【中京記念】過去10年のレース傾向と分析

1953年に中京競馬の初開催を記念して行われた「中京開設記念」をはじまりとする重賞レースで、翌年から現行の「中京記念」に改称。創設当初は夏開催(8月)で実施されていたが、1957年から春開催の芝中距離(2000m)ハンデキャップ戦として行われていた。2012年からは現行の施行時期・距離での実施に変更されただけでなく、サマーマイルシリーズの第1戦(2020年からは第2戦)にも指定されている。なお、2021年・2021年は、京都競馬場改修工事にともなう変則開催の影響で小倉芝1800mで実施。
今回は、サマーマイルシリーズに指定された2012年以降の過去10年のレース結果に基づいてレース傾向を紹介。

中京記念 過去レースのラップタイム

馬場年度20040060080010001200140016001800
中京201212.411.211.711.712.111.711.412.9 
中京201312.911.511.311.511.511.311.711.8 
中京201412.511.211.812.212.411.712.213.1 
中京201512.511.211.011.711.811.411.612.2 
中京201612.311.411.811.711.811.211.511.9 
中京201712.411.111.211.612.111.311.312.2 
中京201812.110.711.011.511.711.711.612.0 
中京201912.411.311.611.411.311.411.912.3 
阪神202012.310.511.211.811.711.311.412.5 
小倉202112.511.312.112.012.011.611.511.511.7

2021年の舞台となる小倉芝1800mは平均ペースが淡々と続くロングスパート戦傾向の強いコース。2021年は前半ペースがややスローに流れたことでより早い上がりの求められるレース結果に。

中京記念 人気別の傾向

サマーマイルシリーズに指定された2012年以降の10年で1番人気は2勝・3着2回、連対率20%・複勝率40%は、ハンデGⅢをいうことを考慮に入れても物足りない数字。2・3番人気も10年で連対率20%・複勝率40%と人気サイドの信頼度は総じて低め。5~7番人気が合計6勝で配当妙味の面でも数の面でも「中穴サイド」を頭に据える馬券がよさそう。さらには、2019年には18番人気のメイケイダイハードが1着となっていて「頭から荒れる」傾向の高いレースといえる。
また、2着にも11番人気以下の馬が3回飛びこんでいて、3連単の難易度は高め。

中京記念 前走レース(ローテーション)別の傾向

パラダイ 2- 2- 0-10/1414.30%28.60%28.60%
京王杯スG2 2- 0- 1- 2/ 540.00%40.00%60.00%
米子S 1- 1- 2-11/156.70%13.30%26.70%
米子SH 1- 1- 0- 6/ 812.50%25.00%25.00%
安田記念G1 1- 1- 0-10/128.30%16.70%16.70%
NHKマG1 1- 1- 0- 5/ 714.30%28.60%28.60%
マーメイHG3 1- 0- 1- 3/ 520.00%20.00%40.00%
欅S 1- 0- 0- 0/ 1100.00%100.00%100.00%
米子S(L) 0- 1- 0- 6/ 70.00%14.30%14.30%
マイラーG2 0- 1- 0- 4/ 50.00%20.00%20.00%
谷川岳S 0- 1- 0- 3/ 40.00%25.00%25.00%
都大路S 0- 1- 0- 0/ 10.00%100.00%100.00%
エプソムG3 0- 0- 2- 9/110.00%0.00%18.20%
ヴィクトG1 0- 0- 1- 8/ 90.00%0.00%11.10%
安土城H(L) 0- 0- 1- 2/ 30.00%0.00%33.30%
湘南S1600 0- 0- 1- 0/ 10.00%0.00%100.00%
パラダイH 0- 0- 1- 0/ 10.00%0.00%100.00%
CBC賞HG3 0- 0- 0- 8/ 80.00%0.00%0.00%
朱雀SH1600 0- 0- 0- 1/ 10.00%0.00%0.00%
メイSH 0- 0- 0- 3/ 30.00%0.00%0.00%
パラダH(L) 0- 0- 0- 3/ 30.00%0.00%0.00%

パラダイスステークス組が4連対と好成績を残しているがリステッド昇格後は3頭全てが着外で今後の動向は注意しておく必要がある。サマーマイルシリーズシリーズということもあり、前走マイル戦からの組の活躍が目立つが1800mで実施された2021年は、2000mの前走マーメイドS組が1・3着。小倉芝1800mは中京芝1600mよりも持久力の求められるロンスパ戦傾向が強いため傾向の異なるコースであることは押さえておきたい。

中京記念 年齢・性別の傾向

年齢着別度数勝率連対率複勝率
3歳  1-  1-  0-  7/  911.10%22.20%22.20%
4歳  0-  0-  4- 14/ 180.00%0.00%22.20%
5歳  6-  7-  3- 47/ 639.50%20.60%25.40%
6歳  3-  1-  3- 31/ 387.90%10.50%18.40%
7歳  0-  1-  0- 21/ 220.00%4.50%4.50%
8歳  0-  0-  0-  8/  80.00%0.00%0.00%
牝馬  1-  2-  2-  24/ 293.40%10.30%17.20%

3歳馬の2連対は2019年のグルーヴィット・クリノガウディの1・2着でそれ以外の年は馬券絡みがなく基本的には劣勢。この2頭はいずれも世代限定重賞での連対経験があり前走もNHKマイルCで少なくとも世代の中での重賞実績は求めておきたい。馬券の中心は出走頭数も勝ち馬・連対数も最も多い5歳馬。4歳馬が不振の結果になっている点にも注目しておきたい。
牝馬は、マイル戦の過去9回では劣勢傾向だったが1800mに距離が伸びた2021年は1・3着。

中京記念 負担重量(斤量)別の傾向

最も成績が良いのは馬齢負担(古馬牡馬57kg)と同斤量の組。優勢そうにみえるそこから1kg恵まれた組は人気の割には走らない傾向が強く頭からは買いづらい。また、前走斤量との比較では「斤量増」の方が圧倒的に強いレース。前走から斤量増になりづらいタイプのハンデ重賞でもあるので該当する馬がいれば積極的に狙いたい(下記参照)。

【参考】前走斤量との差別着度数

中京記念 種牡馬別の傾向

ディープインパクト産駒が2勝3着3回と5回の馬券絡み。ただ単勝5倍以下での馬券絡みはそのうち2例に過ぎず人気サイドでの配当妙味は低め。また切れるタイプよりもタフなタイプの産駒を出す傾向の強い種牡馬の名前が多いことも押さえておきたいポイント。

中京記念 騎手別の傾向

騎手着別度数勝率連対率複勝率
高倉稜 2- 0- 0- 1/ 366.70%66.70%66.70%
福永祐一 1- 2- 2- 3/ 812.50%37.50%62.50%
M.デムー 1- 0- 1- 3/ 520.00%20.00%40.00%
松山弘平 1- 0- 0- 7/ 812.50%12.50%12.50%
川田将雅 1- 0- 0- 5/ 616.70%16.70%16.70%
酒井学 1- 0- 0- 6/ 714.30%14.30%14.30%
津村明秀 1- 0- 0- 2/ 333.30%33.30%33.30%
田辺裕信 1- 0- 0- 1/ 250.00%50.00%50.00%
田中勝春 1- 0- 0- 0/ 1100.00%100.00%100.00%
小牧太 0- 2- 0- 4/ 60.00%33.30%33.30%
太宰啓介 0- 2- 0- 2/ 40.00%50.00%50.00%
浜中俊 0- 1- 1- 5/ 70.00%14.30%28.60%
秋山真一 0- 1- 0- 2/ 30.00%33.30%33.30%
森裕太朗 0- 1- 0- 0/ 10.00%100.00%100.00%
藤岡佑介 0- 1- 0- 0/ 10.00%100.00%100.00%
和田竜二 0- 0- 1- 6/ 70.00%0.00%14.30%
川須栄彦 0- 0- 1- 2/ 30.00%0.00%33.30%
戸崎圭太 0- 0- 1- 1/ 20.00%0.00%50.00%
横山典弘 0- 0- 1- 1/ 20.00%0.00%50.00%
森一馬 0- 0- 1- 0/ 10.00%0.00%100.00%
池添謙一 0- 0- 1- 0/ 10.00%0.00%100.00%
藤岡康太 0- 0- 0- 5/ 50.00%0.00%0.00%

高倉の2勝はいずれもフラガッハ(2012年・2013年)によるもの。他では中京の福永が10年で5回の馬券絡み。北海道シリーズの重賞とは異なり、他場を主戦場にしている騎手の馬券絡みも少なくない。