新潟競馬場 馬券検討のポイントは3・4コーナー

今週からはじまる新潟開催。新潟競馬場といえば千直コースがあることから「広い」というイメージをもっている人もいるかもしれませんが、実際には新潟競馬場は「ものすごく小さいコース」というお話。
それぞれのコース形態の違いは、展開などにも大きな影響を与える重要なポイント。そこで、今回は、3・4コーナーの違いを中心に「新潟競馬場のサイズ」について解説していきます。

新潟競馬場は「横長」の競馬場

新潟競馬場は2001年に終了した改修工事によって千直コース(外回りコース)が設けられたことで大きく様変わりしました。それまでの平坦・小回りという典型的なローカル競馬場から、広々としたコースへ生まれ変わったというイメージを持っている人も多いかもしれません。
しかし、千直コース(外回りコース)の増設は、競馬場を横に伸ばすことによって行われたもので、奥行き(正面スタンド前のホームストレートと向正面との距離)には変更がありません。つまり、「新潟競馬場は非常に横に長い競馬場」ということになります。

東京競馬場との比較

上の2の写真は、東京競馬場(上)・新潟競馬場(下)の同縮尺でグールグマップから切り抜いたものを並べたものです。少しわかりづらいかもしれませんが、新潟競馬場のダートコースは、東京競馬場の内馬場にすっぽり収まるくらいのサイズでしかありません。すでに触れたように、新潟芝外回りコースは従来の内回りコースを横に延ばすことで創設(増設)されたコースなので、外回り2000mではコース全体の80%が直線区間という極端なコースレイアウトになっていますし、コース全体の直線比率とレース時計(区間ラップ)の早さには一定の相関関係があります。

競馬場の奥行きとコーナーの角度

競馬場の形状が「横に長い」ということは、相対的には奥行きの狭い競馬場ということになりますが、新潟競馬場の場合には、相対的に狭いということにとどまらず「絶対値としても奥行きの狭い競馬場」という点も大きな特徴です。各競馬場のホームストレートの内ラチから向正面ストレート内ラチまでの直線距離でも新潟競馬場はJRA全10競馬場で最も短いコースとなるからです。
ホームストレートから向正面までの直線距離は競馬場の各コーナーの曲がり角の鋭さと相関関係があります。つまり、新潟競馬場は「最も急なカーブ」の競馬場であるということになります。

上の図は、左(内)から順に、新潟競馬場ダートコース、中京競馬場ダートコース、東京競馬場ダートコースの3~4コーナーを同縮尺でイメージ化したものです。この比較だけでも「新潟競馬場が小さい競馬場」であることがよくわかります。

コーナーの厳しさがレース結果に与える影響

当然それぞれのコーナーが急になるほど、「馬がコーナーを曲がる速度」も遅くなるため、レースの展開には次のような影響を与える可能性が高くなるといえます。

  • 逃げ馬が最後の直線に脚を残しやすくなる(3・4コーナーで一息入れられる)
  • ペースが落ちて馬群が詰まった場合には外をまわる馬の距離ロスが大きくなる
  • 後ろから前にとりつくために速度を上げることが難しい(速度をあげすぎればコーナーで大きく外に膨らむ)

3・4コーナーへのスパイラルカーブの採用は上記のような展開上の有利不利を相対化するための措置といえますが、特に「小回りの度合いが強い」だけでなく直線距離も短く平坦な新潟ダートコース(や芝内周りコース)の場合には、それでもなお逃げ・先行馬の優位性が強く残るといえます。特に新潟開催は番組編成的にも「どんぐりの背比べ」のメンバー構成になることも多く「展開的な利」の有無がレースの結果を直接左右するケースも多くなると考えられます。

リピーター・専用機に注意

また新潟競馬場のように強いバイアスのあるコースでは「専用機(リピーター)」の少なからず存在しますので、過去の出走レースも普段以上に念入りに行うことで思わぬ穴馬候補に巡り会えるかもしれません。

コース概要 ・芝コース  Aコース(内1623m/外2223m 幅員25m)  Bコース(内1648m/外2248m 幅員2...