菊花賞 過去傾向

菊花賞は3歳クラシック最終戦として行われる芝3000mのGⅠです。このページでは2006~2025年の20開催を対象に、人気や前走だけでなく、3000m全15区間のラップ、中盤1800m、残り600m地点の位置取り、上がり3Fから「どのような勝ち方が成立してきたか」を見ます。2021・2022年は阪神開催のため、京都コース固有の分析からは除外します。コース形態は京都芝3000mコース解説で確認できます。

先に結論

  • 京都18開催の勝ち馬18頭中16頭が上がり3F3位以内。15頭は残り600m地点で先頭から0.6秒以内かつ上がり3F3位以内でした。
  • 中盤が速い8開催では勝ち馬の残り600m順位中央値が3.5位。中盤が緩い4開催では6.5位で、中盤ペースによって勝負どころでの位置取りが変わっています。
  • 良馬場では、中盤が緩い開催の最後800m中央値は47.00秒、勝ち馬の上がり3F中央値は34.25秒。中盤が速い開催は47.50秒、35.20秒で、同じ「上がり上位」でも求められる脚の質が違います。
  • 勝ち馬の前走は神戸新聞杯が長期12/20勝ですが、近10年では4/10勝。近10年は前走ルートの分散が進んでいます。

目次

過去結果一覧

年開催勝ち馬人気前走残り600m上がり3F単勝3連単
2006京都ソングオブウインド8神戸新聞杯14位1位4,420円144,520円
2007京都アサクサキングス4神戸新聞杯4位7位840円27,890円
2008京都オウケンブルースリ1神戸新聞杯7位2位370円523,990円
2009京都スリーロールス8野分特別4位3位1,920円316,950円
2010京都ビッグウィーク7神戸新聞杯2位8位2,320円338,840円
2011京都オルフェーヴル1神戸新聞杯6位2位140円2,190円
2012京都ゴールドシップ1神戸新聞杯3位1位140円12,450円
2013京都エピファネイア1神戸新聞杯2位2位160円11,750円
2014京都トーホウジャッカル3神戸新聞杯3位2位690円59,220円
2015京都キタサンブラック5朝日杯セントライト記念8位1位1,340円38,880円
2016京都サトノダイヤモンド1神戸新聞杯7位1位230円69,380円
2017京都キセキ1神戸新聞杯11位1位450円559,700円
2018京都フィエールマン7ラジオNIKKEI賞6位1位1,450円100,590円
2019京都ワールドプレミア3神戸新聞杯7位3位650円23,510円
2020京都コントレイル1神戸新聞杯5位2位110円8,740円
2021阪神タイトルホルダー4朝日杯セントライト記念1位6位800円79,560円
2022阪神アスクビクターモア2朝日杯セントライト記念2位4位410円30,010円
2023京都ドゥレッツァ4日本海ステークス3位1位730円12,380円
2024京都アーバンシック2朝日杯セントライト記念3位3位370円19,390円
2025京都エネルジコ1農林水産省賞典 新潟記念6位1位380円140,270円

人気と枠はどうだったか

人気

1番人気は20頭で8勝、3着以内13頭。10番人気以下の勝利はありません。

人気は基本データとして確認しますが、菊花賞の勝ち方を説明する中心は3000mの流れと終盤の位置取りです。

枠

京都18開催では2枠と7枠が各4勝、1枠が3勝。4枠は36頭で0勝、3着以内2頭でした。

枠順は京都開催だけで集計し、2021・2022年阪神は混ぜていません。

前回の記事に引き続き「コースロスによるタイムロス」のお話。今回は、前回の記事で例にあげた千直コースよりももっとシビアなロスが発生するコーナ...

3000mラップから見る勝負所

京都18開催の200m区間中央値では、最も緩むのが残り1800→1600mの13.10秒です。

その後も中盤は12秒台後半が続きますが、残り1000→800mの12.70秒から、残800→600mで12.00秒へ一気に速くなり、残600→400mは11.75秒まで上がります。

つまり菊花賞は、最後600mに入ってから突然スパートする形ではありません。残り800m付近で再加速が始まり、そこから長く速度を維持するのが京都3000mの基本形です。

中盤1800mが勝ち方をどう変えるか

中盤1800mは、生の秒数だけで速い・遅いを決めません。不良馬場では時計自体が遅くなるため、各馬場状態の過去分布に対して「速い・標準域・緩い」の3つに分けます。

中盤の状態開催数勝ち馬・残り600m順位中央値残り600m5番手以内で勝利勝ち馬・上がり3F順位中央値上がり3位以内で勝利
中盤が速い83.5位5/82.0位8/8
標準域65.5位3/61.0位5/6
中盤が緩い46.5位1/41.5位3/4

中盤が速い開催では、勝ち馬の残り600m順位中央値は3.5位。中盤が緩い開催では6.5位です。

一方、上がり3F3位以内は中盤が速い8開催で8/8、中盤が緩い4開催でも3/4。中盤が締まるほど勝負どころまでに前へ取り付く形が増え、中盤が緩むと後ろからでも届く余地が広がるものの、最後は上位の上がりが必要という組み合わせになっています。

良馬場では、中盤が緩いほど終盤の絶対時計が速い

絶対時計は馬場状態の影響を受けるため、良馬場15開催だけを比べます。

中盤の状態良馬場開催数最後800m中央値勝ち馬・上がり3F中央値
中盤が速い747.50秒35.20秒
標準域447.55秒35.10秒
中盤が緩い447.00秒34.25秒

中盤が緩い開催では、最後800mも勝ち馬の上がり3Fも速くなっています。

2018年フィエールマンは中盤が緩い年で、最後800m46.4秒、上がり33.9秒の1位。道中で残した脚を、残り800mからの高速持続戦へ切り替えています。

2012年ゴールドシップは中盤が速い年で、最後800m48.3秒、上がり35.9秒。それでも上がり1位でした。長い中盤区間から速い流れを受けた後、他馬より失速を小さく抑えた上がりです。

同じ「上がり1位」でも、どの中盤ペースの後に出た上がりなのかで意味は変わります。

勝ち馬はどの位置から、どの上がりを使ったか

京都18開催の勝ち馬18頭中16頭が上がり3F3位以内でした。

また16頭は残り600m地点で先頭から0.6秒以内、15頭は「0.6秒以内+上がり3F3位以内」の両方を満たしています。

ただし位置取りは毎年同じではありません。中盤が速い開催では残り600mまでに前へ取り付く勝ち馬が増え、中盤が緩い開催では後ろからでも届く形が増えています。

3着以内馬全体を位置取りと上がりで見ると、好走パターンは一つではありません。京都再開後の2023~2025年勝ち馬は、ドゥレッツァ3番手・上がり1位、アーバンシック3番手・3位、エネルジコ6番手・1位でした。

過去20年と近10年で変わった前走ルート

勝ち馬の位置取りと上がりは、京都18開催全体と京都条件内の直近10開催で大きくは変わっていません。

  • 勝ち馬の残り600m順位中央値:5.5位 → 6.0位
  • 勝ち馬の上がり3F順位中央値:2.0位 → 1.0位

変化が大きいのは前走ルートです。

神戸新聞杯組は過去20年で12/20勝を占めますが、2016~2025年の近10年では4/10勝です。セントライト記念が3勝、ラジオNIKKEI賞・日本海S・新潟記念からも各1勝が出ています。

さらに京都開催が戻った2023~2025年は、日本海S、セントライト記念、新潟記念と3年すべて異なる前走でした。

長期では神戸新聞杯が最大ルートですが、近10年は「神戸新聞杯一辺倒」ではなく、勝ち馬の前走経路が分散していると読む方が現在の分布に合っています。

配当

過去20年の中央値は、単勝550円、馬連2,400円、馬単4,970円、3連複9,070円、3連単49,050円です。

3連単の最高は2017年の559,700円でした。

菊花賞で問われてきたもの

菊花賞で出走馬を比較するときは、上がり3Fの絶対時計を先に見るのではなく、どの中盤ペースを経験し、その後の加速へどの位置から入れるかを確認します。

中盤が締まる形では、残り600mまでに前へ取り付いてなお上位の上がりを使えるか。中盤が緩む形では、残り800mから始まる高速の持続戦へ切り替えられるか。この2つでは必要な走り方が違います。

見る順序は、

  1. 中盤1800mでどれだけ負荷を受けたか
  2. 残り800mの再加速へどの位置から入ったか
  3. 残り600m地点で先頭とどの程度の差だったか
  4. そこから上がり3F順位をどこまで上げられたか

です。

過去20年では、上がり上位の勝ち馬が多い一方、その上がりを出すまでの位置取りは中盤ペースによって変わってきました。菊花賞は「上がりが速い馬」を探すより、3000mの流れの中で上がりを使える状態をどこまで残せるかを見るレースです。

FAQ

菊花賞で最も多く勝っている前走は?

2006~2025年では神戸新聞杯組が12勝で最多です。ただし2016~2025年の近10年では4勝まで比重が下がり、セントライト記念など他ルートからの勝利が増えています。

菊花賞はどこからペースが上がりますか?

京都18開催の区間中央値では、残り1000→800mが12.70秒、残800→600mが12.00秒です。残り800m付近から再加速が始まり、そのまま長く速度を維持する形が基本です。

菊花賞は上がりの速い馬が強いですか?

京都18開催では勝ち馬18頭中16頭が上がり3F3位以内です。ただし2018年の33.9秒と2012年の35.9秒はいずれも上がり1位で、中盤の流れが違います。順位とそこまでの負荷を一緒に見ます。

2021年・2022年の菊花賞はどう扱っていますか?

両年は阪神開催です。結果・人気・前走・配当には含めますが、京都芝3000mのラップ・枠・残り600m地点の位置取り分析からは除外しています。

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