【鳴尾記念】過去レースの傾向

1951年に創設された歴史の長い重賞。創設当初はハンデキャップ重賞として年に2回行われていたが、1954年からは年1回に。1984年のグレード制導入に伴いGⅡに格付けされたが、その後時期・距離・条件ともに変遷を重ねた上、2000年に年末のGⅢ重賞としてリニューアル。その後さらに距離・時期の変遷があり、2012年より6月の芝2000mという条件に。また、2021年・2022年は京都競馬場改修工事に伴う変則開催の影響で中京競馬場での開催。
今回は、現行条件となった2012年以降の過去10年のレース結果に基づいて傾向を分析。

鳴尾記念 過去レースのラップタイム

馬場200400600800100012001400160018002000
201212.711.313.012.812.512.511.911.210.611.6
201312.511.412.512.611.411.911.911.311.412.0
201412.410.912.412.912.011.911.611.611.511.9
201512.310.912.411.912.012.011.911.811.512.1
201612.611.312.011.711.411.811.711.611.312.2
201712.611.612.712.512.212.011.711.511.011.6
201812.110.511.612.012.011.911.811.711.612.0
201912.511.512.212.212.012.011.911.511.512.3
202012.211.012.812.211.812.211.611.712.112.5
202113.111.913.012.612.312.211.511.111.111.9

阪神開催時の平均ラップは、内回り中距離ラップの典型ともいえる後半1000m(800m)のロングスパート戦。逃げ切り勝ちとなった2017年・2021年(中京)は共に前半からスローという流れで共通していて、1・2コーナーの流れがひとつのカギとなるレース。過去10年(阪神9年・中京1年)の平均は、前半5F60.2秒、後半5F58.8秒の後傾ラップ。施行時期の関係で少頭数になりやすいのもスロー傾向となる背景事情のひとつ。

1~3着馬の脚質分布

この10年では勝ち馬は前後イーブンで、2・3着は後方組がやや優勢という結果。これは、前半が遅めに流れるレースが多いことで「スローからのヨーイドン」の競馬になっている年が少なくないことが理由。過去10年の出走馬116頭のうち、113頭は残り600m地点で先頭から1秒以内のポジションにいて、71頭は0.6秒差のポジションにつけている。

鳴尾記念 過去10年 人気別の傾向

人気着別度数勝率連対率複勝率
1番人気  2-  4-  0-  4/ 1020.00%60.00%60.00%
2番人気  2-  1-  1-  6/ 1020.00%30.00%40.00%
3番人気  2-  0-  1-  7/ 1020.00%20.00%30.00%
4番人気  1-  0-  3-  6/ 1010.00%10.00%40.00%
5番人気  0-  1-  2-  7/ 100.00%10.00%30.00%
6番人気  1-  0-  0-  9/ 1010.00%10.00%10.00%
7番人気  0-  1-  1-  8/ 100.00%10.00%20.00%
8番人気  1-  1-  0-  8/ 1010.00%20.00%20.00%
9番人気  0-  2-  0-  8/ 100.00%20.00%20.00%
10番人気  1-  0-  1-  7/  911.10%11.10%22.20%
11番人気  0-  0-  0-  7/  70.00%0.00%0.00%
12番人気  0-  0-  0-  5/  50.00%0.00%0.00%
13番人気  0-  0-  1-  3/  40.00%0.00%25.00%
14番人気  0-  0-  0-  3/  30.00%0.00%0.00%
15番人気  0-  0-  0-  2/  20.00%0.00%0.00%
16番人気  0-  0-  0-  2/  20.00%0.00%0.00%

1番人気は過去10年で2勝2着4回。連対率6割も2勝・着外4回は少し物足りない。1番人気で信頼できるのは「前走GⅠ組」でそれ以外のケースでは飛ぶということも念頭にいれて馬券を組み立てた方が安全。そもそも、この時期の中距離重賞路線は、ここで賞金を稼いで秋の備えたい馬、これで休みに入る馬、ここから夏競馬に向けて始動していく馬、条件クラスを卒業したばかりの馬、頭数が少なく出走できるから登録した馬が混在する時期で、100%のパフォーマンスを発揮できる馬の見定めが非常に難しい。過去10年の人気傾向だけで馬券を組み立てれば4~10番人気までの馬を軸にした3連複・ワイドがよさそう。

鳴尾記念 前走レース(ローテーション)別の傾向

前走レース名着別度数勝率連対率複勝率
天皇賞春G1 3- 0- 0- 2/ 560.00%60.00%60.00%
中山記念G2 2- 0- 0- 1/ 366.70%66.70%66.70%
新潟大賞HG3 1- 3- 3-19/263.80%15.40%26.90%
都大路S 1- 1- 1-13/166.30%12.50%18.80%
弥彦S・3勝 1- 0- 0- 0/ 1100.00%100.00%100.00%
福島民報H 1- 0- 0- 0/ 1100.00%100.00%100.00%
京王杯スG2 1- 0- 0- 0/ 1100.00%100.00%100.00%
ヴィクトG1 0- 2- 0- 0/ 20.00%100.00%100.00%
産経大阪G2 0- 1- 1- 5/ 70.00%14.30%28.60%
都大路S(L) 0- 1- 0- 7/ 80.00%12.50%12.50%
小倉大賞HG3 0- 1- 0- 2/ 30.00%33.30%33.30%
香港CG1 0- 1- 0- 0/ 10.00%100.00%100.00%
大阪杯G1 0- 0- 2- 4/ 60.00%0.00%33.30%
日経賞G2 0- 0- 1- 2/ 30.00%0.00%33.30%
有馬記念G1 0- 0- 1- 1/ 20.00%0.00%50.00%
大阪城SH 0- 0- 1- 0/ 10.00%0.00%100.00%
ダービーHG3 0- 0- 0- 3/ 30.00%0.00%0.00%
大阪城H(L) 0- 0- 0- 2/ 20.00%0.00%0.00%
京都記念G2 0- 0- 0- 4/ 40.00%0.00%0.00%

過去10年では前走天皇賞(春)組が3勝で最多。このうち1勝は1年以上の休み明けで制したパフューマープロミスも含まれる。それに次ぐのが中山記念の2勝で、相手の強いレースで戦ってきた馬の格がものを言う傾向が強いといえる。新潟大賞典組は、1勝2着3回。直近の同距離重賞で好走したことで人気になりやすいことを考えると妙味の薄い結果に終わっている。新潟芝2000mは外回りで、阪神(中京)芝2000mとは求められる適性が異なることにも注意しておきたい。

鳴尾記念 年齢・性別の傾向

年齢着別度数勝率連対率複勝率
3歳  0-  0-  0-  1/  10.00%0.00%0.00%
4歳  2-  3-  5-  7/ 1711.80%29.40%58.80%
5歳  5-  3-  1- 16/ 2520.00%32.00%36.00%
6歳  2-  2-  3- 34/ 414.90%9.80%17.10%
7歳  0-  2-  1- 20/ 230.00%8.70%13.00%
8歳  1-  0-  0- 10/ 119.10%9.10%9.10%
牝馬 0- 2- 0- 1/ 30.00%66.70%66.70%

過去10年では5歳馬が5勝で最多。勝ち馬5頭は当レースまでにすでに重賞での入着以上の実績があり、重賞初挑戦というタイプの馬では厳しい。4歳馬についても基本的には同じで重賞級と戦ったことのない上がり馬がいきなり勝つレースではない。牝馬は3頭が出走して2頭が2着。2週後に同じ2000mのマーメイドSがあることを念頭におけば「牡馬相手の別定GⅢでも通用する」というソロバン勘定があるということなのだろう。

鳴尾記念 過去10年 負担重量(斤量)別の傾向

斤量着別度数勝率連対率複勝率
52kg  0-  0-  0-  1/  10.00%0.00%0.00%
54kg  0-  2-  0-  1/  30.00%66.70%66.70%
56kg  8-  7-  8- 84/1077.50%14.00%21.50%
57kg  2-  1-  2-  5/ 1020.00%30.00%50.00%
58kg  0-  0-  0-  1/  10.00%0.00%0.00%

3歳52kg 4歳以上56kg(牝馬-2kg)を基準斤量とするグレード別定。グレード別定の重賞は背負わされた馬が素直に強いというのが基本的な傾向ではあるが、時期(番組編成)的な事情もあり斤量を背負わされるタイプの馬があまり出走せず、基準斤量の馬だけのレースになることが多い。

鳴尾記念 狙い馬のプロファイル

  • 単騎逃げの期待の高い馬
  • スローペース戦での切れ味鋭い差し馬

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