【函館2歳ステークス】過去20年の傾向と分析

1969年に創設された2歳(当時の表記は3歳)限定の重賞レースで、その世代最初のJRA重賞となる。1994年のみダート1000mで実施されたが芝1200mの条件で定着している。なお、栄冠賞・ウィナーズチャレンジで1着となった地方所属馬には、このレースへの優先出走権が与えられるほか、当レースで1着となった地方所属馬には、阪神JF・朝日杯FS・ホープフルSのいずれかの出走資格が与えられるほか、2着以内の地方所属馬には札幌2歳ステークスへの出走権利が付与される。

函館2歳ステークス 過去レースのラップタイム

馬場20040060080010001200
200212.010.811.411.912.712.7
200312.111.011.812.312.712.3
200412.110.711.511.812.012.3
20051210.811.311.912.112.6
200612.0010.8011.411.712.312.1
200712.4011.3012.112.512.513.0
200811.9010.3011.412.012.412.7
200912.2010.6011.511.811.911.7
201012.1010.9012.012.012.012.2
201112.0010.6011.512.212.112.4
201212.0010.7011.412.111.712.5
201312.0010.4011.311.711.812.4
201412.1010.6011.412.011.912.2
201512.2010.6011.312.012.312.2
201611.7010.7011.111.612.012.1
201712.1010.7011.7011.6011.6012.30
201812.1010.6011.2011.7011.6012.20
201912.2010.4011.0011.5011.7012.40
202011.9010.5011.1011.6011.9012.80
202111.9010.4011.4012.0011.9012.30

2歳夏の重賞で押さえておきたいポイントは、重賞戦と新馬戦のラップタイムの出方の違い。新馬戦では短距離戦であっても「厳しすぎる流れ」になるケースは実は多くなく、道中ペースのへの適正の違いがレース結果に影響を与えるケースも少なくない。
函館2歳Sの平均ラップタイム(良馬場)と函館芝1200m(良馬場)で行われた新馬戦とを比較すると、函館2歳Sは、34.0→36.1で新馬戦は34.7→35.6で、前半3Fの平均タイムが0.6秒も早くなる。

1~3着馬の脚質分布

2歳の短距離戦ではスピードに優れた馬が強いのは当然で、「新馬戦を派手に逃げた快足馬」は人気になりやすいが、実際のレースでは逃げ馬は苦戦。新馬戦よりも遙かに厳しい流れとなる傾向が強いため「マークされる立場」よりは「マークする側」の方が基本的には有利(下記参照)。また、3着には中団以降からの馬が届きやすい傾向にあることも押さえておきたいポイント。

【参考】函館2歳ステークス 残り3F地点差ごとの着度数

前走脚質別の傾向

すでに触れたようにこのレースは逃げ馬は苦戦する傾向が強く、前走でも逃げていた馬よりは番手で競馬できた馬の成績の方が圧倒的に優れている。

函館2歳ステークス 枠番・馬番別の傾向

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率
1枠 3- 2- 1-23/29 10.3% 17.2% 20.7%
2枠 0- 0- 5-27/32 0.0% 0.0% 15.6%
3枠 2- 4- 3-24/33 6.1% 18.2% 27.3%
4枠 0- 2- 2-31/35 0.0% 5.7% 11.4%
5枠 2- 2- 1-28/33 6.1% 12.1% 15.2%
6枠 5- 4- 1-27/37 13.5% 24.3% 27.0%
7枠 5- 3- 2-27/37 13.5% 21.6% 27.0%
8枠 2- 2- 4-30/38 5.3% 10.5% 21.1%

馬番着別度数勝率連対率複勝率
1番  3-  2-  1- 13/ 1915.80%26.30%31.60%
2番  0-  0-  2- 17/ 190.00%0.00%10.50%
3番  0-  0-  3- 16/ 190.00%0.00%15.80%
4番  0-  0-  0- 19/ 190.00%0.00%0.00%
5番  0-  1-  2- 16/ 190.00%5.30%15.80%
6番  3-  4-  1- 11/ 1915.80%36.80%42.10%
7番  1-  2-  2- 14/ 195.30%15.80%26.30%
8番  0-  1-  1- 17/ 190.00%5.30%10.50%
9番  3-  1-  0- 14/ 1816.70%22.20%22.20%
10番  0-  2-  0- 15/ 170.00%11.80%11.80%
11番  2-  4-  2- 11/ 1910.50%31.60%42.10%
12番  4-  1-  0- 11/ 1625.00%31.30%31.30%
13番  1-  0-  3- 12/ 166.30%6.30%25.00%
14番  1-  0-  0- 12/ 137.70%7.70%7.70%
15番  1-  1-  0- 11/ 137.70%15.40%15.40%
16番  0-  0-  2-  8/ 100.00%0.00%20.00%
偶数  8-  8-  6-110/1326.10%12.10%16.70%
奇数 11- 11- 13-107/1427.70%15.50%24.60%
大外  1-  0-  4- 14/ 195.30%5.30%26.30%

内か外かでいえば「外目の枠」が優勢で他馬に包まれる・被されることなくスムーズにレースできるポジションをとれることが大事なレースといえる。その観点では行き場をなくしやすい2枠はレースのしづらい枠といえ実際にも連対馬がゼロ。
また、函館開催最終週に実施されるレースであることから4コーナーや直線の内側は荒れていることも少なくなく、当週のトラックバイアスにも注意しておきたい。

函館2歳ステークス 人気別の傾向

1番人気は過去20年で4勝、そのうち3勝が直近10年のもの。2・3着馬の勝利回数も加味すると「頭荒れ」の傾向は弱くなってきているといえる。他方、2・3着馬の人気分布はかなり広い。馬連・馬単を広めに流すか、ワイド・3連複といった買い方の方が無難なレース。

函館2歳ステークス 生まれ月・性別の傾向

生月着別度数勝率連対率複勝率
 4月生 8- 3- 5-70/869.30%12.80%18.60%
 3月生 7- 4- 7-71/897.90%12.40%20.20%
 2月生 2- 7- 2-46/573.50%15.80%19.30%
 1月生 2- 2- 3-12/1910.50%21.10%36.80%
 5月生 1- 4- 3-29/372.70%13.50%21.60%
 6月生 0- 0- 0- 2/ 20.00%0.00%0.00%
牝馬  11-  12-  8- 108/ 1397.90%16.50%22.30%

この時期のレースは「仕上がりの早さ(成長の早さ)」も重要なファクターの一つ。1月生まれの馬は頭数こと多くないものの単勝・複勝・単勝適正回収値のすべての回収値要素で100円超え。人気薄の1月生まれが出走していれば積極的に狙いたい。
また、牝馬は過去20年で11勝・2着12回で、性別による有意な優劣は認められない。

函館2歳ステークス 種牡馬別の傾向

上記は過去20回の勝ち馬の種牡馬一覧。サクラバクシンオー産駒が1勝3連対と好成績を残していて、いまでは母父サクラバクシンオー産駒の好走例も少なくない。打率的な観点でいえば、函館芝1200mを得意とするマツリダゴッホ産駒・キンシャサノキセキ産駒が狙い目。

函館2歳ステークス 騎手別の傾向

三浦が20年で2勝3連対(10年で1勝2連対)。また丹内、丸山も直近10年で2連対。他場から遠征したきたジョッキーよりも函館を主戦場としている騎手が好成績を残している傾向。

函館2歳ステークス 狙い馬のプロファイル

  • 前半3F34秒前半以下のペースを経験している馬
  • 1月生まれ&人気薄の馬
  • 前走上がり最速&外枠の馬