オールカマーは、中山芝2200mで行われる秋のG2です。
中山芝2200mのコース形状・坂・標準ラップを先に確認したい方は、中山芝2200m コース特徴・ラップ傾向もあわせてご覧ください。
このページでは2006~2025年の過去20開催を対象に、人気・枠・年齢・前走・配当といった基本データに加え、P6_PACE50、200mラップ、残り600m地点の位置取り、上がり3Fを重ねてレース構造を見ていきます。
なお、2014年は新潟開催です。過去20年の結果や人気・年齢・前走・配当には含めますが、中山芝2200mのコース形態に依存するペース・ラップ・枠・位置取り分析では除外します。
オールカマー 過去20年の結果
| 年 | 開催 | 馬場 | 勝ち馬 | 人気 | 単勝オッズ | 残600m順位 | 上がり3F順位 | 単勝配当 | 3連単 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2006 | 中山 | 良 | バランスオブゲーム | 4 | 5.5 | 4 | 9 | 550円 | 21,440円 |
| 2007 | 中山 | 良 | マツリダゴッホ | 1 | 2.3 | 6 | 3 | 230円 | 16,740円 |
| 2008 | 中山 | 良 | マツリダゴッホ | 1 | 1.4 | 6 | 1 | 140円 | 13,780円 |
| 2009 | 中山 | 良 | マツリダゴッホ | 3 | 4.6 | 1 | 7 | 460円 | 4,830円 |
| 2010 | 中山 | 良 | シンゲン | 5 | 7.3 | 4 | 3 | 730円 | 13,170円 |
| 2011 | 中山 | 良 | アーネストリー | 1 | 1.4 | 3 | 3 | 140円 | 6,120円 |
| 2012 | 中山 | 重 | ナカヤマナイト | 2 | 3.1 | 4 | 1 | 310円 | 31,940円 |
| 2013 | 中山 | 良 | ヴェルデグリーン | 9 | 38.0 | 13 | 1 | 3,800円 | 64,420円 |
| 2014 | 新潟 | 良 | マイネルラクリマ | 2 | 7.2 | 2 | 9 | 720円 | 255,930円 |
| 2015 | 中山 | 良 | ショウナンパンドラ | 3 | 7.6 | 9 | 1 | 760円 | 24,060円 |
| 2016 | 中山 | 良 | ゴールドアクター | 1 | 2.0 | 6 | 3 | 200円 | 8,070円 |
| 2017 | 中山 | 良 | ルージュバック | 5 | 7.8 | 4 | 7 | 780円 | 20,150円 |
| 2018 | 中山 | 良 | レイデオロ | 1 | 2.0 | 8 | 1 | 200円 | 1,640円 |
| 2019 | 中山 | 良 | スティッフェリオ | 4 | 11.2 | 1 | 6 | 1,120円 | 54,310円 |
| 2020 | 中山 | 稍重 | センテリュオ | 5 | 9.1 | 7 | 1 | 910円 | 21,480円 |
| 2021 | 中山 | 良 | ウインマリリン | 2 | 4.7 | 3 | 1 | 470円 | 21,980円 |
| 2022 | 中山 | 良 | ジェラルディーナ | 5 | 19.5 | 5 | 1 | 1,950円 | 246,180円 |
| 2023 | 中山 | 良 | ローシャムパーク | 4 | 5.6 | 5 | 3 | 560円 | 24,340円 |
| 2024 | 中山 | 良 | レーベンスティール | 1 | 1.5 | 6 | 2 | 150円 | 81,650円 |
| 2025 | 中山 | 良 | レガレイラ | 1 | 3.3 | 6 | 1 | 330円 | 7,740円 |
過去20年から見える3つの特徴
1. 「毎年スローからの瞬発戦」ではない
2014年を除く中山19開催を見ると、オールカマーのレース構造には幅があります。
P6_PACE50の中央値は49.43。最終MACROはFAST 8回、NORMAL 8回、SLOW 3回でした。
つまり、毎年同じように道中が緩み、直線だけで速い脚を使う重賞ではありません。中盤から速くなる年、終盤まで高速域を維持する年、最後に減速する年が混在しています。
オールカマーを「中山2200mだからロングスパート」とだけ固定して読むのではなく、その年にどこから速度要求が高まったかを見る必要があります。

2. 勝ち馬は「残り600mで前」より「上がり上位」が多い
中山19開催の勝ち馬を見ると、残り600m地点で3番手以内だった馬は4頭です。
一方、上がり3F順位が3位以内だった勝ち馬は15頭。勝ち馬の中央値も、残り600m地点は5位に対し、上がり3F順位は2位でした。
3着以内57頭まで広げても、残り600m地点3位以内は14頭なのに対し、上がり3F3位以内は33頭です。
つまりオールカマーでは、早い段階で前にいることだけではなく、そこから他馬より高い終盤性能を残すことが結果へつながってきました。

3. 直近5年は終盤上位型がさらに明瞭
2021~2025年の勝ち馬は、ウインマリリン、ジェラルディーナ、ローシャムパーク、レーベンスティール、レガレイラ。
残り600m地点は3、5、5、6、6位に分散していますが、上がり3F順位は1、1、3、2、1位。5頭すべてが上がり3F3位以内です。
長期19開催でも上がり上位型は多いため、これは直近5年だけ突然生まれた傾向ではなく、長期傾向が近年さらに明瞭になった形と読めます。

人気別の傾向
過去20年では、1番人気が20頭で7勝、3着以内13頭。3着内率は65.0%でした。
2番人気は3勝・3着以内10頭、3番人気は2勝・3着以内8頭。さらに4~5番人気は40頭で7勝しています。
1~5番人気だけで20回中19勝。例外は2013年の9番人気ヴェルデグリーンだけです。
10番人気以下は94頭が出走して勝利がなく、3着以内も3頭でした。

枠順の傾向
枠順は2014年新潟開催を除く中山19開催で集計します。
最多勝は3枠と7枠で、それぞれ4勝。3着内率では1枠29.2%、2枠31.0%、3枠30.0%で、内側3枠は比較的安定しています。
一方、7枠は4勝しており、8枠からも2勝。単純に「外枠不利」と固定できる分布ではありません。

年齢別の傾向
4歳馬は52頭が出走して9勝、3着以内21頭。3着内率は40.4%です。
5歳馬は94頭で6勝・3着以内22頭、6歳馬は60頭で3勝・3着以内11頭、7歳馬は38頭で2勝・3着以内6頭でした。
8歳以上は28頭が出走し、過去20年では3着以内がありません。

脚質だけでは「前有利」と言い切れない
中山19開催では、先行馬が70頭で10勝・3着以内24頭。差し馬も87頭で6勝・3着以内24頭でした。
ただし先行して勝った10頭のうち8頭は、上がり3Fも3位以内です。
「前にいたから勝った」というより、前方から運びながら終盤でも高いResponseを残した馬が勝っているケースが多くなっています。
2013年ヴェルデグリーンは残り600m地点13位から上がり1位で勝利。2020年センテリュオも後方から上がり1位で差し切りました。

前走パターンの傾向
過去20年で最も目立つのは宝塚記念組です。
宝塚記念から出走した25頭は6勝、3着以内13頭。3着内率は52.0%でした。
札幌記念組は28頭で3勝・3着以内8頭。天皇賞(春)組は14頭で2勝・3着以内4頭。七夕賞組も14頭から1勝・3着以内4頭です。
一方、新潟記念組は27頭出走して勝利がなく、3着以内は2頭でした。
前走着順では1~3着馬が9勝ですが、10着以下からも4勝しています。2025年レガレイラも宝塚記念11着からの巻き返しでした。
前走着順だけを足切り条件にせず、そのレースでどの位置にいて、どの終盤Responseを示したかまで確認する必要があります。

過去20年の配当
払戻中央値は、単勝510円、馬連1,295円、馬単2,615円、3連複4,885円、3連単21,460円でした。
3連単の最高配当は2014年新潟開催の255,930円。中山開催では2022年の246,180円が最高です。
上位人気馬の勝利が多い一方、相手関係によっては大きく配当が跳ねる年もあります。

200mラップから見るオールカマーの勝負所
中山19開催の200m区間中央値は、残り1000mから11.9秒 → 11.8秒 → 11.6秒 → 11.5秒 → 12.0秒。
残り1000m付近から段階的に速度を上げ、残り400~200mで最も速い水準へ到達し、最後の200mで減速する形です。
直線に入ってから一瞬だけ加速する競走というより、向正面後半から3~4コーナーを経て長く速度を高め、その状態を直線まで維持する形になりやすいことが分かります。
この動きをコース全体の標準ラップや高低差とあわせて確認すると、オールカマーで向正面後半から長く速度を上げる意味がより分かりやすくなります。詳しくは中山芝2200m コース特徴・ラップ傾向で解説しています。

同じ中山芝2200mでも、毎年同じ勝ち方にはならない
中山19開催で最終MACROがFASTだった年は8回、NORMALも8回、SLOWは3回。
速い終盤になった年だけを拾っても、前方から押し切った馬と後方から差した馬の両方が存在します。
重要なのは単純な「差し有利」「先行有利」ではなく、その年にどの位置から終盤の速度要求へ入ったかです。
前方にいれば終盤でどこまで速度を残せるか。中団・後方にいれば、前との差を埋められるだけのResponseを出せるか。オールカマーではこの組み合わせが勝ち方を分けています。
オールカマーで問われてきたもの
過去20年をまとめると、オールカマーは単純な「中山巧者」「先行馬有利」で説明できるレースではありません。
中山19開催では、勝ち馬19頭のうち15頭が上がり3F3位以内。一方、残り600m地点3位以内の勝ち馬は4頭です。
さらに2021~2025年の勝ち馬は5頭すべてが上がり3F3位以内でした。
過去傾向から読むうえでは、「どこまで前に行けるか」だけでなく、「その位置から最後にどれだけ高い終盤性能を残せるか」を重視する必要があります。
FAQ
オールカマーは先行馬が有利ですか?
中山19開催では先行馬が10勝しており、勝利数では最多です。ただし先行して勝った10頭のうち8頭は上がり3Fも3位以内でした。前にいるだけではなく、そこから終盤性能を残すことが重要です。
オールカマーで上がり3Fは重要ですか?
中山19開催の勝ち馬19頭中15頭が上がり3F3位以内でした。2021~2025年の勝ち馬は5頭すべてが上がり3F3位以内です。
オールカマーで好走が多い年齢は?
2006~2025年では4歳馬が52頭で9勝、3着以内21頭。3着内率40.4%でした。
オールカマーで成績が良い前走は?
過去20年では宝塚記念組が25頭で6勝、3着以内13頭。3着内率52.0%でした。ただし前走10着以下からも4勝しており、着順だけでは判断できません。
オールカマーは荒れやすいですか?
勝ち馬は20回中19回が1~5番人気で、10番人気以下の勝利はありません。3連単中央値は21,460円です。ただし2014年255,930円、2022年246,180円など大きく荒れた年もあります。
2014年のデータはどう扱っていますか?
2014年は新潟開催です。結果・人気・年齢・前走・配当には含めていますが、中山芝2200m固有のペース・ラップ・枠・位置取り分析では除外しています。