【平安ステークス】過去20年の傾向

1994年にダート重賞整備の一環として創設された古馬重賞。創設時は阪神競馬場で実施されたが第2回目から京都競馬場で1月に開催。その後、2013年からは1900mに距離が100m延長され施行時期も5月に変更され、帝王賞へのステップレースとしての存在意義が高くなった。京都競馬場の改修工事に伴って、2021年・2022年は中京ダート1900mで実施される。
今回は、現在の施行条件になってからの全9年の結果に基づいてレースの傾向データを紹介。

平安ステークス 過去レースのラップタイム

※折れ線グラフは、スタート~100mのラップタイムを割愛

10030050070090011001300150017001900タイムRPCI
20137.010.711.012.612.913.212.912.112.012.501:56.948.7
20146.811.011.712.812.712.712.412.011.812.701:56.648.8
20157.011.111.312.812.611.911.712.012.212.501:55.144.3
20167.011.312.012.812.212.011.711.912.412.901:56.243.3
20176.910.611.112.512.112.112.412.512.612.901:55.737.3
20187.111.512.513.112.511.911.712.112.312.601:57.346.9
20197.111.211.612.912.812.912.212.112.512.801:58.145.9
20207.111.111.913.112.312.212.112.011.912.701:56.446.6
20217.110.811.012.311.812.112.412.812.012.401:54.740.2

京都・中京共にスタートから1コーナーまでの距離は約400mで比較的ゆとりがあるが、どちらも1コーナーがタイトなためポジション争いが比較的激しくなりやすい。その後は、向正面まではゆっくり周り、残り1000m地点付近から徐々にペースのあがっていくロングスパート戦になるのが基本。中京競馬場の直線は京都より80mほど長く坂もあるため坂下までは脚を貯める傾向がある点にも注意が必要。

平安ステークス 1~3着馬の脚質分布

2022年については中京競馬場で開催されるため、上記の結果は参考程度に。ただ、ダート中距離重賞は基本的には前目の馬が有利で、「好位で折り合って早め抜けだしからそれなりに上がりをまとめられる馬」というのが勝ち馬の基本的なプロファイル。

平安ステークス 枠番・馬番別の傾向

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率
1枠 2- 0- 2-12/16 12.5% 12.5% 25.0%
2枠 0- 1- 0-16/17 0.0% 5.9% 5.9%
3枠 1- 2- 1-14/18 5.6% 16.7% 22.2%
4枠 2- 1- 1-14/18 11.7% 16.7% 22.2%
5枠 3- 0- 2-13/18 16.7% 16.7% 27.9%
6枠 0- 2- 2-14/18 0.0% 11.1% 22.2%
7枠 0- 2- 0-16/18 0.0% 11.1% 11.1%
8枠 1- 1- 1-15/18 5.6% 11.1% 16.7%

馬番着別度数勝率連対率複勝率
1番 2- 0- 2- 5/ 922.20%22.20%44.40%
2番 0- 0- 0- 9/ 90.00%0.00%0.00%
3番 0- 0- 0- 9/ 90.00%0.00%0.00%
4番 0- 1- 0- 8/ 90.00%11.10%11.10%
5番 2- 0- 0- 7/ 922.20%22.20%22.20%
6番 0- 2- 2- 5/ 90.00%22.20%44.40%
7番 1- 1- 1- 6/ 911.10%22.20%33.30%
8番 0- 0- 0- 9/ 90.00%0.00%0.00%
9番 2- 0- 0- 7/ 922.20%22.20%22.20%
10番 1- 0- 1- 7/ 911.10%11.10%22.20%
11番 0- 3- 1- 5/ 90.00%33.30%44.40%
12番 0- 0- 1- 8/ 90.00%0.00%11.10%
13番 0- 0- 0- 9/ 90.00%0.00%0.00%
14番 1- 1- 0- 7/ 911.10%22.20%22.20%
15番 0- 0- 0- 8/ 80.00%0.00%0.00%
16番 0- 1- 1- 5/ 70.00%14.30%28.60%

「1コーナー進入で不利を受けないポジションを取れる枠」が理想。先行馬であれば内枠ということになるが前目を主張する他馬の入る馬番などとの兼ね合いにも注意したい。フルゲートになった場合の11番から外は基本的には割引でよい。

平安ステークス 人気別の傾向

人気着別度数勝率連対率複勝率
1番人気  4-  5-  2-  9/ 2020.00%45.00%55.00%
2番人気  2-  1-  2- 15/ 2010.00%15.00%25.00%
3番人気  2-  6-  3-  9/ 2010.00%40.00%55.00%
4番人気  2-  0-  3- 15/ 2010.00%10.00%25.00%
5番人気  3-  1-  5- 11/ 2015.00%20.00%45.00%
6番人気  2-  1-  1- 16/ 2010.00%15.00%20.00%
7番人気  2-  1-  1- 16/ 2010.00%15.00%20.00%
8番人気  0-  3-  1- 16/ 200.00%15.00%20.00%
9番人気  1-  0-  0- 19/ 205.00%5.00%5.00%
10番人気  1-  0-  0- 19/ 205.00%5.00%5.00%
11番人気  0-  0-  1- 19/ 200.00%0.00%5.00%
12番人気  1-  1-  0- 18/ 205.00%10.00%10.00%
13番人気  0-  1-  0- 18/ 190.00%5.30%5.30%
14番人気  0-  0-  0- 19/ 190.00%0.00%0.00%
15番人気  0-  0-  1- 17/ 180.00%0.00%5.60%
16番人気  0-  0-  0- 15/ 150.00%0.00%0.00%

1月施行時には「1番人気の勝てない重賞」だったが、5月・1900mに条件が変更されての9年で1番人気が4勝。東京大賞典からフェブラリーSまでの谷間重賞だった1月開催時と比べて「帝王賞への重要なステップレース」とレースの位置づけ・性格が変わったことが大きいといえる。ただ、5月開催になっていこうも2着には中穴が飛びこむケースが多い点には要注意。

平安ステークス 前走レース(ローテション)別の傾向

2013年以降の前走レース一覧。帝王賞を睨んで一線級の馬が集まることが多く、「前走レースの格」が非常に重要。3勝クラスからの臨戦での馬券絡みはなく、メンバーが手薄な交流重賞であれば中央OPからの臨戦の方が成績も上。

平安ステークス 年齢・性別の傾向

年齢着別度数勝率連対率複勝率
4歳  4-  3-  1- 29/ 3710.80%18.90%21.60%
5歳  4-  2-  3- 32/ 419.80%14.60%22.00%
6歳  1-  2-  1- 27/ 313.20%9.70%12.90%
7歳  0-  2-  3- 13/ 180.00%11.10%27.80%
8歳  0-  0-  1-  9/ 100.00%0.00%10.00%
牝馬  0-  1-  2- 0/ 30.00%33.30%100.00%

4歳・5歳が4勝ずつ。4歳馬については、勝ち負けはともかくとして前走までに古馬相手の重症経験は欲しいところ。「一線級との厳しいレース」を経験していることの価値は非常に大きく、2021年のアメリカンシードのように前走古馬相手の初重賞大敗からの巻き返しの例も。また、ダート中距離では不利といわれる牝馬が3頭出走して複勝率100%。牝馬をこのレースに送り出す陣営の思惑をしっかり見抜くことが大事。

平安ステークス 負担重量(斤量)別の傾向

斤量着別度数勝率連対率複勝率
54kg  0-  0-  0-  4/  40.00%0.00%0.00%
55kg  0-  1-  2-  0/  30.00%33.30%100.00%
56kg  2-  3-  3- 77/ 852.40%5.90%9.40%
57kg  2-  4-  0- 23/ 296.90%20.70%20.70%
58kg  3-  1-  3-  9/ 1618.80%25.00%43.80%
59kg  2-  0-  1-  1/  450.00%50.00%75.00%

牡馬56kg(牝馬-2kg)を基本重量とするグレード別定(過去1年以内のG1(牝馬限定戦除く)勝3kg増、牝馬限定G1またはGⅡ(牝馬限定戦除く)勝2kg増、牝馬限定GⅡまたはGⅢ勝ち1kg増/1年以上前のGⅠ(牝馬限定戦除く)2kg増、牝馬限定G1またはGⅡ(牝馬限定戦除く)勝1kg増)。
「強い馬が強い競馬をする」のがダート中距離別定重賞の基本的な特徴。したがって、斤量を背負わされた馬の信頼度は高い。なお、馬券に絡んだ3頭の牝馬は、いずれも55kgですでに重賞勝ちの実績があったことは覚えておきたい。

平安ステークス 騎手別の傾向

騎手着別度数勝率連対率複勝率
川田将雅 2- 0- 2- 3/ 728.60%28.60%57.10%
幸英明 1- 3- 0- 5/ 911.10%44.40%44.40%
M.デムー 1- 0- 1- 2/ 425.00%25.00%50.00%
福永祐一 1- 0- 1- 3/ 520.00%20.00%40.00%
太宰啓介 1- 0- 1- 4/ 616.70%16.70%33.30%
北村友一 1- 0- 0- 4/ 520.00%20.00%20.00%
酒井学 1- 0- 0- 3/ 425.00%25.00%25.00%
内田博幸 1- 0- 0- 0/ 1100.00%100.00%100.00%
C.ルメー 0- 2- 0- 1/ 30.00%66.70%66.70%
松山弘平 0- 1- 0- 5/ 60.00%16.70%16.70%
小牧太 0- 1- 0- 3/ 40.00%25.00%25.00%
武豊 0- 1- 0- 5/ 60.00%16.70%16.70%
藤岡康太 0- 1- 0- 1/ 20.00%50.00%50.00%
岩田康誠 0- 0- 2- 6/ 80.00%0.00%25.00%
四位洋文 0- 0- 1- 5/ 60.00%0.00%16.70%
藤岡佑介 0- 0- 1- 3/ 40.00%0.00%25.00%
田辺裕信 0- 0- 0- 3/ 30.00%0.00%0.00%
武士沢友 0- 0- 0- 3/ 30.00%0.00%0.00%
大野拓弥 0- 0- 0- 2/ 20.00%0.00%0.00%
石橋脩 0- 0- 0- 2/ 20.00%0.00%0.00%
畑端省吾 0- 0- 0- 1/ 10.00%0.00%0.00%
横山典弘 0- 0- 0- 1/ 10.00%0.00%0.00%
松田大作 0- 0- 0- 3/ 30.00%0.00%0.00%
和田竜二 0- 0- 0- 7/ 70.00%0.00%0.00%

強い馬が息長く活躍するダート路線だけあって、同一馬で荒稼ぎという例も多いが、川田・幸・ルメールは複数の馬で馬券からみ。帝王賞に向けてこのレースから乗り替わりとなるようなケースも想定されることも頭に入れておきたい。