AJCC 過去レースの傾向・狙い馬プロファイル

レースの正式名称は「アメリカンジョッキークラブカップ」で、優勝杯がニューヨークジョッキークラブから贈呈されたことに由来するもの。1月中山開催の風物詩ともいえる伝統の中距離古馬GⅡ戦。2200mという非根幹距離で実施されるだけでなく、中山外回りというトリッキーなコースに、時には雪の影響を受ける難しい馬場コンディションと、予想を難しくさせるファクターの多いレースでもある。

【AJCC】過去レースのラップタイム

中山芝2200mコースは外回りコース2コーナーを過ぎてからの下り勾配を利用して加速の続くロングスパート戦となる傾向が強く、AJCCの平均ラップはまさに「加速型ロンスパ戦」の典型。また、秋開催に同コースで行われるオールカマーとの比較よりも時計がややかかる傾向にある(※秋の中山は高速馬場)ことも特徴のひとつ。

1~3着馬の脚質分布

加速型のロンスパ戦は、中団以降の馬も追走のためになし崩し的に脚を使わされやすくなる点に注意が必要。そういう意味では簡単にはバテない先行馬が有利といえる。また、AJCCはCコースでの実施となることが多いため、3・4コーナーを(加速しながら)外を廻る負担も大きく隊列の長さ(内外の有利不利の大きさ)も事前に予測しておきたいところ。

AJCC 枠番・馬番別の傾向

ほぼフラットといえるが内はやや不利で「動きたいときに動けるポジション」を取れるゲートがよいコース

【AJCC】人気別の傾向

過去20年→過去10年では1番人気・2番人気共に信頼度が低下していて「荒れ傾向」が強くなっている。中山2200mコースらしく2・3着は展開上の利の大きかった人気薄が激走するケースも少なくない。

AJCC 前走レース(ローテーション)別の傾向

前走有馬記念組が圧倒的に優勢で過去20年で6勝、前走菊花賞組が1勝2着5回と強いメンバーと戦ってきた馬が順当に馬券になる傾向の強いレース。前走G1組に関してはその着順は度外視してOK。中山金杯組は、過去20年では4勝をあげているが、直近10年にかぎれば2着3着が1回ずつあるのみで劣勢傾向にシフトしている点は覚えておきたい。

AJCC 年齢・性別の傾向

フレッシュな明け4歳馬が人気になりやすいレースではあるが、実際には古馬の壁が厚いというケースの方が多い。たとえば、1・2着馬が4歳→4歳の組み合わせは、過去10年で2回(2021年・2018年)しかない。特に1月開催は、年齢表記のイメージだけで高齢馬を必要以上に割り引いてしまいやすいことにも注意しておくべきで、回収率の面でも4歳より6歳・7歳馬の方が期待値が高い。

牝馬は劣勢

層の厚い中距離戦線&タフなコース設定ということもあり牝馬の苦戦傾向が顕著で過去20年馬券絡みがゼロ。出走頭数自体も多くないが人気のない馬ばかりというわけでもないことは覚えておきたいポイントの一つ。

AJCC 負担重量(斤量)別の傾向

牡馬57kg・牝馬55kgを基準斤量とするグレード別定(2022年までは牡馬56kg・牝馬54kgが基準斤量)

全体傾向としては、背負わされた馬の方が素直に強いレース。ただ、斤量差のつきづらいメンバー構成になることも多く、回収率という観点では+2kg(馬齢重量+1kg)の超実績馬(G1馬)以外に妙味のあるゾーンがない。

AJCC 種牡馬別の傾向

瞬発力よりも中距離ロングスパート戦に強いタイプの種牡馬が多くならぶ。また、中山芝2200mコースはリピーター傾向の強いコースであることも覚えておきたい。特に注意しておきたいのはステイゴールド・オルフェーヴル・ゴールドシップ(・ドリームジャーニー)のライン。

AJCC 騎手別の傾向

横山典が5勝で現役ジョッキーではぬけた成績。トリッキーなコースだけにベテランジョッキーの検討が目につく。


AJCC 狙い馬のプロファイル

  • 中山芝2200mに実績のある馬(コース巧者・リピーター)
  • 前走有馬記念6着以下の馬(有馬記念の負けで人気を落とした馬)
  • 横山典騎乗馬