「逃げ馬を無視してはいけない」レースといえる。他方で、3着馬には後方からの馬が飛びこんでくるケースも珍しくないことにも注意しておきたい。

アイビスサマーダッシュ 枠番・馬番別の傾向

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率
1枠 0- 0- 2-31/33 0.0% 0.0% 6.1%
2枠 2- 2- 4-26/34 5.9% 11.8% 23.5%
3枠 0- 1- 0-33/34 0.0% 2.9% 2.9%
4枠 2- 2- 1-34/39 5.1% 10.3% 12.8%
5枠 4- 2- 1-33/40 10.0% 15.0% 17.5%
6枠 1- 4- 3-32/40 2.5% 12.5% 20.0%
7枠 4- 4- 7-33/48 8.3% 16.7% 31.3%
8枠 7- 5- 2-34/48 14.6% 25.0% 29.2%

「千直競馬は外枠から」のセオリーどおりに8枠が20年で7勝2着15回。3頭ずつになる7・8枠の絶対数が多いことを差し引いても外枠優勢なのは顕著。ただ、馬番別の結果としては大外17番・18番よりも13番(フルゲートであれば7枠)の方が勝率・連対率・複勝率・回収値のすべての面で上回っていることも頭に入れておきたい。

アイビスサマーダッシュ 人気別の傾向

過去20年ベースでは1番人気が9勝。ただ、そのうち7勝が直近10年に集中していて、過去10年での1番人気馬は7勝2着2回とほぼパーフェクトの成績。2・3着は人気分布も広く下手に絞り込むのはあまり得策ではないレース。

【参考】過去10年の1番人気馬の成績

【参考】過去10年 単勝20倍以上で3着以上にはいった馬の枠番

7・8枠を引いても「前走条件勝ち」、「前走大敗」などで人気を落としたタイプ(千直での変わり身で成績を伸ばしたタイプ)と、過去に千直実績があったにもかかわらず内目の枠を引いたことで人気を落としたタイプは積極的に狙いにいきたい。内は頭から、外は3連系のヒモ穴相手という傾向がハッキリしていることも抑えておきたい。

アイビスサマーダッシュ 前走レース(ローテーション)別の傾向

6勝2着2回のCBC勝・3勝2着2回の函館SSのサマースプリントシリーズ参戦組が中心。これに春の新潟開催後は休ませてアイビスサマーダッシュを直接狙ってきた千直スペシャリストの組み合わせで馬券を考えるの基本。

単勝20倍以上の馬で馬券になるパターンは、前走条件戦からの「千直変わり身組」を狙うのがよさそう。前走函館SS・CBC賞からの馬で人気のないタイプ(勝負付けの済んでいるタイプ)は全く期待できないという結果に。

アイビスサマーダッシュ 年齢・性別の傾向

年齢着別度数勝率連対率複勝率
3歳  3-  3-  4- 16/ 2611.50%23.10%38.50%
4歳  6-  5-  2- 31/ 4413.60%25.00%29.50%
5歳  6-  8-  9- 60/ 837.20%16.90%27.70%
6歳  3-  4-  4- 70/ 813.70%8.60%13.60%
7歳  2-  0-  1- 53/ 563.60%3.60%5.40%
8歳  0-  0-  0- 18/ 180.00%0.00%0.00%
牝馬  13-  9-  11- 103/ 1369.60%16.20%24.30%

まず押さえておきたいのは、「牝馬が圧倒的に強いレース」であるということ、過去20年では牝馬が13勝で牡馬に対してほぼダブルスコアの成績。
年齢別では、4歳・3歳の成績が古豪となる5歳以上を上回っており、これまでの実績よりも「フレッシュさ」の方を重視したいレースといえる。

【参考】牝馬の年齢別成績

年齢着別度数勝率連対率複勝率単勝回収値複勝回収値単勝適正回収値
2歳  0-  0-  0-  0/  0
3歳  3-  3-  2-  5/ 1323.10%46.20%61.50%336176177.8
4歳  3-  3-  1- 17/ 2412.50%25.00%29.20%5258123
5歳  5-  2-  7- 35/ 4910.20%14.30%28.60%198137122.8
6歳  2-  1-  1- 31/ 355.70%8.60%11.40%693487.6
7歳  0-  0-  0- 13/ 130.00%0.00%0.00%000
8歳  0-  0-  0-  2/  20.00%0.00%0.00%000

牝馬の成績は年齢別で見てもあらゆる年齢で牡馬もあわせた年齢別成績を上回る。特に5・6歳は、5歳6勝のうち5勝が牝馬、6歳3勝のうち2勝が牝馬で、「年齢を重ねた馬は牝馬から狙え」といえるほどの成績差になっている。

アイビスサマーダッシュ 負担重量(斤量)別の傾向

3歳53kg、4歳以上56kg(牝馬2kg減)を基準重量とする賞金別定(収得賞金3000万超過馬は超過額2000万円gotoni1kg増)。出走メンバーの中での斤量差のつきづらい重賞である割には「千直は軽い斤量が圧倒的に有利」のセオリーから「牝馬・若い馬が有利」という結果に。57kgを超える斤量となるいわゆる「実績馬」から勝ち馬はでていない。

アイビスサマーダッシュ 種牡馬別の傾向

マンノウォー系(ウォーニング)はカルストンライトオ・ナスルーラー系(サクラバクシンオー)はカノヤザクラ・ベルカントという千直スペシャリストによる勝ち鞍。広く馬を輩出しているという点では、ロードカナロアやアドマイヤムーンなどのネイティヴダンサー系・クロフネ・ヨハネスブルクなどのノーザンダンサー系の「速い足を長くつかう適正」が求められるレースに強い種牡馬が優勢。もっとわかりやすくいえば「ダートの短距離血統」。

アイビスサマーダッシュ 騎手別の傾向

騎乗馬による偏差が大きい結果になっている感はあるが、千直巧者といわれるジョッキーが並ぶ結果ともいえる。特にデムーロは、夏以外は新潟で騎乗する機会がほぼないジョッキーだが千直成績は優秀で本人も千直競馬が大好きということは押さえておきたい。

アイビスサマーダッシュ 狙い馬のプロファイル

  • ダート短距離血統+前走千直競馬以外の大敗+人気薄の馬
  • 4・5歳+ノーザンダンサー系種牡馬の牝馬