かしわ記念 過去20年の傾向

船橋競馬(千葉県営競馬)が主催する地方交流GⅠレース。レース名は、千葉県営競馬がかしわ競馬場ではじまったことに由来する。2005年からGⅠに格上げされ春シーズンのダートマイル路線の頂点を決めるレースとして定着している。

船橋競馬場1600mの特徴

  • 正面スタンド前直線からスタートしてコースを1周するコース(船橋外回りコースは1周1400m)
  • スタートから1コーナ-までは254m
  • 高低差は平坦
  • 南関東では唯一スパイラルカーブを採用
  • ゴールまでの直線距離は308m

かしわ記念 過去レースのラップタイム

2004006008001000120014001600
200211.711.112.312.211.911.912.612.8
200312.111.312.112.511.912.412.713.2
200412.511.812.612.611.912.113.013.2
200512.211.512.212.311.912.412.512.9
200612.211.812.512.211.912.612.413.0
200712.111.512.612.412.211.912.612.1
200811.911.612.112.511.912.212.912.5
200911.311.012.412.512.412.412.011.9
201012.211.612.512.011.911.912.212.5
201112.211.412.212.512.211.912.413.4
201211.911.312.212.211.911.712.113.2
201312.011.712.512.012.011.612.513.5
201412.812.212.912.512.211.912.312.4
201512.111.212.312.612.011.811.813.6
201612.711.912.612.312.412.112.512.7
201712.411.812.412.312.612.412.913.1
201812.511.812.312.712.412.012.612.9
201912.212.012.813.012.211.812.613.6
202012.611.712.512.812.712.012.012.3
202112.012.012.312.112.012.212.913.8

船橋1600mは地方競馬の中では時計の早いコースの一つで前半3Fの時計は通常開催でも早め。かしわ記念では中央勢(のトップクラス)が参戦することでそのラップが後半まで続くという点で厳しさがます。一般的には地方の競馬場でのレースらしく上がりのかかる傾向がみてとれるが年によっては2014年・2020年のように良馬場であっても早い上がりが求められるようなコンディションになることもあり当日の馬場状態には気を配っておきたい。

フェブラリーSとの比較

船橋1600mの時計が早いといってもコース形態の違い(船橋は1周コース・東京はワンターンコースでスタートから3コーナーまで600m以上)から東京ダート1600の早さには到底かなわない。また、「東京よりも上がりがかかる」という点も一つの特徴で、このあたりのラップ傾向の違いが「フェブラリーS大敗馬の巻き返し」の要因になっているとも考えられる。

かしわ記念 所属別の傾向

過去20年ではJRA15勝、地方所属馬5勝とJRA所属馬が優勢。3着までの馬に拡げてもJRA所属45頭・地方所属馬15頭。とはいえ、他の交流G1(重賞)との比較では地方所属馬が健闘しているレースといえる。なお、地方所属馬で勝ち馬となった馬はすべて地元である「船橋所属馬」。また、南関東所属以外では笠松所属馬が2頭2着しているが2004年以降は馬券絡みがない。

かしわ記念 人気別の傾向

1番人気は20年で4勝2着5回3着5回で複勝率は70%。しかし、2010年のエスポワールシチーの勝利を最後に勝ちがなく11連敗中。地方交流重賞の1番人気は単勝1倍台になるケースが少なくないことも考えると少し物足りない結果。他方2番人気は9勝で複勝率70%。頭固定で馬券を組むのであれば2番人気からという傾向。
なお、10番人気以下の馬券がらみはなく、船橋所属馬が勝った5回も1・4・1・2・2番人気。地方所属全く人気のない馬の激走はあまり期待できない。

かしわ記念 前走レースの傾向

中央所属馬は、フェブラリーSからのローテーションが主流で、「フェブラリーSで大敗した馬がかしわ記念で巻き返す」というケースが少なくないことに注意。2020年のワイドファラオ(フェブラリーS12着→かしわ記念1着)のように二桁着順からの巻き返し例も多いため「フェブラリーSの結果は参考にしない」というくらいに考えておいた方がよさそう。これに次ぐ前走マーチSからの臨戦も二桁着順からの巻き返しがあり、前走着順だけで判断するのは危険。
地方所属馬は、かつては同じ船橋競馬場で行われるダイオライト記念からの組が主流だったが、距離体系を意識した重賞体系が整備された今となっては主流とは言いづらいローテーション。現在の番組編成では3月に当レースと同じ舞台(船橋1600m)実施される京成盃グランドマイラーズが重要なステップレースといえ、そこで好内容・好時計で走った馬であれば本番でも十分通用する。

なお、かしわ記念、南部杯(マイルチャンピオンシップ)、フェブラリーSで周回コースで実施されるのはかしわ記念のみ。そのような事情もあってかリピーター率の高いレースであることも頭にいれておきたい。

かしわ記念 過去20年の傾向と分析 まとめ

  • 11秒台~12秒台のラップが続く厳しい流れ
  • 上がり3Fの年による偏差が大きい
  • 1番人気が11連敗中
  • JRA所属馬が優勢も地元船橋所属の馬には要注意
  • 前走フェブラリーS・マーチS・京成盃グランドマイラーズ
  • 前走大敗馬の巻き返しに要注意
  • リピーターのチェックを忘れずに

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